トップページ > 若者 > サッと読める ちょっとお耳に入れたい話 > 令和5年度第1テーマ「進化するフリマサービス!上手に利用しよう」
更新日:2023年8月29日
欲しいものがあったらまずフリマアプリで探すという人も多いのではないでしょうか。スマホがあれば簡単に売り買いできることが魅力で、占いだって買えちゃいます。一方で、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。これから3回にわたり、フリマサービスの仕組みやトラブル事例とその注意点などをご紹介します。フリマを安全に使う方法をここで一緒に考えましょう!
執筆: 一般社団法人ECネットワーク 理事 原田 由里 氏
フリマ(フリーマーケット)サービスは、主にアプリで提供されている個人間取引の場です。簡単に売買に参加できるという点で、リサイクルやシェアというエコな考え方のほか、スニーカーやトレーディングカードなどの「モノ投資」にも利用されているようです。
フリマサービスがこれからの人も、すでに使っている人も、便利に安全に利用するために覚えておきたいポイントをここで押さえておきましょう。
フリマサービスはフリマの運営会社が個人間の取引の場を提供しています。以前の個人間取引は、基本代金先払いで、お互い個人情報を開示して取引していましたが、詐欺や個人情報悪用が懸念されていました。
多くのフリマサービスでは運営会社が代金を一旦預かり、商品到着後に代金を払い出すという「エスクロー」形式が採用されています。また、大手の運営会社では本人確認をした上で、配送業者にのみ個人情報が開示される匿名取引も可能となっています。
買主が商品を受け取り、出品者を評価(受取評価)すると、運営会社から売主に代金が払い出されます。代金が売主に払い出された後にトラブルになっても、解決が困難となることがあります。
買主側は、必ず、商品の到着と、その中身が正しいかどうかを確認してから受取評価をしましょう。商品に問題があった場合は、受取評価をせずに、まずは取引相手である売主にすぐ連絡しましょう。
簡単に販売できるのもフリマサービスのメリットですが、個人が販売する商品は、新古品、中古品が多いと思いますので、商品説明と使用する画像には配慮が必要です。傷や汚れその他不良箇所があれば、正直に説明する方が信頼度が高くなります。自分が買主側に立った時に欲しい情報を出すようにしましょう。
また、出品禁止品に該当していないか出品前に改めて利用規約などで確認してください。問題があった場合、運営会社が削除、若しくは代金の払い出しをしないことがあります。
執筆: 一般社団法人ECネットワーク 理事 原田 由里 氏
フリマサービスとインターネット通信販売(ネット通販)との違いや、個人間取引の多様化、また、それに関連する問題点などについて考えてみましょう。
ネット通販は店が商品を販売しています。広告表示には、商品広告のほか店の住所や電話番号などの連絡先、返品条件などが記載されていて、それを確認してから購入を決めます。
それに対し、フリマサービスの売主は個人がメインで匿名取引ができますので、フリマサービスのシステムによっては取引が完了すると売主と連絡が取れなくなることがあります。
フリマサービスで出品されている商品の多くは中古品です。もともと傷や汚れ、不良箇所がある可能性があり、説明が不十分なこともあります。商品に疑問点があれば事前(受取評価をする前) に質問しましょう。
専門の商品のみを取り扱うフリマサービスもあります。例えばスニーカーやトレーディングカードなど、「モノ投資」を目的に価格変動が発生する商品を取り扱うフリマサービスもあります。ニセモノが流通する可能性があるため、運営会社が鑑定サービスを提供していることもあります。ただ、必ずしも正しい判断が期待できるとは限りません。
オンラインゲームのアカウントや興行チケットを専門に取り扱うフリマサービスもあります。しかし、オンラインゲームのアカウント売買はゲーム会社が利用規約などで禁止しています。興行チケットの中には高額転売を法律(チケット不正転売禁止法 )で禁止されているものがあります。正規の販売ルートではないため詐欺などに遭いやすく、運営会社の協力が得られないため救済もされません。自分が行う取引が社会的に見て正しいのか判断が必要になることがあります。
転売ヤーをご存知ですか?手に入りにくい商品をいち早くフリマサービスなどで高く転売する人や行為を指します。
販売価格の何倍もの金額を払ってでも手に入れたいという人のニーズから生まれたものですが、快く思わない人も多く、売主が嫌がらせを受けたり、思ったより高額で買ってしまうなどトラブルが発生しやすいため、店側が転売目的での購入を制限することが増えました。そのような商品の売買には参加しないほうが賢明です。
フリマサービス(個人間取引)を利用する場合は、トラブルが起きたら、基本的に当事者間での解決が求められること、また、悪質なトラブルが生じても利用者の自己責任となってしまうことがあることを理解して利用しましょう。
(参考)
東京くらしWEB「ご存じですか?「チケット不正転売禁止法」」
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/trouble/trouble79-ticket.html
執筆: 一般社団法人ECネットワーク 理事 原田 由里 氏
フリマサービスで個人間取引が簡単にできるようになり、物を購入したり、リサイクルしたりする選択肢が増えました。ただ、売主もプロではないため、お店と同じ対応が期待できるとは限りません。トラブルにあわないための心構えを知っておきましょう。
ブランド品が安く手に入る魅力がありますが、届いたらニセモノだったというトラブルがあります。付属品や保証書の有無など疑問点があれば購入前に売主に確認してください。届いた商品に問題があればすぐに売主や運営会社に連絡しましょう。最近は「モノ投資」で注目されるスニーカーやトレーディングカードなどにもニセモノが出回っています。
また、正規品かどうかが不明な商品はトラブルを避けるため販売しないでください。
独自の考え方を持つ参加者や暗黙の取引ルールが存在することがあります。例えば取引時に事前に記載しているマイルール(独自ルール)を押し付けてきたり、「○○様専用」という出品物が存在していることもあります。運営会社が定める公式ルール(利用規約など)にないものは、必ずしも応じる必要はありません。ただ、各個人の考え方を尊重する方がトラブルを避けられます。
また、取引のために「手数料を避けたい」「直接代金を振り込んでほしい」など、相手からフリマサービス外でのやり取りを求められたら断りましょう。
なお、最近発生しているのは、フリマサービス内での取引で、売主が買主に「私と取引するためには情報が必要」と言って直接連絡を取りIDやパスワードなどを聞き出し、買主のアカウントを一時的に乗っ取る手口です。売主が買主に代わって「受取評価」を行うことで、商品が届く前に勝手に代金が払い出されてしまいます
フリマサービスの運営会社は取引の場の提供者ですので、基本的には取引当事者間で話し合って解決します。特に個人間では、この話し合いの最中に感情論に発展して平行線になることがあります。トラブルが発生してもまずは冷静になることが重要です。
相手と連絡が取れなくなったり、平行線となった場合は早々に運営会社に相談しましょう。必ず対応してくれるとは限りませんが、個別に力になってくれることがあります。
フリマは日々進化しています。商品のほか、家事や占いなど個人のスキルを売買できるフリマサービスも出てきました。いずれのフリマサービスでも、そのルールを必ず守って上手に利用しましょう。
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