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トップページ > 相談窓口 > 東京都消費者被害救済委員会 > ロードサービスの契約に係る紛争

更新日:2024年8月29日

「ロードサービスの契約に係る紛争」はあっせん解決しました

令和6年8月29日
生活文化スポーツ局

 都内の消費生活センターには、インターネットで検索して依頼したロードサービスの契約に関する相談が多く寄せられています。
 このような状況を踏まえ、都は標記紛争について、法的な考え方や問題点を整理して、同種の消費者被害の防止と解決にも役立てるため、東京都消費者被害救済委員会に解決を付託していました。本日、同委員会から知事に、あっせん解決したと報告がありましたので、お知らせします。

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消費者へのアドバイス

  • インターネットで検索して依頼したロードサービスに関する契約トラブルが増えています。広告に表示された安価な代金等をうのみにせず、事前に作業内容や代金を確認しましょう。 
  • 自動車の故障等が生じた場合は、まず契約している保険会社等に問い合わせましょう。
  • 日頃から、所有する自動車の状態を確認し、適切に整備を行いましょう。いざというときに困らないように、自動車保険に付帯しているロードサービスの内容や、他にどのようなロードサービスを利用できるか調べておきましょう。
  • 想定外の高額な請求に困ったり、トラブルになった場合は、すぐに消費生活センターにご相談ください(消費者ホットライン「188」局番なし)。契約してしまっても、クーリング・オフできる場合があります。

東京都消費者被害救済委員会とは

 東京都消費者被害救済委員会(会長 沖野 眞已 東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関です。

紛争の概要

【申立人】 20歳代
【相手方】 ロードサービス事業者
【申立人の主張による紛争の概要】
 自動車を車庫から出そうとしたところ後輪がロックして動かなくなった。インターネットでロードサービスを検索し、「2,480円~」と広告に表示されていた番号に電話をしたところ、担当者を向かわせると言われた。事業者は到着すると自動車の状態を確認し、「整備工場に出す必要がある。」と言い、「このまま路上に車を出していると警察に車両を移動させられる可能性があるので、すぐに対応しないといけない。」とせかされた。その後、「整備工場に依頼した。これからレッカー車がくる。」「支払いは14万円になります。」と言われ、契約書面への記入を促された。作業内容や代金の内訳について説明はなかったが、修理代が含まれているものだと思ってデビットカードで14万円を支払った。しばらくして、レッカー車が到着し、自動車を整備工場に運ぶと、事業者は帰っていった。しかし、整備工場で整備士に自動車を見てもらったところ、原因について「サイドブレーキじゃないですか。」、「直っていますよ。」と言われ、修理の必要はなかった。その後、自分で運転して帰った。
 レッカー移動だけで14万円も支払ったと分かり、翌日、消費生活センターに相談し、クーリング・オフ通知をメールで送信したが、応じてもらえない。

あっせん解決の内容

 委員会は、本件契約は特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)で規定する訪問販売に該当し、同法第9条に基づくクーリング・オフが認められると判断しました。これに基づき、委員会は、申立人が相手方に支払った契約金全額の返金を求めるあっせん案を提示したところ、当事者双方で合意が成立しました。

インターネットで検索して依頼したロードサービスの契約トラブル

 自動車のトラブルは消費者自身での対処が困難なことが多いため、事業者に依頼することが一般的ですが、近年、インターネットで検索して依頼したロードサービスの契約に関する相談が増加しています。特に20~30歳代の若者のトラブルが目立ちます。
 相談の多くは、突然のトラブルに慌ててしまい、インターネットで検索して、広告に表示された安さに惹かれ依頼したところ、事前に説明のなかった高額な請求をされたというものです。

