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読者レポート

地震に備えて、防災体験をしてみませんか

読者委員 (かい) (てつろう)

東京臨海広域防災公園[そなエリア東京]の周辺地図

ある日、地下鉄の中で何気なく目にした「そなエリア東京」の車内広告「もしここで大地震が起きたら72時間、どう生き残るか?」。この言葉が気になり、いざという時に慌てないために、東京臨海広域防災公園内にある防災体験学習施設「そなエリア東京」を訪問、取材させていただきました。

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甲斐委員(右)と東京臨海広域防災公園管理センターの川口さん(左)

「そなエリア東京」とは

「そなエリア東京」は、地震災害後の支援が少ない時間を生き抜く知恵を学ぶ防災体験学習ツアー「東京直下72h TOUR」を中心とした防災体験学習施設です。阪神・淡路大震災を契機に2010年に、有明地区の東京臨海広域防災公園内に開設されました。

首都圏で大規模な震災が発生した際には、公園内に政府の緊急災害現地対策本部が設置されます。公園は広域防災拠点としての役割も兼ねており、ヘリポートや広いスペースが整備されています。最寄り駅は、ゆりかもめ「有明駅」またはりんかい線「国際展示場駅」です。

今回は、1階の「東京直下72h TOUR」を体験し、2階の防災学習ゾーンを見学させていただいた後、担当者にお話を伺いました。

東京直下72h TOURを体験

「東京直下72h TOUR」は、タブレット端末を使い、クイズに答えながら、生き抜く知恵を学ぶ防災体験学習ツアーです。まず、エレベーターに乗ると地震の揺れを感知し、緊急停止しました。エレベーターを降りた後は、停電した薄暗い通路を避難誘導灯に従い、非常放送を聴きながら出口へ向かいます。外に出ると、目の前に被災した商店街が広がり、一部が崩壊した建物など被災地を再現した実物大のジオラマが迫力を持って現れました。ジオラマの中では、実際の避難行動をイメージできるクイズに答えながら、避難場所を目指します。

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ジオラマの一場面

大規模な震災が起きた場合、国や自治体などの支援体制が十分に整うまでの時間の目安は3日間、72時間といわれています。この3日間、自分自身でどう乗り切るかについて、防災クイズに答えながら、考えることができました。自宅や外出先・街中で被災した時どう行動すべきか、最低限身を守るための防災知識の重要性を改めて実感しました。

災害用伝言ダイヤル

震災時は、回線が混み合い電話がつながりにくい状況が発生します。NTTが提供している「災害用伝言ダイヤル(171)」は、災害時に自分の声でメッセージを録音し、家族や親しい人などがその音声を聞いて安否を確認できるサービスです。事前に決めた電話番号を入力することで、伝言を録音・再生できます。震災に備えて、家族などとスムーズな安否確認ができるよう、使い方を共有しておくことをお勧めします。

利用方法や災害発生時の提供条件の詳細は、NTT東日本のホームページからご覧いただけます。

防災学習ゾーンを見学

2階の防災学習ゾーンには、日常生活でできる備えを紹介する、「一人ひとりのそなえ」のコーナーがあります。震災時を想定し、事前に準備しておくと役立つ情報が、数多く展示されていました。その中から展示タイトルの一例を紹介します。

『現金を常に持っておく。』

普段は、便利なクレジットカードやチャージ式ICカードなどのキャッシュレス決済中心に生活していても、災害時に停電すると使えなくなる可能性があります。そのため、最低限の現金を持ち歩く習慣を身に着けておくことが大切です。おつりが出ない場合に備えて、千円札や小銭を準備しておくのがポイントです。

年齢や性別、体質や特性によって変わる「一人ひとりのそなえ」を紹介。

  • 遊び道具は、癒しの防災道具。
  • 周りの人に、持病を知らせておく。
  • 逃げる時こそ、白杖を肌身離さず。
  • つらい時こそ、好きな食べ物を。

また、防災グッズを紹介する「きほんのそなえ」のコーナーもあります。ひと昔前の防災用備品といえば、水、乾パン、防災頭巾などが主流でしたが、平成以降に発生した震災の経験を踏まえ、長期保存水や蓄電バッテリー、携帯用の簡易トイレなどが展示されています。在宅避難に備えた最低限の備品も性別・家族構成などに合わせて工夫されており、時代にマッチした内容となっています。

そなエリア東京の役割

管理センター長の長谷部さんによると、「そなエリア東京」は都民の皆さんをはじめ、日本国内及び海外からの方にも利用していただいていますが、さらに広報活動に力を入れ、より多くの方に来場していただきたいと考えているそうです。特に、魅力の一つでもある「子供が楽しく遊びながら学べる防災施設」の特徴を生かして、幅広い世代に防災意識を広めていきたいとのことです。また、今後も防災体験学習施設としてできることに最大限に取り組み、より多くの人に防災の大切さを伝えていきたいと語ってくださいました。

「東京直下72h TOUR」は原則9時30分から16時30分まで開催され、予約不要、体験無料です。公園内のスペースは、軽い運動やピクニックを楽しむなど、休憩・休息の場としても利用できます。

取材を終えて

今後、30年以内にマグニチュード7クラスの大地震が70%の確率で、首都東京で起きると想定されています。普段の生活の中では、震災について考える機会は少ないですが、今回、「そなエリア東京」での生々しい震災の擬似体験や防災学習ゾーンの展示などはとても参考になりました。

東京に住んでいる限り、首都直下地震を避けることはできないので、万が一に備え、普段の日常生活で準備できることを改めて考える機会になりました。伝言ダイヤルも帰宅後、早速、利用体験してみました。

取材時には、社会科見学の小学生や家族連れの見学者の方もいました。防災を学びながら楽しめる施設なので、機会があれば、読者の皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか。

展示パネルの一例