廃油凝固剤でついうっかり火災を起こさないために
~廃油凝固剤の安全な使い方~
使用済みの食用油を排水として流すと環境への負荷が大きくなります。そのため、油を固めて「燃えるゴミ」として廃棄する廃油凝固剤が販売されています。
調理後時間が経って冷えた油は、凝固剤を溶かすため再加熱して使用しますが、加熱していることをついうっかり忘れて放置してしまい、高温になった油が発火し、火災にまで至る事故が、東京で毎年50~60件起きています。
そこで、廃油凝固剤についてテストを行い、消費者に対し、ついうっかりが火災につながることを注意喚起することとしました。
テスト結果の概要

発火直後の映像
- 「安全な使い方」を再現したテストとして、冷えた油600ミリリットルに1)凝固剤を加え、2)火をつけ(過熱防止装置側を使用)、3)かき混ぜながら凝固剤を溶かし、4)溶けたら直ぐ火を消し、後は固まるのを待った。このとき凝固剤が溶けるのに要した時間は2~3分であった。この使い方をパッケージに表示してある商品としていない商品があったが、どちらの凝固剤も、この使い方で油は固まり、この使い方を守れば「ついうっかり」は起こらないことを確認した。
- 「調理油過熱防止装置」がある側のこんろで再現テストを行った場合は、発火に至る前に装置が作動し火が消えることを確認した。
- 消費者への注意喚起
- 油を加熱中その場を離れてはいけません!~「自分は忘れたりしない」、「自分だけは大丈夫」と思っていませんか?誰にも、ついうっかりで火災を起こしてしまう危険性があります。
- 冷えた油を固める場合は、1)凝固剤を加える、2)火をつける、3)油をかき混ぜながら凝固剤を溶かす、4)溶けたら直ぐ火を消す、という手順で使いましょう。~激しくかき混ぜる必要はありません。少しの時間、様子を見ながらゆっくりかき混ぜればよいのです。→詳しくは別紙を
- 油を加熱するときは、「調理油過熱防止装置」付きのガステーブルの場合、過熱防止装置がある側のこんろを使いましょう。~火災を防ぐのに有効です。揚げ物調理のときもそうしましょう。
- なるべく凝固剤は、料理直後の油がまだ熱いうちに溶かして使うようにしましょう。~料理にとりかかる前から計画しておきましょう。
結果に基づく措置
今回テストした廃油凝固剤を製造している事業者に、表示の改善等について要望した。
社団法人日本ガス石油機器工業会に、消費者への注意喚起について要望した。
動画
wmv形式(WindowsMediaPlayer用)
※発火に至る映像がありますので、ご入用の方はご連絡ください。
※別紙 冷えた油を固める安全な使い方
東京都生活文化局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3055