96グラフ

※ インターネットで検索して依頼したロードサービス(自動車及びバイクのパンク、バッテリー上がり、キー閉じこみ等)のトラブルに関するもの 

今後の東京都の対応

  • 消費者への注意喚起
  • 国や関係機関への情報提供
  • 都内の消費生活センターへの情報提供
     

東京都消費者被害救済委員会における審議の概要

あっせん案の考え方、法的問題点の検討

1 あっせん案の考え方

(1) 本件契約は、営業所等以外の場所において契約の申込みを受け、若しくは契約を締結して行う役務の提供を行っているため、訪問販売に該当する。
(2) 申立人は、インターネット広告上の「基本料金 2,480円~」の記載から想定できる程度の金額しか把握しておらず、14万円もの高額な契約を締結する意思はなかったと考えられる。このように、申立人は、契約の申込み又は締結を行いたいという明確な意思表示をしたとは言えないから、本件契約は特定商取引法のクーリング・オフの適用除外(※)とはならない。
※ 販売業者等が消費者の請求に応じて行うその住居における訪問販売は、クーリング・オフ等の規定が適用除外となる。
(3) 申立人は、契約書面を受領した日から8日以内にメールによりクーリング・オフを通知していることから、クーリング・オフが成立している。

2 その他の問題

(1) インターネット広告には、トップページに「2,480円~」との記載があり、あたかも安い料金でロードサービスが提供されるかのような表示がなされており、実際の役務の価格よりも著しく有利であると消費者に誤認される表示であって、自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる。
(2) レッカー移動をする前には既に本件車両の不具合が解消されていたにもかかわらず、相手方が「整備工場に出す必要がある。」等と不実のことを告げていたと考えられる。また、本件の契約書面には、役務の対価や契約日などに複数の記載不備があった。
(3) 作業費用が「2,480円~」の基本料金にとどまらないのであれば、相手方は契約の実態と整合するように説明・表示すべきであった。また、本件契約の主要なサービス内容はレッカー移動の提供だったが、相手方から説明がなかったこともあり、申立人は修理代金が請求額に含まれているものと認識していた。突然の自動車の不具合という冷静な判断が困難な状況であったこと等を考慮すれば、相手方は、作業内容や費用について、分かりやすく丁寧に説明するよう努める義務があった。

同種・類似被害の再発防止に向けて

1 事業者に対して

 (1) 提供するロードサービスの内容と料金について、料金表をあらかじめ明示する。併せて、契約の手順を具体的に示すことが必要である。また、消費者から救援の要請があったときに、自動車の状況を適切に把握し、契約を締結する前に、提供するサービス内容及び費用について、消費者に対し、十分に説明を行うことが求められる。
 (2) 事業者は、提供する役務について自ら広告・表示を行う以外の場合においても、関係者間で情報の確認、共有を行うなど、不当景品類及び不当表示防止法に則った広告・表示となるようにすることが望ましい。

2 消費者に対して

(1) 自動車を運転する人は、日頃から所有する自動車の状態を確認し、適切に整備を行わなければならない。自動車に故障・不具合が起きたときの対処について、ロードサービスの利用を想定し、普段から予めどのようなサービスを利用するかについて調べておくことが考えられる。
(2) インターネット広告を見て、サービスの利用を依頼する場合は、特定の事業者の広告だけに頼りすぎず、複数の情報源を参照し、事業者がどのような事業能力を有するかについて十分確認した上で、選定する必要がある。
(3) 実際に修理等が必要となった場合、「基本料金」以外に費用がかかる可能性が高い。契約書面に記載されている各項目が、いかなる作業に対応しているか確認し、内容に不明な点がある場合等は納得できるまで説明を求めてほしい。

3 行政に対して

(1) 「ロードサービス」がどのようなサービスなのか、消費者に対して周知を図っていくことが求められる。特にトラブルの相談が多い若い年代層に向けた情報提供・注意喚起を強化してもらいたい。
(2) 業界によるロードサービス利用契約の適正化に向けた取組を進展させていけるよう、支援していくことが求められる。事業者が契約前に見積書を示して説明する、適正な契約書を作成する、作業を進める中で適時適切に説明を行うといった、契約を適正に行うことを促す取組を進めてもらいたい。

※本件の詳細は、報告書をご覧ください。

印刷用PDFはこちら(PDF:2,036KB)
ロードサービスの契約に係る紛争(報告書)(PDF:1,561KB)

 

困ったときにはまず相談を!!

おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

東京都消費生活総合センター
03-3235-1155(相談専用電話/相談窓口のご案内
 

 

お問い合わせ先

東京都消費生活総合センター活動推進課消費者被害救済担当

電話番号:03-3235-4155