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トップページ > 若者 > サッと読める ちょっとお耳に入れたい話 > 令和4年度第1テーマ マッチングアプリで素敵な出会いを探すつもりが…まさかのトラブル

更新日:2022年8月24日

マッチングアプリで素敵な出会いを探すつもりが…まさかのトラブル

マッチングアプリで知り合った相手から投資などの海外サイトに勧誘され、被害に遭う例が増えています。国民生活センター越境消費者センター外部サイトへリンクによると、出会い系サイトやマッチングアプリ等に関する年度別相談件数も2020年度の109件(うち、投資等に関する相談は84件)から、2021年度には187件(うち、投資等に関する相談は170件)と、大幅に増えています。

この連載では、マッチングアプリを使うときの注意点と、トラブル事例とその注意点などをご紹介します。トラブルに巻き込まれないためにどうすればいいのか、一緒に考えていきましょう。

失った恋とお金

 

執筆: 成蹊大学 客員教授 高橋 暁子 氏

 

マッチングアプリを利用する場合の注意点

コロナ禍で学校や会社などに行く機会が減り、対面での出会いや交流の機会が減っています。その結果、オンラインでの相手探しやコンタクト、メッセージのやりとりなどのサービスを利用できるマッチングアプリの利用者が増えており、新たな出会いの場となっています。

その出会いが、恋愛や結婚などにもつながることがある一方で、デメリットとして、本人確認の徹底が難しいことから、詐欺や勧誘など本来の利用方法ではない目的で近づいてくる人物とマッチングしてしまうなどの危険があります。実際、マッチングアプリで出会った相手からお金をだまし取られたり暴行を受けたりするなどさまざまな被害を受ける例も増えています。被害を防ぎ安全に会うためには、どうすればいいのでしょうか。

 

マッチングアプリ

 

安全なアプリを選びましょう

まずは、マッチングアプリを選ぶときの注意点をお伝えします。

マッチングアプリの安全性は、アプリによって違います。登録時に身分証などの確認が必要で、24時間監視体制が整っているマッチングアプリを利用するといいでしょう。その他、マッチングアプリ運営事業者の安全対策として、相談窓口を設けているか、セキュリティや個人情報保護の強化に取り組んでいるかどうか、退会後の個人情報の取り扱いなどについてあらかじめ確認しておきましょう。

また、ビデオ通話をしてマッチングした相手の人となりを確認できるよう、ビデオ通話サービスのあるマッチングアプリを選ぶのもおすすめです。

 ビデオ通話

マッチングした後の注意点

マッチングした相手が、素性を偽っていたり、詐欺や勧誘など本来とは別の目的を隠していたりするかもしれません。だまされたりトラブルに巻き込まれたりしないために注意しましょう。

 

(1)信頼できると分かるまで個人情報は渡さないこと

マッチングした相手が信頼できる人だと確信できるまでは、個人情報を渡さないよう注意しましょう。やりとりはマッチングアプリ内だけにとどめ、住所や電話番号、学校や会社名などの個人情報は渡さないようにするといいでしょう。やりとりしている中で、相手が信頼できないと感じた場合は、ブロックしましょう。相手の対応に問題がある場合は、マッチングアプリの運営事業者に連絡をすれば、相手のアカウントを停止処分にするなどの対応をしてもらえることもあります。

(2)会う場合は日中・人が多い場所・短時間!

マッチングした相手と会うことになった場合も、引き続き慎重に対応し、「日中」「人が多い場所」で、「短時間」で会うようにしましょう。また、相手に指定された店などには行かず、車にも乗らないようにしてください。

(3)会ったときは飲み物を置いて離席しないこと

マッチングした相手と会っている間、飲食の際などにも注意が必要です。

近年、マッチングアプリで知り合った相手と食事に出かけた際に、お酒などに睡眠薬やドラッグなどの薬物を入れられ、意識を失っている間に性被害にあう「レイプドラッグ」被害が発生しています。

飲み物が残った状態でトイレなどに離席しないこと。飲み物に薬を入れられているかもしれません。怪しい場合は飲み物を取り替えるようにし、錠剤などを渡されても飲まないようにしましょう。

飲食の注意

 

被害に遭ったかもしれないと感じた場合は、できるだけ早く警察に相談することが大切です。薬物の成分は尿や血液に残りますが、数時間から1週間ほどで体外に排出されてしまいます。しかし毛髪には切らない限り成分が数年間残るため、毛髪鑑定で検出される可能性もあります。

 

次回からは、金銭的な被害を伴うトラブルについて説明します。

 

(参考)
TOKYOふたりSTORY最新の出会いの場事情 婚活サービス紹介例:1.オンラインサービス
 https://www.futari-story.metro.tokyo.lg.jp/matching/#point_01外部サイトへリンク

国民生活センター 出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を─恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に─

 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210218_1.html外部サイトへリンク

 

執筆: 成蹊大学 客員教授 高橋 暁子 氏

 

マッチングアプリで知り合った相手から、うまいもうけ話を持ちかけられることがあります。もうけ話の内容は、暗号資産でのFXや投資、賭博、デジタル宝くじなどのさまざまなパターンがあります。初めはもうかったように見え、信頼して多額の投資をしてしまった後に、もうけたはずのお金が引き出せなくなった、という被害が多発しています。

