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今月の話題

ローリングストックで災害時に備えよう

 大きな災害が発生すると被災地に限らず、被災地から離れた地域でも食品が購入できなくなる可能性があります。そのために備えておきたいのが食品の備蓄です。
 本記事では、「無理なく進めやすい食品備蓄の方法」を分かりやすくお話しいたします。

一般社団法人 防災備蓄収納プランナー協会 代表理事 ながしば みえ

ローリングストックとは?

 農林水産省も家庭備蓄として推奨している「ローリングストック」は「いつも食べているものを少し多めに買ってストックし、食べた分を買い足していくことで、一定量のストックを回転させ、維持する」という仕組みです。
 ポイントは「いつも食べているもの」です。停電時を想定して、常温で日持ちする食品の予備を常に確保しておきます。いつも食べているものなので金銭的負担が少なくストックしやすい方法です。買い足しによる回転の目安は、半年程度とすると良いでしょう。
 大きな災害が発生すると、生鮮食品が手に入りにくくなり、電気やガスが止まると調理も難しくなります。炭水化物を摂るだけでは次第に食欲が落ちてしまいますので、タンパク質やビタミン、食物繊維などが取れる副菜のストックも大切です。
 「ローリングストック」の例として、水(日々購入している場合)、米、そうめんなどの乾麺、ツナやフルーツなどの缶詰、根菜などの野菜、りんごなどの果物、わかめなどの乾物が挙げられます。また、みそやしょうゆ、ドレッシングなどの好みの調味料があるとよいでしょう。さらに、ようかん、ゼリー、ペットボトルのお茶やジュースなど、好みのお菓子や飲料は災害時のストレスを和らげる役割としてとても大切なものです。忘れずにストックしておきましょう。

蓄える→補充する→食べる飲むのサイクルイラスト

半年くらいの回転を目安にしましょう

防災ストックとは?

 「ローリングストック」が「いつも食べているもののストック」であることに対し、「防災ストック」は「災害で買い物ができないときに食べるもののストック」と決めて備える方法です。
 「いつもどおり食材が購入できる時は缶詰やレトルト食品は食べたくない。どうしても抵抗がある。」という方もいるでしょう。味は好みだが頻繁には食べない食品は、「防災用ストック」としてキッチン以外の場所に分けて保管すると、「ローリングストック」として保管している食品と区別することができ、管理もしやすくなります。「防災ストック」の例として、肉や野菜が入った缶詰やレトルトパウチ食品、お湯を注ぐだけで食べられるインスタントみそ汁、五目ご飯や野菜の煮物、サバの味噌煮といった非常用食品、ドライフルーツなど、長期にわたって常温保存ができる食品が挙げられます。調理済みのものもあり、すぐに食べられるという利点もありますのでストックしておきましょう。缶詰を開ける際は手を切らないように注意が必要です。
 防災ストックは、買ったら終わりではありません。購入した物の賞味期限が切れるタイミング、もしくは、1年に1回、新しいものに買い替え、入れ替えた食品は実際に食べて消費していきます。消費する周期が長いため、食べる負担は軽くなります。缶詰やレトルトパウチ食品が苦手な方も、生鮮食品の代わりとして考えれば抵抗感も和らぐかもしれません。平常時に食卓で試しながらお気に入りの食品を見つけておきましょう。

ローリングストック 防災ストック

いつも食べている食品を多めにストックし、半年で回転させながら消費
(例)

  • みそ
  • カレールー
  • りんご

買い物ができない時のために長時間ストックし、賞味期限で買い替えながら消費
(例)

  • インスタントみそ汁
  • レトルトカレー
  • ドライフルーツ
必要なストック量

 「ローリングストック」と「防災ストック」を合わせて7日分以上になるように確保しておきましょう。水は1人1日3リットル。食事は1人分3食×7日=21食を目安にしてください。量を考えるのが面倒な方は献立表を作ると良いでしょう。1食ずつの食材がわかり、7日分の食品と調理に必要な水の量が明確になります。それを常にストックしておけば7日間は食事に困らないということになります。
 しかし、食事制限やアレルギーがある方は、災害中の食事がさらに困難になる場合があります。少なくとも、1カ月分は用意しておくことをお勧めします。医師や保健師の食事指導の下で備えておくようにしましょう。

備蓄食品の例

調理に必要な物

 常温の食事が続くと体調を崩すおそれがあります。煮炊きができるようにカセットガスボンベ使用の卓上用コンロがあるとよいでしょう。電気が復旧すれば電子レンジが使えるようになります。また、断水時は食器や調理器具などを洗えなくなるため、キッチンバサミ、ラップ、キッチンペーパー、使い捨て手袋、耐熱ポリ袋、牛乳パックなどが有効活用できます。

最後に

 食品備蓄のポイントは「好みのもの」「食べ慣れたもの」を選ぶことです。大きな災害が発生すると被災地に限らず、遠く離れた地域でも不自由な生活になることがあります。災害時は強いストレスがかかるため、食べることが難しくなります。食欲が落ちてしまうと体力も落ち、気力も損なわれてしまいます。食事は元気の源です。「災害時だから」と我慢する必要はありません。災害時も必要な食生活を続けられるよう、「食べたくなるもの」の備えを楽しみながら始めてみましょう。

参考

防災公園を知ろう

公益財団法人 東京都公園協会 しまの ともゆき

都市における公園の役割

 公園は、緑や憩いの空間として都市生活に潤いをもたらし、子どもから高齢者まで多くの人が利用する公共空間です。また、平常時の憩いの場であるとともに、災害時には避難場所や物資集積拠点として地域の安全を支える重要な役割を担っています。とりわけ、首都直下地震などの大規模災害への備えが求められる中で、公園に求められる防災機能への期待はますます高まっています。

防災公園の位置付けと役割

 東京都では、大規模災害時に避難や救援活動の中心となる公園を「防災公園」として位置づけています。これらの公園は、避難場所としての機能にとどまらず、物資の受け入れや救護活動など多様な役割を担う重要な都市基盤です。また、広い空間は火災の延焼防止にも寄与します。

災害に備えた公園の設備

 防災公園には、災害時に役立つ設備が整備されています。例えば、マンホール上に設営できる災害用トイレや、普段はベンチとして使いながら発災時には炊き出し用かまどとなる「かまどベンチ」などがあります。いずれも景観に配慮しつつ、いざという時に活用できるよう工夫されています。設備の詳しい内容は、協会ホームページからご覧いただけます。

身近な防災公園を知る

 お住まいや職場の近くにどのような防災公園があるかを知っておくことも重要です。事前に確認することで、災害時の行動に大きな差が生まれます。最寄りの防災公園(協会管理公園)についても、二次元コードから確認できますので、ぜひご活用ください。日頃から家族や職場で共有しておくことも大切です。

防災訓練・フェスタへの参加を

 協会では、地元自治体や警察、消防など関係機関と連携し、防災訓練や防災フェスタを各公園で開催しています。実際の設備に触れながら学べる貴重な機会です。公園の新たな役割を知り、地域の防災力を高めるためにも、ぜひご参加ください。

参考

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