スマホのオンラインゲームアプリで、「期間限定“ガチャ”レアアイテム^※提供割合大幅増!」のキャンペーンをしていたので、10回以上ガチャを引いてみましたが、レアアイテムは出ませんでした。提供割合について「Sランク3.0%、Aランク8.0%、Bランク24.0%、Cランク65.0%」と書いてありますが、確率表記が間違っているのではないでしょうか。
※レアアイテム：当たる確率が低く、入手困難なアイテム（オンラインゲーム上の武器など）

　オンラインゲームアプリは登録無料で遊べるものがほとんどですが、優位にゲームを進めたい時に役に立つのが、有料アイテムや有料のキャラクターです。購入手段の一つに抽選で無作為に有料アイテムが出てくる「ランダム型提供方式」があり、通称「ガチャ」と言われています。
　店先で硬貨を入れレバーを回すと、カプセル入りの玩具などが抽選で無作為に出てくるガチャ（カプセルトーイ）（図1）と、パソコンやスマートフォンのオンラインゲーム内で対戦するために必要な仮想の武器などのアイテムが抽選で無作為に出てくるガチャ（図2）は、仕組みが違うため、確率表記が間違っているとまでは、言えません。確率1%で当たる場合は、店先で100個の玩具が入っているガチャでは、1回引くごとに、分母は1つずつ減っていくので、仮に続けて100回引けば、欲しいアイテムが必ず手に入ります。しかし、オンラインゲームのガチャでは、何回引いても、分母の100個は変わらないので、100回引いても当たらないことがありえます。また、Sランクのアイテム3種類のそれぞれの提供割合が、0.3%、1.0%、1.7%である場合は、まとめてSランク3.0%などと表示しているため、トラブルになることも多くあります。（図3）業界団体ではガイドラインを作成して、利用者が容易に確認できる場所にアイテムごとの提供割合を表示するよう加盟事業者に求めましたが、非加盟の事業者も多く、利用者にわかりにくい状況はあまり改善されませんでした。平成30年1月、ある大手アプリストアでは、ガチャの全アイテムごとの提供割合の表示をアプリ事業者に義務づけました。
　パソコンやスマートフォンのオンラインゲームのガチャを引いても、欲しいアイテムが必ず当たるものではありません。その仕組みを、きちんと認識することが大切です。

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