トップページ > 商品安全 > 商品等の安全性に関する調査・商品テスト > イヤホンの使用が聴覚に及ぼす影響についての調査結果
更新日:2015年3月6日
危険!イヤホンからの音楽で周りの音が聞こえない!
平成20年3月17日
生活文化スポーツ局
東京都は、イヤホンの使用が聴覚に及ぼす影響についての調査を行いました。その結果、屋外で歩行中などにイヤホンを使用すると自転車のベルなどが聞こえず事故に遭う危険性が高いこと、普段音量に注意を払っている人でも周囲の騒音が大きい場合には意図しない大きな音量で聞いてしまう危険性があること、などが明らかとなりました。
よって、危害・危険の未然防止を図るため、業界団体への要望等を行いましたのでお知らせします。また、今後、消費者への注意喚起を行います。
屋外でのイヤホン使用者(662人)の8.0%(53人)が、屋外での使用中、「自動車や自転車と接触しそうになった」などの危険な状況に遭遇したことがあった。中には「救急車に気付かなかった」という回答者もいた。
イヤホンを使って70デシベル程度で音楽を聴取するとき、周囲の音に対する聴覚感度は30デシベル以上低下した。特に挿入型など遮音性の高いイヤホンでは最大65デシベル低下した。自転車のベル音に気付きにくいと考えられ、さらに大きな音量で聴取している場合には自動車のクラクションも聞こえるとは限らない。
静かな環境では、被験者の3分の1近くが60デシベル未満の聴取レベルを快適と感じたのに対し、73.2デシベルの騒音下では、80デシベル以上を快適と感じた被験者が34%に上った。
周囲の音が聞こえないと、後方や死角から近づいてくる自動車や自転車などに気付くことができません。イヤホンを使っていると周りの音が聞こえにくくなるだけでなく、音楽に気を取られて周囲への注意力も散漫になり、事故に遭う危険性が高くなります。屋外ではなるべくイヤホンを使用しないようにしましょう。特に自転車に乗りながら使用することは絶対に止めましょう。
また、周囲の人は、イヤホン使用者にベルやクラクションの音が聞こえているものと思い込むのは危険です。事故などを防ぐため、周囲の人も十分に注意しましょう。
周りの音が大きいと、どうしてもボリュームを大きくしてしまいがちです。そのため、気が付くと思った以上の音量で聴いてしまっている場合があります。イヤホンを使うときには常に音量に気を配るようにしましょう。
調査結果に基づき、製造事業者団体及び国、関係機関等に対し、次のとおり要望及び提案並びに情報提供を行いました。
ア イヤホンの使用に伴って生じる危険性について、消費者に周知すること
イ 取扱説明書等の警告表示・注意表示について、消費者が具体的に危険性を認識できるような内容とするとともに、各社間での統一を図ること
ウ イヤホン、ポータブルオーディオ機器を安全に使用できるよう、機器の改良を進めること
ア イヤホンの使用に伴う危険性について消費者への啓発活動を推進すること
イ ポータブルオーディオの出力音量規制等について検討すること
ア 自転車乗車中、歩行中にイヤホンを使用することによる事故等の危険性について、広く社会に周知すること
イ 交通安全教室等において、イヤホン使用の危険性について指導・啓発を行うこと
【注】
※1)5メートル離れた位置で測定した自転車のベル音の周波数ごとの音の大きさと、挿入型のイヤホンで音楽を聴いているときの閾値※2)を比較したもの。閾値を上回る成分が少なく、非常に音は聞き取りづらいと考えられる。
※2)聴覚閾値。ある音を認識するために必要な音圧の下限値。これより小さな音は聞こえず、これ以上の音は聞こえる。
〔参考〕
120デシベル | 飛行機のエンジンの近く |
---|---|
110デシベル | 自動車の警笛(前方2メートル) |
100デシベル | 電車が通る時のガード下 |
90デシベル | 騒々しい工場の中 |
80デシベル | 地下鉄の車内 |
70デシベル | 騒々しい街頭 |
60デシベル | 普通の会話 |
50デシベル | 静かな事務所 |
40デシベル | 図書館 |
※イヤホンを使用するとどのくらい周囲の音が聞こえにくくなるか、サンプル音を掲載しております。
イヤホン使用による聴覚感度の低下の体感サンプル音
※別紙 イヤホンの使用が聴覚に及ぼす影響についての調査結果【概要】(PDF:190KB)
お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3055