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更新日:2021年3月18日

≪参考資料≫ 相談事例(株式会社innopia、株式会社トーアイ工務店)

【事例1】

 令和2年4月、甲が自宅敷地内で作業をしていたところ、Aらが声をかけてきた。この時に社名や氏名は名乗らなかった。Aは「隣の家から見たら、お宅の家の屋根も相当傷んでいますよ」、「台風等で傷んだんじゃないですか」と言った。甲は、台風等の被害で屋根が傷んだとの心当たりはなかったので、Aに対し「そんなことはありませんよ」と答えた。するとAは続けて「無料なので、屋根を見させてほしい」と言った。甲は、ただ単にこの人たちは屋根の調査に来たのだろうな、と思った。甲の家はこれまで雨漏りなどはなかったが、甲自身は屋根に上がったことはなく、素人では屋根を見てもわからないので、無料で見てくれるとならと、屋根を見ても構わないとAに返事をした。
するとAは屋根にはしごをかけて上り、メジャーを使用して何かを測ったりしているようだった。Aは下りてくると「瓦が割れている」、「瓦がズレている」などと言った。Aは「我々は保険会社に対する保険請求の手続きもしています」、「保険請求の代理業者です」、「書類に住所氏名を書いて押印してほしい」と言った。甲はこの話を聞いて、この人たちは、保険請求の代行業者なのだと思った。甲は、保険が下りるならいいな、と思い書類にサインをすることにした。その他にもAは「ウチは保険申請をいくつもやっています」、「お宅なら100万円くらいおりるんじゃないですか」とも言っていた。甲は書類を書き終え押印すると、複写式になっていた書類の1枚を受け取った。
甲は、なんとなくおかしいなと思うようになったので、消費生活センターに相談に行った。相談員から、クーリングオフができるはずであるとアドバイスをされた。
甲はクーリングオフの通知を当該事業者宛に発送した。数日後、当該事業者の代表者を名乗る人から電話があった。なぜ契約を解除するのかと、理由を聞いてきた。甲はクーリングオフの通知に書いてあるとおりである旨を話した。
令和2年5月、甲の家にAが来た。Aは甲に対し、再度、なぜ契約を解除するのだと言った。甲は、誠実に対応してくれないためと説明し、断ったのでこれ以上話したくないと伝えた。するとAは「今回の調査費用と2人分の人件費などを払え」などと言った。非常に強い調子だったので、甲は強要、恐喝に当たるのではないかと思った。暴力団のような雰囲気で、女の人なら怖くて承諾してしまうかもしれないと思った。Aは「火災保険申請サポート依頼書兼同意書に押印している、これは契約書と一緒だから契約をしているはずだ」とも言った。甲はそれに対し「そちらが屋根を見させてくれというから見せただけだ」、「保険サポートだけで、費用も何もいらないという話だった」、「クーリングオフ制度について説明されていないし書面も受け取っていない」と言った。それに対するAの返答はなかった。Aは捨て台詞のように「弁護士を立てて損害を請求する」と言って、帰った。

