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トップページ > 若者 > サッと読める ちょっとお耳に入れたい話 > 令和6年度第3テーマ「初めて住まいを借りるなら、ここに着目!」

更新日:2025年4月7日

初めて住まいを借りるなら、ここに着目!

 新しく住まいを借りる場合には、トラブルに巻き込まれないように、押さえておきたいポイントがいくつかあります。そんなポイントを、物件探し、お金、賃貸借契約内容という切り口から見ていきます。

R6年度第3テーマサムネ

第1回 いざ新生活!でもその前に物件探し

執筆: 涼風法律事務所 弁護士 熊谷 則一 氏

賃貸借契約は、長期間にわたる契約です。予算をしっかり立て、また、十分に下見をしましょう。

R6年度第3テーマ第1回サムネ

 住まいを借りて新生活を始めるのであれば、物件探し→物件の内覧→賃貸借契約の内容や生活ルール等の確認→賃借の申込みと入居審査→賃貸借契約の締結・お金の支払いなどが必要になります。
 新しく住まいを借りる場合には、トラブルに巻き込まれないように、押さえておきたいポイントがいくつかあります。そんなポイントを、物件探し、お金、賃貸借契約内容という切り口から見ていきます。まずは、物件探し、からスタートです。

◆借りる、とは言っても、高い買物です。まずは予算から。

 例えば、300万円の自動車を買おうとする場合、きっと、買う前にいろいろとカタログを集めて性能を検討したり、ローンを組むなら支払いができるかを検討したりするでしょう。住まいを借りる場合も同じです。月額10万円の家賃でも、2年で支払う金額は家賃だけで240万円になります。高い契約だという認識を持つ必要がありますし、毎月支払うことができる家賃はいくらなのか、予算を立てる必要があります。

◆物件を探したら、必ず内覧(下見)をしましょう。

 今は、インターネットで物件情報を検索することが容易ですから、物件情報サイトなどで、建物の場所や広さと賃料の関係などの「相場」を大まかに把握することができます。
 物件情報を検索して、気に入った物件があったら、まずは、不動産業者(宅地建物取引業者)に連絡をして、その物件を内覧(下見)するようにしてください。間取りや住環境などは、実際の物件を見ることで初めてわかることがあります。

◆下見のポイント

 周囲の騒音や部屋の日当たりの有無、ネット環境、駅からの実際の距離などは、暮らしやすさに直結します。また、可能であれば、休日と平日、昼間と夜間など、曜日や時間帯を変えて下見をしてください。例えば、実は夜になるとカラオケの音が聞こえてきてうるさいとか、反対に人通りが全くなくなって一人歩きをするには注意が必要であるとか、トラブル予防に必要なことがわかります。数年間は住むことになる部屋です。様々な物件を見比べることも重要です。

第2回 賃貸借契約時点で支払うお金は様々

執筆: 涼風法律事務所 弁護士 熊谷 則一 氏

賃貸借契約の際には、家賃以外にも、様々なお金を支払うことが必要になります。

R6第3テーマ第2回サムネイル

 下見をして、住みたい物件が決まれば、不動産業者に入居を申し込みます。家主は、申し込んだあなたと契約を締結するかどうかを審査します。家主の審査が通れば、賃貸借契約を締結します。もっとも、家賃を支払うだけでは契約を締結することはできません。契約締結に際して支払うお金をまとめておきます。

◆入居の申込み時に支払うお金

※申込証拠金
 契約締結前、入居の申込みをした時点で、数万円程度の「申込証拠金」の支払いを求められることがあります。これは、不動産業者が預かるお金であり、契約締結に至れば家賃等に充当されますが、契約しないのであれば、返金されるお金です(返金しない不動産業者は法律違反になります。)。

◆契約締結時に支払うお金

※家主に支払うお金
 家主に毎月支払うお金は、家賃だけではありません。管理費・共益費(階段や廊下などの共用部分の清掃等の費用)などの支払いも必要です。したがって、契約締結時には、家賃以外にも、管理費・共益費などをあわせて、1カ月分の前払い(月の途中から入居する場合には日割り計算したものも加える)が必要です。また、敷金(家賃や損傷の修理費などを支払わない場合に備えて、家主に預ける金銭。家主に対する未払金がなければ、退去時に全額返ってくる。)として家賃の1~2カ月分、礼金(家主に対するお礼として支払う金銭)として家賃の1カ月分程度の支払いが必要となることもあります。

