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更新日:2013年3月21日
商品テスト結果 開放型暖房機器からの排気による室内汚染についてテストしました
石油ファンヒーター等の使用時は効率的な換気が不可欠です!
平成20年12月3日
生活文化スポーツ局
石油ファンヒーター等の開放型暖房機器は、一般家庭に広く普及していますが、その燃焼過程において二酸化窒素等の汚染物質が発生しています。
近年、住宅の高気密化が進んでいることから、十分な換気を行わず開放型暖房機器を使用した場合、室内環境の悪化による呼吸器系疾患への健康影響が懸念されます。
そこで、石油ファンヒーター等の開放型暖房機器から排出された二酸化窒素等による室内汚染の実態をテストで明らかにし、その結果を消費者に情報提供することとしました。
二酸化窒素等による室内汚染を減少させるためには、次のような対策をとりましょう。
エアコン等を主暖房とし、開放型暖房機器は寒冷日に補助的に使用することで、開放型暖房機器単独で使用した場合に比べて室内の汚染物質濃度は大きく下がります。
低NOx型暖房機器の開発及び普及促進への取組みを各会員に促すこと
効率的な換気方法をより具体的に取扱説明書等へ記載すること、等
強制通気形開放式石油ストーブの窒素酸化物排出量について、より低い基準値の設定に努めること
室内の二酸化窒素濃度は、使用開始後15分程度でいずれも短期曝露の指針値(0.1~0.2ppm)を上回り、0.3~0.4ppmとなった。
設定温度を25℃から20℃へ5℃下げた場合、室内の二酸化窒素濃度は約2割減少するとともに、燃料使用量も約2割減少した。
石油ファンヒーター及びガスファンヒーターの使用時の換気回数を10回/時に上げてみると、室内の二酸化窒素濃度は3分の1程度に下がった。この場合、室温は設定温度付近に維持されたが、燃料使用量は約2倍に増加した。
1ヶ所の窓開け(1時間に2分間)では、室温の低下はわずかで燃料使用量も増加しなかったが、数分で窓開け前に近い二酸化窒素濃度に戻った。
エアコンによる暖房は、二酸化窒素等の汚染物質を室内に排出しない。一方、石油ファンヒーターは室内をすばやく暖めることができる。
両者の長所を活かすため、エアコンを主暖房とし、最初の15分間だけ石油ファンヒーターを併用した場合の室内の二酸化窒素濃度を測定した。
併用した場合の二酸化窒素濃度は、石油ファンヒーター単独使用の場合に比べて約2割の濃度まで下がった。
暖房機器のうち、燃焼に必要な空気を室内から供給し、燃焼排ガスをそのまま室内へ排出する方式をとるもの。
窒素酸化物は、空気中で石油や石炭等の物の燃焼等を行うとその過程で必ず発生するもので、燃焼温度が高温になるほど多量に発生する。代表的なものは、一酸化窒素と二酸化窒素。二酸化窒素は、低濃度慢性暴露では慢性気管支炎、肺機能低下を生じることが指摘されている。
二酸化窒素について、地域の人口集団の健康を適切に保護することを考慮し、昭和53年3月に中央公害対策審議会から提案された指針値であり、短期曝露については、1時間曝露として0.1~0.2ppmとされる。
1時間に室内の空気が何回入れ替わるかを示す。換気量を部屋の容積で割った値。
お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3055