【事例2】

 令和2年6月、乙宅に電話があり、火災保険を利用して屋根の修理をしないかと言われた。乙は、以前から、台風や雪害などで受けた屋根被害に関して、火災保険の適用ができるという触れ込みで、多くの業者の訪問を受けていたが、すべて断っていた。乙は今回の電話に対しても「私どもはそのつもりはありませんから」と、はっきりと断った。
翌日、乙が家の外にいると、はしごを積んだ車が来て、中から男性が2名出てきた。乙は昨日断った電話の会社が来たのだと思い「お電話の件は昨日断ったはずです」、「火災保険で家の修理をするという話でしたら断りますよ」と言った。するとその人たちは「せっかく来たのだから、屋根を見せてください」、「とりあえず現状の写真をお見せしますので、撮影していいですか」と聞いてきた。乙は、丁寧な応対だったため、親切に感じ、屋根を見てもらった結果が何か参考になるならと思ったので、安易に「どうぞ」と言ってしまった。
2人は、はしごを屋根にかけ屋根に上った。写真を撮ったりしていたようだった。5分もしないで屋根から降りてくると、1人が、火災保険申請サポート依頼書兼同意書と名刺を出した。ここではじめて、乙はBの氏名と会社名が分かった。
Bは火災保険申請サポート依頼書兼同意書について「この制度を利用したら、個人負担はありません」、「ただし、申請書作成が大変で、個人では難しいので、保険申請書は当方の立ち合いの上作成します」などと言った。乙のこの時の認識としては、当該事業者が火災保険申請のサポートをしてくれるのだという程度で、工事についての意識はなかった。乙はこの書類が契約書であるという意識はなく、当該事業者の会社内部での処理に必要な、単なる説明書なのかと思っていた。
乙が火災保険申請サポート依頼書兼同意書に氏名等を書き押印すると、Bは保険会社に電話をし、保険申請をするから本人宛に申請書を送ってほしいと話していた。
Bが帰った後、乙の家族が帰ってきた。Bとのやり取りを説明すると「保険支給額の35%を会社がとるのが目的の契約になっている」などと言われた。そこで乙はすぐにキャンセルしようと思った。
翌日、乙は保険会社に電話をし、今回の保険申請は取りやめると伝えて、了解を得た。その後、乙はBに電話をし、保険申請を取りやめたこと、今回の契約もキャンセルする旨を伝えた。しかし、Bは「なぜ保険会社に連絡する前に、当方にその旨の連絡をしなかったか」、「せっかく屋根の点検をしたのに、どういうことだ」などと、クレームを言い、取りやめの撤回を迫った。加えて「明日伺うので、納得のいく説明が欲しい」とも言ってきた。
翌日、乙の家にBが来た。乙の家族が、工事は止めてほしいというと、Bは「あなたには用はない、乙と話をする」と強く言った。Bの口調はあまりに強く、脅すような調子で怖かった。Bは帰り際に「また翌日伺う」と言った。乙は、もはや自分たちでは解決は難しいと思い、警察を訪ねて、今後の対応について相談をした。そして、消費生活センターに相談に行くことになった。

【事例3】

 令和2年10月、丙及び丁自宅のインターフォンが鳴り、丙が対応した。丙は玄関を開けるとCとDがおり、Cが「今回、近所で工事をすることになりました。ご迷惑をおかけします」と、のし紙が巻かれたタオルを渡してきた。丙はタオルを受け取ると玄関を閉めた。
数分後インターフォンが鳴り、丙は玄関を開けるとCがおり「火災保険に入っていますか」と聞いてきた。丙は加入している旨を答えると、Cは「保険を使って雨樋等の工事ができることを知っていますか。雪止めが一か所浮いていますよ。雨樋も少し傾いていますよ」と言いながら、画像を見せてきた。画像には屋根の雪止め部分等が写っていた。
丙は、勝手に屋根の写真を撮るとは失礼な業者だと思い、工事をするつもりは無いと断った。しかしCは「もったいないですよ、やりましょうよ。加入している保険会社はどこですか」と勧誘を続けてきた。丙は早く帰ってほしいと思いCの質問に答えた。するとCはどこかに電話をかけ始めたが、繋がらない様子だった。
丙は、所用のため外出したが、入れ替わりに丁が帰宅してきた。その時、Cはまだ誰かと電話している様子だった。丁は自宅内にいると、玄関口から「今、保険会社と電話が繋がったので出てください」と呼びかけられた。丁は玄関に向かうとCがおり、スマートフォンを渡してきた。丁は何の話か分からずにいると、Cは「大丈夫ですよ、相手と話してください」と促してきた。丁は電話の相手が加入している保険会社だと分かり、相手から申請書類を送る等と告げられ会話を終えた。
丁はスマートフォンをCに返すと、Cは書類を出してきた。丁は何の書類か分からずにいると、Cは「0円ですから、一銭もかかりませんから、今回やりましょう」と告げてきた。Cは「申請手続き完了後、当社に施工を依頼いただけない場合、保険支給額の35%と消費税を、申請サポート料として請求します」と説明した。
Cは続けて「とりあえず署名してください。判子はなんでもいいですから」と署名等を急かしてきた。丁はCが一銭もかからないと言っていることと、まともな業者なら後から断っても大丈夫だろうと考え、署名くらいならと思い、Cに促されるまま書類に署名した。書類には社名と担当者名が書かれており、丁はこの時初めて社名等が分かった。書類にはクーリングオフに関する記載はなく、Cからその説明もなかった。Cは「保険会社から書類が届いたら電話ください」と言い立ち去った。
丁は、帰宅した丙に当該事業者とのやり取りを話した。丙も丁から話を聞くまで、社名や担当者名は知らなかった。
数日後、Cから電話があり丁が対応した。Cは「保険会社から書類は届きましたか」と聞いてきたので、丁は届いた旨を答えた。するとCは「それではお伺いします」と言うのみで、いつ訪ねて来るかは伝えてこなかった。
丙は保険を利用して屋根等を修繕する必要はないと思い、Cに電話して今回の契約については破棄すると伝えた。するとCは「おかしいじゃないか。断るとはなんだ。お宅にデメリットはないだろう。会社として話が進んでいるからキャンセルはできない。どうしても断るなら弁護士を通して対応する」と告げてきた。
丙は、消費者センターに相談した。その後、当該事業者から連絡はなかったが、11月インターフォンが鳴り丙が対応するとCであった。Cは「保険会社からの書類を取りに来ました」と言ってきた。丙はCに、保険申請を依頼するつもりは無いと再度断ったところ、Cはインターフォン越しに暴言を吐き立ち去った。