※仲介する不動産業者に支払うお金
 契約締結時には、仲介の報酬として、仲介を依頼した時に合意した報酬(家賃の半月分~1カ月分の間)を仲介業者に支払います。

※家賃保証会社に支払うお金
 賃借人が家賃や建物に付けた傷の修繕費用を支払わない場合に備えて、連帯保証人が必要になることがあります。さらに、連帯保証人以外に、家賃保証会社にこれらの費用の支払いの保証を委託する場合には、家賃保証会社に保証委託料(初回委託料は、家賃の半月分~1カ月分、その後毎月、家賃の数%程度。なお、金額や支払い方法は家賃保証会社によって異なる。)を支払います。

※損害保険会社に支払うお金
 賃貸借契約の締結にあたり、損害保険会社との間で、火災や浸水被害に備えて損害保険契約の締結を求められることがあります。この場合、賃貸借契約締結時に、賃貸借契約期間に応じた保険料を損害保険会社に支払います。

 いかがでしょうか。住まいを借りるために必要な金額のイメージはつきましたか?誰に対して、いくらの支払いが必要なのか、しっかり確認して支払うようにしてください。

第3回 いざ契約!トラブル予防のポイント

執筆:涼風法律事務所 弁護士 熊谷 則一 氏
賃貸借契約の内容を十分に理解して、トラブルなく新生活をスタートさせましょう。

令和6年度第3テーマ第3回サムネイル
 賃貸借契約を締結する前には、借りようとしている人に対して、仲介をする不動産業者の宅地建物取引士が、契約についての重要な事項について記載した重要事項説明書を使って説明することが法律で定められています。

◆重要事項説明で注意・確認するポイント

※契約期間の途中で退去できるのか、できる場合には退去の何カ月前に契約解除の通知をする必要があるかなど。
※契約期間が何年なのか、期間が満了すると契約が終了する定期借家契約なのか、賃貸人が希望すれば更新できる普通の賃貸借契約なのか、更新の場合に更新料を支払う必要があるのかなど。
※ペットの飼育禁止や音の出る楽器の使用禁止など、居住に当たってのルール。
※退去時の原状回復義務:次に詳しく説明します。

◆退去時の原状回復義務

 借りた部屋は、時間とともに劣化し(経年変化)、また、普通に使っていてもできてしまう傷や汚れ(通常損耗)が発生します。経年変化や通常損耗以外に、賃借人が部屋に加えた損傷は、退去時に原状に戻す義務(原状回復義務)があります。部屋にある傷が賃借人に原状回復義務がある損傷なのかどうかは、退去時に紛争となることがあります。この区別については、国土交通省のガイドラインや東京都のガイドラインに説明されているので、参照してください。
 また、本来は賃借人が負担する必要がない経年変化や通常損耗についての原状回復費用も、賃貸借契約の特約で、退去時に賃借人が負担する旨が定められることがあります。賃借人が、原則とは異なって特別の負担をするということを認識していて、不合理な内容でなければ、このような特約も有効です。特約の内容は、重要事項説明でも説明されるので、確認してください。

◆トラブル予防のために

 重要事項説明を受けて、内容を理解すれば、いよいよ賃貸借契約の締結です。賃貸借契約の他にも、前回解説した保証委託契約や損害保険契約なども締結することになることがあります。重要なのは、契約書の内容をよく理解することです。もし不明な点があれば、仲介をする不動産業者に納得できるまで聞いてください。契約書に署名捺印すると、契約書に記載したとおりの責任が発生します。
 それでも、もし、困ったことがあれば、1人で抱え込まず、消費生活センターに相談してみてください。

(参考)
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html
東京都住宅政策本部「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-3-jyuutaku.htm

 

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東京都消費生活総合センター活動推進課学習推進担当

電話番号:03-3235-1157