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くらしを彩る時季の催しをご紹介 東京彩祭(とうきょうさいさい)

青梅だるま市(青梅市)

くらしの彩祭話々(さいさいわわ)

青梅だるま市

 だるま市当日は、青梅駅前の旧青梅街道沿いに220軒ほどの露店が並びます。そのうち40軒がだるま店で、大小さまざまなだるまが山積みになって売られます。昨年は約2万人が近隣はもとより、遠方からも訪れ、賑わいました。開催日は、毎年1月12日。これは青梅で16世紀末に始まったとされる六斎市が、毎月2と7のつく日に催されていたことのなごりだといわれています。だるま発祥の地とされる群馬県高崎市の少林山達磨寺や、調布市の深大寺などのだるま市とは違い、お寺ではなく街道沿いで開かれるのはそのような由来です。

 だるまは決して転ばず、倒れそうになっても必ず起き上がりますので、縁起物として重宝されています。現代では必勝祈願や合格祈願の象徴になっていますが、かつては別の願掛けをするものでした。
 それは養蚕と深い関係があります。幕末から明治、大正にかけて、日本の主要な輸出品は生糸でした。多摩地域でも養蚕が行われていましたが、繭(まゆ)の収量は天候などに大きく左右されました。
 養蚕農家はカイコが脱皮して再び桑の葉を食べ始めることを「起きる」といい、成熟したカイコを繭を作らせる場所に移すことを「あがり」といいました。これがだるまの「起き上がる」という特徴と結びつき、養蚕農家にとってなくてはならない願掛けのシンボルとなったのです。そして、たくさんの繭がとれた際には「大当たり」として、だるまに目を入れたといいます。

 ところで、多摩地域のだるまと、最も有名な高崎だるまを見比べてみると、違いがあることに気づきます。まず、だるまの顔の色が違います。高崎の物は肌色に塗られていますが、多摩の物は白。そして、眉やひげが高崎の物のほうがいかめしく派手です。また、多摩の物は目の周りに金箔が施され、目隠しを当てて売られます。
 このように、だるまは各地で手づくりされてきたため、地域ごとに個性があります。さまざまなだるま市に足を運んで、「ご当地だるま」を集めるのもおもしろいかもしれません。

【参考文献】
福地義彦(1994)『東京の市と縁日』婦人画報社

今月の催し

青梅だるま市

  • イベント日時
    平成29年1月12日(木) 13時30分~19時(予定)
    ※荒天時は13日に延期

会場概要

青梅市内 旧青梅街道(住江町交差点~市民会館前交差点)
  • アクセス
    JR青梅線「青梅」駅から徒歩1分
  • 問合せ先:
    0428-20-0011(青梅観光案内所)
    0428-24-2481(青梅市観光協会)

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