 

怪しい広告

 

初めのうちはもうかるように見えるが結局出金できず損失に

具体的な手口と事例をご紹介します。

例えば、「暗号資産の売買で資産が増やせると誘われ、海外の取引サイトに誘導された。そして、暗号資産の引き出しには手数料を支払う必要があると言われ、振り込んだが、返金されない」、「デジタル宝くじを紹介されて何度か振り込みと出金を繰り返したが、最後に出金できなくなった」などのトラブルが起きています。

 

このように、投資サイトなどの上ではもうけが出ているため、信頼して多額のお金を投資したところ、その後は出金できなくなってしまい、損失になった、というパターンが多く見られます。誘導された投資サイト自体が架空のサイトだということも多く、投資したお金が取り戻せなくなってしまうのです。また、投資するときに、免許証の写しなどを送ってしまっていると、個人情報を悪用される可能性もあります。

 

game_kakin

 

投資はよく考えて。迷ったら消費者ホットラインに相談を

マッチングアプリで知り合った相手は、本当に信頼できるのか見極める必要があります。

個人情報やお金を、安易に渡さないようにしましょう。

また、うまいもうけ話はありません。投資は必ずリスクを伴うため、生活に支障が出ない範囲で、使えるお金の範囲でよく考えて投資するようにしてください。

 

契約内容に不安を感じたり、やりとりを不審に思ったりした場合は、すぐに消費者ホットライン「188(いやや)」番に相談してください。

 

 

執筆: 成蹊大学 客員教授 高橋 暁子 氏

 

最近特に増えているのが、「国際ロマンス詐欺」です。恋愛感情を利用し、結婚をほのめかすなどして気を引き、お金をだまし取る詐欺被害が増加しているのです。未婚既婚問わず、幅広い年代の男女が被害に遭っています。国際ロマンス詐欺の典型的なパターンと詐欺実態、見分け方を解説します。

 

「国際ロマンス詐欺」とは

国際ロマンス詐欺の典型的な手口は、次のような流れです。

マッチングアプリなどで、美男美女の外国人とマッチングが成立します。マッチングした相手は、社会的地位が高く、裕福な生活をしており、医師、軍人、実業家、ジャーナリスト、投資家などと自称していることがほとんどです。

そのような人が、「愛している、結婚しよう」などと愛を語ってくるので、多くの人は舞い上がってしまいます。

 

マッチングした相手は、すぐに連絡方法をマッチングアプリ以外のSNSなどに変更するよう誘導し、機械翻訳などによる不自然な日本語でメッセージを送ってきます。外国人なので日本語がうまくないと感じさせることで、やりとりの不自然さに気付きづらくさせています。

そして、さまざまな理由で、お金を送ったり投資したりするよう要求してきます。

最後には、お金は戻ってこないまま、送金相手や投資先などとは連絡が取れなくなってしまいます。

 

具体的な事例をみていきましょう。

ロマンス詐欺

 

恋愛感情を利用してお金を搾取

「国際ロマンス詐欺」は、恋愛感情を利用してお金をだまし取ることがポイントで、例えば「二人の将来のために一緒にお金を稼ごう」と、結婚をほのめかして投資を持ちかけられることがあります。

 

他にも、「あなたにプレゼントを送りたかったが税関で止められた」と高額の通関手数料を求められたり、相手のパスポートが送られてきたので信用して荷物の受取りを承諾したら、高額な手数料を請求されたりすることもあります。中には、日本へ渡航するための休暇取得費用を請求されることもあります。

 

「家族だと思って頼りたい、会社が倒産する/家族が病気だ」などと、お金が必要なので助けてほしいと、金銭的に頼ってくることもあります。

お金の無心

どの場合も、被害者は相手との結婚などを夢見て、相手を信じてお金を出してしまうのです。

 

画像検索などで転用に気付けることも

だまされないためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

まず、相手のプロフィールにうそがないか調べてみましょう。例えば、相手のプロフィール写真を画像検索することで、他人の写真を転用していることが分かる場合があります。また、ビデオ通話をして、表示された相手が本当にプロフィール写真と同じ人物なのか確認するようにしましょう。他にも、マッチングした相手が示したメールアドレスや電話番号、メッセージなどを検索することで、転用に気付けることもあります。

検索

 

そもそも直接会う前に結婚をほのめかしたり、お金の話を出したりしてくる時点で、怪しいと考えるべきです。相手は甘い言葉で信頼させるプロです。はまり込む前に、早い段階で信頼できる家族や友人などに相談して、客観的な判断を仰ぐといいでしょう。

 

不安を感じたり不審に思ったりした場合は、消費者ホットライン「188(いやや)」番に相談してください。

万一、お金をだまし取られてしまったら、警察に相談してください。

 

(参考)
独立行政法人国民生活センター ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか?-
 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220303_2.html外部サイトへリンク

独立行政法人国民生活センター 愛のギフトを受け取ってほしい!?それってもしかして「国際ロマンス詐欺」?

 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200213_2.html外部サイトへリンク

 

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お問い合わせ先

東京都消費生活総合センター活動推進課学習推進担当

電話番号:03-3235-1157