 【事例4】

 令和2年9月、戊自宅のインターフォンが鳴り、玄関を少し開けると、外側からいきなり扉を引き開けられた。そこにはEがいた。Eは玄関内に顔を出し、入ってこようとしたので、戊は玄関内に入らないよう告げた。その際、Eは何か名乗ったようだが、戊はよく聞き取れなかった。Eはタオルを出してきて渡してこようとしたが、戊は受取を拒否した。
Eは「火災保険に入っていますか」と聞いてきた。戊は加入している旨を答えると、Eから「保険会社の書類を見せてください」と聞かれ、書類を見せた。Eは書類を見ながら「火災保険を使って、無料で屋根の修理ができることを知っていますか」と聞いてきた。Eは続けて「屋根を見るのはタダだから、見るだけ見てあげますよ」と告げると、玄関の外に向かって誰かと話している様子だった。
Eから「屋根に梯子をかけてもいいですか」と聞かれ、戊はEがタダだと言っていたことから、屋根を見てもらうことにした。外の様子をうかがうと、Eは玄関の外にいたFに指示をしている様子で、Fは梯子を使い屋根に登っている様子だった。
数分後、Eが玄関に戻り「ここが悪くなっていますよ」とカメラの画面を見せてきた。画像はアップすぎて自宅の屋根なのか分からなかった。Eは「保険会社に申請するだけならタダたから、やりましょう。ダメで元々だから」と言ってきた。戊は、自宅は贔屓にしている職人に見てもらっているから、保険会社に申請する気はないと伝えた。しかしEは「でも、やってみなければ分からないでしょ」と勧誘を続けてきた。
戊は、Eが色々なことが無料だと言っていることから、保険申請を依頼することにした。するとEは、「ここに署名してください、印鑑はここです」と書類を出してきた。戊は署名したが、印鑑は押す場所がよく分からず、Eに押印を依頼した。Eは「保険会社に申請しておきます」と言い立ち去ろうとした。戊は、Eから書類の控え等を渡されておらず、Eが何者か分からなかったので、名刺とタオルを置いていくように依頼した。Eは名刺とタオルを渡してきたが、そこで初めて、社名と担当者名が分かった。
戊は、当該事業者とのことを家族に相談した。戊は家族に依頼しEに電話してもらい、契約の解除を告げた。すると家族はEから「あんたには関係ないだろ」と言われ、家族で関係ないことはないと告げると、もの凄い剣幕でまくし立てられた。
戊は、消費者センターに相談し、当該事業者にクーリングオフのはがきを送った。

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