トップページ > 若者 > サッと読める ちょっとお耳に入れたい話 > 令和7年度第3テーマ「無理しない食生活の整え方 ―無理なく続く、食の“初期設定”を見直す3つの場面―」
更新日:2026年3月4日
食生活を見直したほうがよいと分かっていても、実際の行動を変えるのは簡単ではありません。忙しい毎日の中では、人は無意識のうちに「いつもと同じ選択」を繰り返してしまいます。これは意志が弱いからではなく、誰にでも起こることです。
そこで本シリーズ(全3回)では、「頑張る」「我慢する」ことを前提にせず、無理なく実行できるように初期設定(デフォルト)を少し変えるという考え方を大切にしています。選びやすい形、手に取りやすい形を整えることで、無理なく食生活を整えるヒントを、場面ごとに3回に分けて紹介します。
第1回 朝ごはん、食べないとダメ?―「時間栄養学」から考える、無理しない朝食の話― |
執筆 女子栄養大学栄養学部 教授 林 芙美 氏
朝はギリギリまで寝ていたい。食欲もないし、朝ごはんはコーヒーだけ。そんな生活を送っている若者は少なくありません。朝食は食べたほうがよい、と分かっていても、現実にはなかなか実践できないものです。

最近注目されている「時間栄養学」では、何を食べるかだけでなく、いつ食べるかが体の働きに影響することが示されています。朝食をとることは、体内時計を「朝モード」に切り替える合図となり、生活リズムを整えやすくします。特に朝にたんぱく質を含む食事をとることは、体のリズムを整えるとともに、筋肉量の維持に関係することが報告されています。また、朝食をとる習慣は、エネルギー代謝のリズムと関係し、体脂肪がたまりにくい体の状態づくりにもつながります。
さらに、朝食欠食が続くと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病リスクが高まりやすいとの報告もあります。若い世代では実感しにくいかもしれませんが、朝の食習慣は、今の体調管理に重要なだけでなく、将来の健康にとっても無関係ではありません。
とはいえ、毎朝しっかりした食事を用意する必要はありません。重要なのは、完璧な朝食ではなく、体に「朝が来たこと」を知らせることです。バナナと牛乳、ヨーグルト、ゆで卵1個、コンビニのおにぎり1個でも構いません。少量でも、たんぱく質を含む食品を取り入れることで、体は朝のスイッチを入れやすくなります。
朝食は、多様なメニューではなくても、飽きない程度の組み合わせがあれば、続けやすくなります。「これを食べる」とあらかじめ決めておくことで、考える手間が減り、自然と行動につながります。例えば、チーズトーストとゆで卵、温野菜とおにぎりなど、いくつかの型を用意しておくのも一つの方法です。
朝食をとれない日があっても、自分を責める必要はありません。できる日だけ、できる形で。「朝に何かを口にする習慣」を持つことが、体のリズムを整える第一歩になります。

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