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更新日:2013年3月21日
商品テスト結果 発電機・木炭等による一酸化炭素中毒の危険性
発電機の屋内での使用は厳禁です!!
一酸化炭素中毒事故を防ぎましょう
発電機を室内で運転させるとたった10分でも致死濃度に達します!
平成23年11月14日
生活文化局
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、東京電力(株)では計画停電を行い、東京都においても一部の地域で実施されました。このため、発電機や木炭などが注目されていますが、東京消防庁管内では、停電中にこれらを使用したことによる一酸化炭素(CO)中毒事故が3件発生しています。このような事故は、使い慣れていない人が本来屋外で使用すべき発電機を室内で使用したり、換気が不十分なまま木炭などを使用したことが原因と考えられます。
そこで、発電機や木炭、練炭による一酸化炭素中毒の危険性について調査を行いました。
今回の調査結果を踏まえ、今後の一酸化炭素中毒事故を防止するためにも、消費者に注意喚起を行っていきます。
発電機・練炭・木炭を6畳程度の室内で使用した際の一酸化炭素濃度の変化を測定しました。
家庭用の小型発電機を室内で運転したところ、一酸化炭素の濃度は10分程度で極めて危険なレベルである1,600ppm以上に達しました(図1)。
短時間であっても、屋内や閉鎖的な空間(車庫や小屋等)で使うことは死亡事故につながる危険性があります。
着火した木炭や練炭を室内で燃焼させたところ、一酸化炭素濃度は800ppm以上という長時間の使用により危険が生じる可能性のあるレベルに達しています(図2)。
一方、換気扇による強制換気を行うと100ppm以下まで低減できます。しかしながら、暖まるためには効果が大幅に低減してしまいます。
問い合わせ先
生活文化局消費生活部生活安全課
電話 03-5388-3082
年齢・性別 | 内容 |
---|---|
61歳 男性 | 自宅において、計画停電に伴う室内照明の為に、玄関で発電機を作動させ使用していた。息子が帰宅し、倒れている父親を発見し119番通報をした。 |
84歳 男性 | 自宅のダイニングにおいて、計画停電に伴い七輪に炭をおこし、暖を取っていたところ、家族と会話中に、横になったまま、呼びかけても一瞬返事をしなくなったため、家族が救急要請した。 |
63歳 女性 | 自宅の居室において、計画停電に伴い、長火鉢に炭をおこしてお湯を沸かしていたところ、気分が悪くなり、携帯電話から外出中の夫に連絡をした。帰宅した夫が家の電話から119番通報をした。 |
一酸化炭素(CO)は、無色・無臭・透明で、強い毒性がある危険な気体で、症状としては以下のようなものがあります。
空気中におけるCO濃度(%) | 吸入時間と中毒症状 |
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0.02%(200ppm) | 2時間から3時間で前頭部に軽度の頭痛 |
0.04%(400ppm) | 1時間から2時間で前頭痛・吐き気 2時間30分から3時間30分で後頭痛 |
0.08%(800ppm) | 45分間で頭痛・めまい・吐き気・けいれん 2時間で失神 |
0.16%(1600ppm) | 20分間で頭痛・めまい・吐き気 2時間で死亡 |
小型発電機は、ガソリンやカセットボンベを燃料とする発電機で、電源がない場所での電灯などの電気器具を使用するために用いられています。今回のテストでは、定格出力が0.45キロボルトアンペア、0.9キロボルトアンペア、2キロボルトアンペア(排気量は76立方センチメートル、49立方センチメートル、171立方センチメートル)の個人の利用を想定したガソリンエンジン発電機を使用しています。
CO警報器は、人が気づかない一酸化炭素の発生を感知し、すばやく危険性を知らせてくれる安全器具です。詳しくは…ガス警報器工業会ホームページ
お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3055