トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > レーザー脱毛機の安全性について > 第5回 「レーザー脱毛機の安全性について」 議事要録
更新日:2013年3月21日
【日時】平成16年4月21日(水)16時30分~18時30分
【場所】都庁第一庁舎42階(北側) 特別会議室C
まずは議事(1)「家庭用レーザー脱毛機のプレス結果及びメーカーの指導」について、事務局より報告願います。
「家庭用レーザー脱毛機等の安全性確保に関する都の対応結果について」説明
事務局からの報告について何か御意見等ありますか。
今すでに機器を購入して持っているユーザーに対する措置について、メーカー側は何と言っていましたか。
メーカーに話をしたところ、「現在店頭に置いてあるものについては、改善後、新商品への交換を検討するが、売ってしまったものについて回収は考えていない」とのことだった。
回収できないまでも、ユーザーに何かメッセージを送ることは考えていないのか。
メーカーは「今までの製品も十分安全な機器だったと考えている、しかし、今回の都からの指導を受け、更に安全性を高め、表示の改善に努めたもの。」と言っていた。
プレスや新聞掲載等により反響はあったか。
本日、昨日放映されたテレビの内容について問い合わせがあった。その他、プレス後消費者からの問い合わせが数件寄せられている。
解せない点は、危害がほとんど出ていないという点とクレームがないということです。家庭用については消費者の自己責任となるため、メーカーにしかクレームがいかないのではないか。エステティックサロンの場合は、消費生活センター等に相談することになると思うが。先ほどのテレビに出ていたような被害者がいることを、いかに把握していくかが課題である。
家庭用についてはこれで承認をいただき、まとめとするということでよろしいでしょうか。
では続きまして、議事(2)「エステティックサロンにおけるレーザー脱毛の現状について」に入りたいと思います。「エステティックサロンにおける美容脱毛について」について、井上委員から説明をお願いします。
「エステティックサロンにおける美容脱毛について」説明
只今の報告、また、前回のエステティックサロンの視察を含めて、何かご意見はありますか。
エステティックサロンでの施術が、医療行為であるかどうかについて、違いがよくわからない。
厚生労働省の見解では、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為は医療行為ということです。
現在の研究財団での臨床試験は、「医療行為ではないこと、つまり、毛根部を破壊しない」ということを前提として、レーザー脱毛において、再び毛が生えてくる期間を確認し、効果維持のための施術間隔の検証を行なうための試験である。医療用具でないものは雑貨という扱いになり、医師法では規制できない。もっと重大な危害が出てくれば別だが。
エステティックサロンで、医療機関と同じような機器が使われているとうことはないのか。
日本国内の法規では、「レーザー脱毛機」という医療用具のジャンルはない。これは、国によって違っている。
日本では医師であればどんな機器でも扱えることになっている。例えばアメリカでは、自己責任が重いため、メーカー側も使用者を選ぶ。販売するにあたって、医療機関の証明などを必要とし、使う側の知識や技術を厳しくチェックする。
医療機関で使うレベルの機器を、エステティシャンが使うというのは心配である。
当初は、同じレベルの機器をエステティックサロンでも使用していたが、現在ではかなりレーザーのレベルを下げている。ただ、こうなってくると、家庭用機器と同じように、「本当に効果があるのか」が問題になってくる。そういったことを踏まえ、これからルール、基準をつくっていきたいと考えている。
例えば、同じような機器を使用したとして、医療機関での危害について相談はないのか。これまでの話を聞いていると、「医師が施術すれば安心」というようにも聞こえるが。
医療機関においても危害が起きていると聞いている。エステティックサロンより被害の程度は高い場合もあるようだ。まず、機器の能力レベルが高いということ。また、医師の大胆な施術の結果による危害ということもある。
東京都内の消費生活センターに寄せられた危害情報によると、エステティックサロンと医療機関の相談件数はほぼ同じ割合である。
業界としては、レーザー脱毛と電気脱毛それぞれについて、どういう評価なのか。
電気脱毛の場合、時間もかかるし金額も高い。レーザー脱毛の方が安価であるし、施術も簡単である。ただし、簡単であるがゆえに、手軽に誰でも使用できるということで被害が起きている面もある。
レーザー脱毛はあくまで「一次処理」と考えている。その「二次処理」として電気脱毛をすればよいと思う。
レーザー脱毛とは「毛を焼き切る」ということなのか。
「毛を焼き切る」のではなくて、「毛乳頭等に熱エネルギーを作用させる」ということである。電気脱毛は、毛乳頭を変質させてしまう。
医療行為との区分けを、どのように考えているか。
厚生労働省の見解によるとレーザーにせよ、電気にしろ不可逆的な「身体に対して侵食的な行為」は医療行為ということである。
もう少し簡単に言うと、脱毛にはいろいろな方法があるが、大きく分類すると「一時脱毛」と「永久脱毛」に分けられる。現在、電気脱毛のみが「永久脱毛」ができる手法である。レーザー脱毛は10年程前から始まった手法だが、まだ永久性は確認されていない。電気脱毛は施術者の技術力によって、かなり効果に差がでるため、施術者の教育には1年位かかってしまう。そういった状況の中、簡単に扱えるものとしてレーザー脱毛機が生まれたのです。
では、議事(3)「エステティックサロン用レーザー脱毛機の安全基準の検討状況について」に入りたいと思います。「レーザーライト脱毛の業界自主基準(案)」について井上委員から、「日本エステティック工業会美容レーザー脱毛機安全基準」について浦委員から説明をお願いします。
