東京デジタルCATSからのメッセージ
近頃、怪しいネット広告が多いと思いませんか。騙されないで下さい!
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の広告や車内・屋外広告、スマートフォンやパソコンを通じて配信される広告など、巷にはさまざまな広告が溢れています。広告によって私たちは、暮らしに役に立つ商品やサービスの存在を知ることができます。しかし、その広告が 「ウソ」や「大げさ」や「詐欺まがい」ものだったら?
東京デジタルCATSでは、消費者の皆さんに「こんな広告を見たら注意を!」「流行の悪質なネット広告」などを紹介することで、社会の厳しい目を醸成していきたいと思います。
東京デジタルCATSからのメッセージ1
東京デジタルCATS助言員の笠井北斗さん(一般社団法人日本アフィリエイト協議会代表理事)から最近の不当なネット広告の特徴について、メッセージをいただきました。
一般社団法人日本アフィリエイト協議会 代表理事 笠井 北斗 氏(東京デジタルCATS助言員)
アフィリエイトが世に出始めた1999年より日本と米国でアフィリエイトビジネスに携わり続け、 アフィリエイト歴 26 年以上となるアフィリエイトプログラムの専門家。 アフィリエイターとしての 活動に加え、 広告主や代理店、 ASP のアフィリエイト広告出稿支援も行う。2020 年より現職。第 6回 Web グランプリ Web 人部門特別賞を受賞。
事例1. AIで作られたフェイクショート動画広告に気をつけて

- SNS広告を見る機会が増えています。ショップは「動画広告」や「ストーリー形式広告」「漫画広告」など多様な広告手段を使って自社商品をPRしています
- 今やAIが広告を作り出稿まで行っています。AIが売れる広告をテンプレート化して、簡単に作成して横展開しています
- AIが作ったかを消費者が見極めるのは非常に困難です
- そのテンプレートを使った消費者トラブルにつながっている刺激的なキーワードがこれです。 「これよりもこれよりも」「○○過ぎて死ぬ!」「顔面アップのビフォーアフター」
- 特に美容・健康系にご注意を!
事例2. スマホ特化型のダークパターン広告

- ダークパターン(ユーザーを欺き、望まない不利益な行動を取らせるように設計されたユーザーインターフェース(UI)やデザイン手法)にはいろいろな種類があります
- カウントダウンタイマーや期間限定などで消費者の購入行為を煽ります
- 購入手段など、選択肢がデフォルトでチェックされている場合があります
- 購入条件がアコーディオンパネルの中に隠されている場合があります
- SNS広告経由で遷移したページで、チャット注文をする場合は特に注意!
- 購入後の画面の「スクショ」は必ず撮っておきましょう!
- ダークパターンについては、消費者庁や一般社団法人ダークパターン対策協会
のサイトなどをご参考に
事例3. ニセ通販サイト

