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今月の話題

家庭でできる
冬の省エネ

東京都環境局気候変動対策部

ロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー供給への影響などを発端にした電力のひっ迫が問題となっています。この冬も、予断を許さない状況が続いています。

また、電気料金はこの1年半ほどで45%も上昇しており、家計への影響も深刻です。

そこで、地球にも、家計にもやさしい「家庭でできる冬の省エネ」の方法をご紹介いたします。

Tokyo Warm Home & Biz

電力需給のひっ迫が問題に

ここ最近、電力需給のひっ迫が問題になっています。

ロシア・ウクライナ情勢などにより原油高騰や天然ガスの供給が不安定になったように、国際情勢の影響で発電に使う資源を安定して手に入れることが難しくなることがあります。また、災害の多い日本では、事故や災害で発電所が止まってしまう場合もあります。

このような状況で寒さが厳しい冬を迎えると、必要な電気の量に対して供給量の余裕がない「電力需給ひっ迫」の状況に陥ってしまう可能性があります。この夏、電力ひっ迫に関するニュースをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、この冬も予断を許さない状況が続いています。

それぞれの家庭でできること

国際情勢など遠くの出来事と思われたかもしれませんが、そんなことはありません。皆さんも最近電気料金が高いと感じていらっしゃると思いますが、電気料金がこの1年半ほどで45%も上昇しており、家計にも影響を与えています。

東京電力の電気料金(/月)(標準家庭)の推移

出典:東京電力公表データを基に作成

また、地球温暖化による気候危機が深刻さを増しています。世界各地では、熱波や大雨、水害、干ばつ、大規模な山火事などの異常気象や気象災害が頻繁に発生しています。地球温暖化はCO2などの温室効果ガスが原因です。

省エネに取り組むことは、CO2の排出を減らすことにつながり、地球温暖化対策には必要不可欠です。

人々が安定してこの地球で暮らし続けることができるように、世界のさまざまな問題を整理し、2030年までに達成すべき具体的目標を示したSDGs(持続可能な開発目標)でも、目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」などが挙げられています 。

東京都は、HTT〈電力をⒽ減らす・Ⓣ創る・Ⓣ蓄める〉をキーワードに取り組みを加速しています。それぞれのご家庭で、HTTに取り組んでいただくことは、気候危機への対応だけではなく、エネルギーの安定確保に寄与するとともに、家計にもやさしいのです。

家計にやさしい冬のHTT

それでは、HTTの「Ⓗ減らす」にスポットをあてて、これから迎える冬に活躍する暖房器具を中心に、家計にやさしい暮らしのコツをご紹介します。

まずは扇風機です。冬に扇風機?と疑問に思われることでしょう。エアコンで部屋を暖めると、暖かい空気が対流で上に行くために足元が寒くなってしまうことがあります。このため同時に扇風機を天井に向けて使用することで暖かい空気が下に降りてきて、足元まで暖かさが広がるのです。部屋の中が暖まってきたと感じたらエアコンの設定温度を「1℃」下げてみましょう。快適に過ごすための室温の目安は20℃です。エアコンの設定温度を「21℃」から「20℃」に下げることで年間の電気代が「1736円※1」お得になるという試算があります。

また、冬の暖房時に外に熱が逃げていくのは、6割近くが窓からです。そこで窓付近にヒーターを設置したり、厚手で長いカーテンを付けることで空気が冷えにくくなります。

電気カーペットは、カーペットの下に断熱マットを敷くことで熱が床側に逃げないので効率よく暖めることができます。置き畳でも効果があります。十分に暖まっていると感じたら電気カーペットの設定温度を下げてみましょう。「強」から「中」にすることにより、年間で「6081円※2」もお得になるという試算があります。また、電気カーペットは使用する人数に合った広さにすることも大切です。

こたつを使っているご家庭では、同じように断熱マットを敷くことで保温効果が期待できます。また、こたつ布団に上掛けと敷布団を合わせて使うことで熱が逃げにくくなります。

暖房器具以外では、24時間稼働している冷蔵庫の設定温度を見直してみましょう。冬は「弱」にすると意識せず節電できます。

※1 2.2kwのエアコンを外気温6℃の時に暖房設定温度を21℃から20℃にして1日9時間、kwhあたり32.7円として計算。

※2 3畳用電気カーペットで設定温度を「強」から「中」にして1日5時間使用、kwhあたり32.7円として計算。

加えて、寒くなると消費が増えてくるガスの使い方についても注意してみましょう。お風呂に入るときには、家族が時間をあけずに続けて入浴すれば、沸かし直しは不要です。また、入浴後はお風呂のふたをすることで、お湯が冷めにくくなり、お湯を再度沸かすときに必要なエネルギーが減らせます。

家庭で一番エネルギー消費量が多いのは給湯用です。買い替える際は、高効率な給湯器を選ぶと楽々省エネに。給湯器以外でも、家電製品を買い替えるときも同様です。

東京都ではLED照明やより省エネ性能の高いエアコン、冷蔵庫、給湯器に買い替えた場合、申請により商品券等に交換可能なポイントを付与しています※3。

※3 東京ゼロエミポイント 2023年3月31日まで申請受付。対象機器やポイント数等詳細はこちら。
東京ゼロエミポイントコールセンター
☎ 0570-005-083
☎ 03-6634-1337

“TIME TO ACT”今こそ、行動を加速する時

東京都では、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減するカーボンハーフを目指すとともに、脱炭素化とエネルギーの安全保障を一体的に実現する取り組みを進めています。

地球環境・エネルギーについての東京都の取り組みについてはホームページでもご紹介しています。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/index.html