「レーザーライト脱毛の業界自主基準(案)」(施術者の技術向上策等)について説明
日本エステティック工業会「美容レーザー脱毛機安全基準(第一版)」について説明
基準の元とした、IEC60825-1は産業用レーザー機器の基準である。よって、JIS規格から産業に関わる部分を除いたものである。現在、第1版の段階だが、エステティシャンにも理解できるように、これから改訂版を作っていく。完成は、年内を目途に考えている。
今の説明について、何か質問等ありますか。もう少し基準の概要についてお話いただけますか。
この安全基準は、我々が3年位かけて検討を重ね、工業会に依頼して作ってもらったものである。内容については工業会にお任せして、ここでは機器について説明してもらったほうがよいと思う。
追加資料「レーザー・フラシュランプ機器一覧」について説明
光源としてはレーザーとフラッシュランプの2種がある。今レーザーで一般的なのはYAG(ヤグ)レーザーである。
レーザーは単一波長、フラッシュランプは光を利用、両者は波長幅に大きく違いがあり、長いほど深部まで浸透する。
今後検討していく上で、どこまで掘り下げて考えていくべきか。
機器1台ずつの性能、安全基準については、ここでは検討できないと思うので、もっとソフト(扱い方)の面で話をしていくのがよいのでは。
そういった点もあって、前回エステティックサロンを見学しました。その内容から我々が対応できるものを検討していきたいと考える。
その時の意見・感想をまとめた資料がありますので、事務局から説明していただきます。
「エステティックサロンにおけるレーザー脱毛サービス視察感想一覧」について説明
何か報告についてご意見等ありますか。
漆畑委員から医師との連携に関する問題について話があったと思うが、一方、適切な医療行為を受ける機会を失するような説明が見学先のエステティシャンがらなされたようにも思うが。
医師との連携は必要であろう。施術する皮膚の状態によっては、安全性に問題がある。本当は、施術前に医師によって皮膚の状態などをチェックすることが望ましい。(そのような医師がいるかどうかが問題であるが。)
また、施術後に火傷などの危害が起こったら、すぐに提携している医師に連絡できるような体制作りが重要である。皮膚の炎症は、一時間でも早く治療すればそれだけ軽く済む。
エステティックサロンで判断することで手遅れになることもあるため、そういった体制づくりが必要である。
見学の際の話では、一旦サロンに来てもらうような話があった。
危害発生時には、いち早く医師の診断、治療を受けるといった適切な対応ができるようなシステムが必要だと思う。
エステティックサロンにおいて、事前に消費者に対し「どういう施術をどのように受けるのか」という説明はどう行っているのか。
医師による事前のチェックはなかなか難しいと思うが、人それぞれのタイプ(全般的症状を鑑みた)に対応したマニュアルを作る用意がある。また、施術後に異常がある場合の対応については、すぐに医師にかかるよう協会として言っている。そのためには、危害の情報がいち早く会社のトップに入り、そこから医師に連絡するというシステムを検討している。そのためにも、消費者が、衛生面を含めて「良いエステティックサロン」を選択できるような「適」マーク制度的仕組みを作っていきたい。
昔の基準を見たところ、「携帯電話の近くでレーザー機器を使ってはいけない」とあったが、前回視察で施術を受けた際、特に携帯電話を手元に置かないように言われなかった。これは機器に影響はないものなのか。また、「口の周りや陰部等はさけるべき」とあったが、視察で行ったエステティックサロンでは、ヒゲの脱毛もやっていると言っていた。消費者一人ひとりのカルテを作っておく必要があるのではないか。また、科学的なメジャー(スぺクトラーや化粧品売り場で肌の状態を調べるような機械)があるとよいと思う。
德重委員が見た基準はPL法対策用のものではないか、その当時レーザー脱毛はまだなかった。
カルテについては、まさに必要であると思う。
人は部位によって色が違ったり、照射する場所によっては眼への誤照射などの問題がある。その他にも、まだわかっていない問題が多くある。まず基準を作る上で、各メーカーに各機器の安全性に関する情報をアンケート等で聴取したほうがよい。
メーカーに対する機器の調査は、今、工業会で行っている。実際には企業秘密に関する部分もある。
いつ頃発表できそうか。
年内を予定している。また、携帯電話による電磁波の問題については、厚生労働省でもまだ見解は出ていない。
一方、安全性に関しては、ペースメーカーの問題があるが、法的には、現在、何も規制はない。
医療現場では携帯電話による機器の誤作動の影響は、ほとんどないと認識している。特にPHSに関しては全く問題はないとの認識である。
病院等の機器は、マイコン部分に影響が出ないようにシールドされている。携帯電話等の電磁波は、多少の影響はあると思う。ただし、法的には決めはなく、機器の業者側が自主的にシールドしている。
肌の状態や健康面で、エステティックサロン側から事前に施術を断ることもあるが、断られた消費者からクレームがくることがある。そういった場合の、断り方、対処法を決めておく必要があると思う。
だいぶ時間も経過しました、次回は「機器の安全性」「施設面の安全性確保策、衛生面での対応策」「施術者に対する技術・基礎的注意事項等の教育、医療機関との連携」の3つを柱にしながら検討したいと思います。次回までに、意見等をまとめて事務局に送っておいてください。では次回の日程を決めたいと思います。
次回の日程を決め終了。
-了-
お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当
電話番号:03-5388-3055