- ニセ通販サイトのネット広告は、怪しい海外事業者がSNSや動画サイトに出稿している場合があります。SNSや動画サイト経由で開いた通販サイトには注意が必要です
- 有名企業の名前を勝手に使用したり、架空の会社名を名乗ったりします
- お米のように品不足の商品を格安で販売していたり、ここでしか買えないなどとニッチな商品を取り扱っているように装います
- 支払手段が限定的だったり、連絡先が不明の場合が多いです
- 注文してしまうとおしまいです。商品が届かなかったり、偽物が届いてしまい、販売店と連絡がとれない場合が多いです。そのような場合はお近くの消費生活センター(188)に相談しましょう
※事例1~3のPDFファイルはコチラ(PDF:730KB)
東京デジタルCATSからのメッセージ2
インターネット関連の消費者トラブルに詳しい原田由里さん(一般社団法人ECネットワーク理事・東京デジタルCATS助言員)に、「ネット広告を見るときのチェックポイント」につきまして、お話をお聞きしました。
~チェックポイント1.~
1. ネット広告には実際の契約内容と大きく異なる悪質なものがある。
2. 「追加料金なし」「いつでも解約可」という表示は特に注意が必要。
3. 解約条件が厳しく、簡単にやめられない仕組みが隠されていることもある。
4. 一見お得に見えても、冷静に契約条件を確認することが大切。 
~チェックポイント2.~
1. 利用規約に重要な契約条件をこっそり書く手口が増えている。
2. 初期設定でクーポンが入っており、定期購入に同意させられる場合がある。
3. 「同意して申し込む」にチェックすると縛り契約になることがある。
4. 確認画面が出ない広告ほど、特に警戒が必要。
~チェックポイント3.~
1. メッセージアプリに誘導された時点で詐欺の可能性が非常に高い。
2. 相手は身元を隠しており、連絡先や口座情報が分からない。
3. 顔を見たことのない相手に送金すると、お金は取り戻せない。
4. 詐欺師は親切さを装い、心理的に信用させてくる。
~チェックポイント4.~
1. 申し込み前に「最終確認画面」を必ず確認する。
2. 広告や申込画面はスクリーンショットで保存しておく。
3. 少しでも不安を感じたら、すぐ支払わず周囲に相談する。
4. 立ち止まって確認することが、被害を防ぐ最大のポイント。
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原田由里さん(一般社団法人ECネットワーク 理事、東京デジタルCATS助言員)
インターネット関連の消費者トラブル相談を受けるかたわら、主にインターネット利用や消費者問題、個人情報保護、電子決済などに関するトラブル対策などに関する講演活動を年間約90ヵ所で行う。主な対象者は、一般消費者・消費生活センター・教職員・学校・民間団体など。メディア取材や出演、消費者啓発教材・消費者問題関連書籍への寄稿も多数。独立行政法人国民生活センター客員講師。消費生活コンサルタント・消費生活アドバイザー・消費生活専門相談員等の資格を持つ。
※PowerPointのイラストは原田さんがお書きになったものです。
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チェックポイント1~4のPDFファイルはコチラ(PDF:783KB)
東京デジタルCATSからのメッセージ3
株式会社デトリタス代表取締役社長の土橋一夫さん(東京デジタルCATS助言員)に昨今のデジタル広告というテーマでコラムを執筆いただきました(第2回)。シリーズで掲載していきます。

違法広告バスター土橋さんのコラム(第2回):「SNSは危ない?―「無料」の裏側で起きていること ―」
■まず、何が起きているの?
- SNSで消費トラブルや詐欺につながる広告がたくさん出ています。その広告をきっかけに、大きなお金を失う人が出たと毎日のように報道されています。
- 例えば、警察庁が発表した最新の資料(令和7年上半期)によれば、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害額は590.8億円、1件あたりの被害額は1105.9万円となっています。
- 更に、この資料では、SNSの具体的な名称も挙げられています。広告を経由したSNS型詐欺のうち、FacebookとInstagramを入口にしたものは全体件数の約28.6%。全体の認知件数866件のうち248件が、米IT大手メタ(旧フェイスブック)のプラットフォームから始まっています。(出典:令和7年上半期における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)|警察庁資料)
- SNSに詐欺広告が多い、ということは、多くの人が感じているでしょう。私も、友人の投稿の隣に詐欺広告が表示されているところを、日常的に見ています。
- 世界に目を向けてみると、オーストラリアは世界で初めて、16歳未満のSNS利用を原則禁止し、責任を子どもや親ではなくプラットフォーム側に負わせる法律を施行しました(2025年12月)
- この動きを受けて、イギリス、フランス、デンマーク、ノルウェー、EU全体でも年齢制限や利用禁止の議論が急速に進んでいます。
- この兆候は、「子どもを守れなかったのは親ではなく、プラットフォームの設計だ」「SNSは子ども向けではない」「放置していいのか」という認識です。
- それでも、日本ではSNSは今も誰でも無料で使えています。
(論点1.)SNS広告とテレビCM
- ネット広告業界が量とスピードを優先して拡大する一方で、テレビ業界が当たり前に行ってきた仕組みがあります。テレビCMの信頼性を確保するための「業態考査」と「表現考査」です。
- 「業態考査」では、放送局は2週間から3ヶ月の時間をかけ、「その広告主は信頼できるのか」を調べます。過去の行政処分、認可の有無、商品の科学的根拠などです。「表現考査」では、テレビCMの表現自体を、放送前に全てチェックします。
- テレビ業界は、審査のコストをかけ、売上を取りこぼす可能性を受け入れて、考査の仕組みを整えています。だからこそ視聴者は、テレビCMを、一定の信頼を持って受け取ることができます。
- SNS事業者は「ネット広告は数が多いからチェックしきれない」と説明することがあります。しかし、「数が多い」という現状は、自社の管理能力を超えた広告枠を販売し続けているという、SNS事業自身の判断の結果でもあります。
- 個人的には、チェックできないものを売るべきではないと感じます。また、もし売らなければならないなら、「危険な広告かもしれない」と教えてほしいと感じます。
- テレビでは、広告主の実体確認や表現の事前審査を経たものだけが放送されます。たとえば「テレビで詐欺CMが流れる」ということは考えづらいでしょう。そのように感じられる理由は、テレビ業界には長年、考査の仕組みが運用され、視聴者からの信頼を得ているからです。
- 現在のネット業界の繁栄は、この「本来支払うべき安全コスト」を抑え、ユーザ側での対処を求めることで成り立っている面があります。(続く)

