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今月の話題

今年こそスッキリ! 年末片づけ5つのポイント ~安心・安全・快適な部屋を取り戻そう~

一般社団法人 実家片づけ整理協会
代表理事 渡部 亜矢わたなべ あや

 今年こそスッキリ片づけて、新年を迎えたいと思っている方も多いことでしょう。
 片づけが難しいのは、同じ家族でも物に対する価値観や「きれい」の基準が違うからです。
 そこで、家族で共通認識を持ちやすい安心・安全という観点で片づけることをご提案します。年末の大掃除・片づけの簡単なポイントを5つご紹介しましょう。

ポイント❶ 安心・安全優先 ~動線を片づける~

 まず、最初の片づけにおすすめなのは、玄関です。玄関は、そのご家族の「顔」なので、家族の間でも片づけに異論を唱える人は少ないでしょう。また、いざ地震や火事になった場合に、避難経路となりますので、片づけの優先度が高い場所です。靴箱に1年以上履いていない靴があったら処分を検討しましょう。靴があったスペースを活用すれば、防災リュックを1つしまうことができます。
 次に、寝室からトイレまで床置きをなくしましょう。特に高齢の方は、夜中にトイレに行く回数が増える傾向にあるので、動線上の物をなくし、つまずかないようにしておきましょう。「停電になってもトイレに行けるように片づけておこうね」という、防災面からの声かけを家族同士ですると良いでしょう。高齢の方の中には、自分は体力があって転ばないと思っている方もいらっしゃいます。「つまずくから片づけて」というのではなく、防災面での必要性を伝えると、片づける気持ちになりやすいでしょう。
 床置きがなくなってきたら、リビングのダイニングテーブルの上や、キッチンの流しの周りなど、目につきやすいところから片づけることをおすすめします。早くすっきり感を味わうことで、次の片づけのモチベーションにつながります。

ポイント❷ 必要なモノを必要なだけ

 一般に、年末年始に集まる家族の人数が、その家で必要なモノの数と考えられます。来客の人数分以上の箸や食器は不要であるということを意識してみましょう。いざとなったら必要な分をレンタルもできます。
 座布団はいすがあれば使わないかもしれません。客布団はたくさんあっても泊まり客がいなければ出番はないでしょう。また高齢の夫婦二人住まいには、かつて使っていた大家族用の鍋は大きすぎるかもしれませんし、料理をするときに重たくて危険です。今あるモノの数や大きさが実際の生活にあっているかどうか、見直しをしてみてください。

ポイント❸ 命や健康を守るものを片づける

 普段飲んでいる薬やお薬手帳、メガネ、補聴器、入れ歯などは、命や健康を守るために必要なものです。これらは、他の人のものでは代替できませんし、災害時にも必要となります。自分や家族でしまっている場所を確認し、わかりやすい場所において、すぐに持ちだせるようにしておきましょう。
 古い薬はこれを機会に処分しましょう。体の調子は常に変わりますし、誤飲などの危険があります。普段から、処方薬の飲み忘れを防ぐよう箱などに入れて整理しておくと良いでしょう。

ポイント❹ 欲張らないで少しずつ ~納戸や押し入れは後回し~

 年末は、普段しないことをしようとして、いきなり押入れや納戸に手をつけようとする方は要注意です。納戸や押入れは普段使わないものが押し込まれているケースが多いのです。たとえば、昔の写真が出てきて、見ているうちに日が暮れて…あっという間に時間切れとなり、そのまま元に戻して、今年の大掃除は終わりということを繰り返している方も、実は少なくありません。
 押入れや納戸は、ずっと眠ったままの古い家電などを粗大ごみに出すだけにするなど、ポイントをしぼりましょう。片づけるのなら、慌ただしくなく、体力の負担の少ない、春や秋などの過ごしやすい季節にすると良いでしょう。

ポイント❺計画は、年末最終ごみ 収集日の確認から

 年末はごみの収集や資源回収のスケジュールが変わったり、休みとなることがあります。
 また、粗大ごみの回収は年末に集中するため、早い時期に予約をしないと年内の回収に間に合わないこともあります。捨てる決心をした粗大ごみと一緒に年を越すというのはもったいないですね。
 そこで、年内最終の収集日より前に捨てられるように計画を立てましょう。ゴールから先に決めるのがポイントです。なお、ごみの収集日や出し方などは自治体により異なるので、事前に確認すると安心です。
 年末の片づけを機会に、日頃使っていないもの、たとえば動かない扇風機や古い暖房器具、重たくて持てないスーツケースなどの処分を考えてみてはいかがでしょうか。

不用品の回収を依頼する際はご注意を!

 不用品の回収を事業者に依頼したところ、回収作業後に当初の見積額を大きく上回る高額な請求を受けたといった相談が寄せられています。

注意点
  • 複数の事業者から見積書をとり、内容や金額を比較するなど、依頼前によく確認しましょう。
  • 回収当日も作業前に再度見積金額について確認しましょう。
  • 一般家庭から廃棄物である不用品を収集・運搬するには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。許可を受けている事業者かどうかは区市町村で確認できます。

 おかしいなと思ったら、すぐに最寄りの消費生活センターにご相談ください。

最後に

 いかがでしたか。年末は、世の中全体が片づけモードになっています。普段忙しい人であっても、年末だけは、片づけや掃除に協力してもらいやすい季節です。手の届かないところなどは無理をせず、周りの人や家族に上手にお願いして、スッキリと新年を迎えましょう。