違法広告バスター土橋さんのコラム(第1回):「薄い広告主」と、ネット広告の課題
「初回割引でお得」「回数縛りなし」という表示を信じて申し込んだ定期購入。しかし、いざ解約しようとしても連絡が取れない――。こうした相談は後を絶ちません。この種のトラブルは、商品や表示内容そのものの問題に加え、ネット広告では関係者が多く分業化していることも背景にあります。関与者が多いほど、誰がどこまで関与しているかの確認に時間を要し、実態把握や対応が複雑になりやすい側面があります。
「薄い広告主」が広告を出している実態
東京都は、景品表示法に基づく調査や指導を行っています。令和6年度は、296事業者に改善指導を行いました。そういった業務を進める中で、外部から事業実態を把握しにくい形態の広告主が見られることがある、と感じています。たとえば、一定の売上が見込まれる一方で、社内の体制が小規模で、生産設備を持たず、広告制作・運用などの実務を広く外部委託しているように見えるケースです。また、調査の過程で、広告主側の担当者と直接のやり取りが難しく、委託先を介して確認が進むことがあるなど、事実確認に時間を要しやすい場合もあります。
もちろん、小さな会社が存在すること自体は一般的です。ここで述べたいのは、規模の大小ではなく、外部から見た際に実態や責任分界が不透明になりやすい形が、確認や対応を難しくすることがある、という点です。
「薄い広告主」が生じる背景
こうした状況の背景には、ネット広告の取引が多層化し、関係者の関与範囲を整理するのに時間を要しやすいという構造があります。
景品表示法では、基本的に広告主の表示責任を中心に整理されるため、広告制作・運用などを担う外部事業者の関与を把握するには、追加の確認が必要になることがあります。
また、ネット広告は出稿の敷居が低く、外部から事業実態を確認しにくい事業者でも広告を出稿できる場合があります。その結果、広告主の外部事業者が多くの業務を担う形となり、事実確認や責任関係の整理に手間が生じやすい点が課題です。
東京都の動き
東京都は、この構造に対し、現行の法制度の枠組みの中でできることを検討しています。
ネット広告の取引構造は外から見えづらく複雑です。そのため東京都は、2023年に「東京デジタルCATS」を立ち上げ、弁護士・消費生活相談員・WEB専門家からなるチームの助言を得ながら、調査や対応に活かしています。さらに、この対策には皆様からの情報も欠かせません。広告表示に関する違和感やお困りごとがあれば、以下をご活用ください。
- 消費者ホットライン(局番なし188)
- 東京都の(広告表示等に関する)通報・相談窓口:東京くらしWeb「通報サイト」
私たちは、ひとつひとつの情報を手がかりに、安全な消費生活の実現を目指しています。どんな小さな違和感も、ぜひお寄せください。(続く)

【注記】 本コラムは、消費者トラブルの未然防止を目的に、東京都が依頼してネット広告に関する助言員の考え方を述べていただいたのものです。特定の事業者や個別事案について言及・評価する趣旨ではありません。
【注記】 法令上の評価や責任の所在は、個別の事実関係により異なります。
株式会社デトリタス 代表取締役社長 土橋一夫さん
東京デジタルCATS助言員。1977年生まれ。埼玉県出身。東北大学大学院理学研究科物理学専攻卒。日鉄ソリューションズ、NEXCOシステムズなどを経てデトリタスを設立。インターネット広告業界の不正対策事業を行っている。薬事法管理者・コスメ薬事法管理者、ソフトウェア開発技術者。NHKクローズアップ現代プラス「追跡!“フェイク”ネット広告の闇」など、テレビや新聞の取材に応じて違法広告のデータ提供を行っている。

「こんな広告に引っかかってしまった」「今、こんな怪しい広告が出回っているよ」などの情報がありましたら是非お知らせください。


東京都生活文化局消費生活部取引指導課表示指導担当
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ファックス番号:03-5388-1332