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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 折りたたみ椅子等の安全確保について > 第4回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第4回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

【日時】平成20年2月20日(水)13:00~15:30
【場所】都庁第一庁舎33階 特別会議室N6

生活安全課長

ちょっと時間がオーバーしましたが、小林委員は遅れるというご連絡がありましたので、始めさせていただきます。

会議が始まります前に資料の確認をさせていただきます。

  1. 会議次第
  2. 報告書案(冊子になっているもの)
  3. 協議会スケジュール

NITEさんからは4枚ほどの資料が別に届いておりますので、後でご説明いただきたいと思います。

ただいまから第4回の商品等の安全問題に関する協議会を開催いたします。詫間会長、よろしくお願いいたします。

詫間会長

第4回の協議会を開催させていただきます。年度末、ますますお忙しい状況に入っております中、ご出席いただいて感謝いたしております。

本日は、議事次第にございますように、報告書案についてのご説明とご意見を賜って、より良いものに仕上げていく仕事でございます。3月27日の予定で、宮川部長あるいは局長に報告書を提出するわけでございますが、それまでは非公開ということでお取り扱いいただき、3月27日以降の公開ということになるかと存じますが、そういうことでよろしくご理解をいただければと思うわけでございます。

報告書も分厚いものでございますので、六つぐらいに分けまして、課題、対策、対応と進んでまいりますので、課長さんからご説明を、かいつまんでポイントを中心にご説明いただければと思います。

「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」からよろしくお願いいたします。

事務局(生活安全課長)

まず目次をご覧ください。簡単に柱建てを申し上げます。

1番が「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」、2番が「危害・危険の調査等」、3番として「危害を防止するための課題」、4番として、「今後の取り組みについての提言」、34ページからは資料1から5になってございます。引用・参考文献として57ページから、最後には名簿がつけてございます。おおむねこのような形で報告書を構成しております。

それでは、「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」についてかいつまんで説明させていただきます。

必要性ですが、最初に書かれているのは、最近、消費生活用品に重大な事故が増加していて、子どもも例外なく、遊具やシュレッダーなどで重傷を負う事故に巻き込まれている。そういう中で、都の総合センターに寄せられた危害・危険に関する相談件数は、17年度で845件、18年度で1,002件と、18.6%も増加している。国センのPIO-NETでは、17年度が9,330件、18年度が1万651件と、14.2%も増加している。

NITEさんを見ますと、17年度が2,952件に対して4,084件とかなり伸びておりまして、19年4月から10月の7カ月間では4,200件と、前年同期の2.3倍にもなっている状況があります。

協議会ではこれまで、身の回りにある身近な商品を取り上げて、その安全性について検討してきたところですが、今年度は下記の理由により、折りたたみ椅子をテーマとして取り上げることにした。

第1として、折りたたみの構造を持つ製品は、収納や移動の際の利便性が高いため、家庭から学校や公民館等のいろいろなところで多数存在している。大人ばかりでなく、子どもも利用する機会の多い製品である。

第2に、PIO-NETを調査したところ、折りたたみ椅子の可動部に指を挟み、指切断等の危害、事故が報告されている。さらには、テーブル、ベッド等、ほかの製品においても同様な危害が発生していることが明らかになっている。

第3として、文献を調査したところ、アメリカではASTMが安全規格を策定して対策を講じている。ところが、国内では具体的な対策がない。

以上のような理由から、東京都は実態把握と安全対策の検討が必要と判断して、本協議会において協議検討を行うことにしたということで、必要性をうたってございます。

2ページですが、事故の現状として、冒頭で触れた部分を図表化して、国センから始まって、NITE、消防庁と資料を出してございます。

国センは、最初に皆様方にお示しした内容ですので省きますが、子どもにも指切断等の重大な事故が起きているということをここで語ってあります。

NITEさんですが、1976年から2006年までに寄せられた事故に関する情報、25件あって、うち、挟み等の事故が12件あったということです。表2は事故事例を掲げてございます。

ここで字を間違えてございますが、後で訂正いたします。

消防庁さんにおかれましては、年間10万から11万ぐらいの救急事故があるということですが、その中で分析したところ、器物別では家具が3番目に多い。その中に椅子があるんですが、そのうち、折りたたみ椅子、パイプ椅子による搬送人員は33人にのぼっているということであります。うち、挟まれが9人ということで、4ページには、その受傷形態あるいは事故の事例が書かれてございます。

(2)としては、潜在化している製品に起因する事故として、ハインリッヒの法則、前回と同じように掲載してございます。

とりあえずここまでといたします。

詫間会長

ありがとうございました。第1段落につきましてはただいまご説明のとおりでございますが、ここで、NITEさんの堀井様から追加の資料をいただいておりますので、ご説明いただけるとありがたいと思います。

堀井アドバイザー

私自身が2回目からでしたので、第1回目の状況が、資料だけ見せていただいたのでわからなかったんですが、私どもでデータベースを公表している中身で、例えば「折りたたみ」でキーワード検索をやっていただくと、こういうデータが出てきたということでございます。すべて公表しておりますので、1件ずつにつきましては、3ページ目、4ページ目に実例ということで、1ページにABC区分と書いておりますが、Aというのは製品に欠陥があって事故が起こったもの、Bは、製品に欠陥があって、かつ、消費者の使い方が誤使用・不注意であったことから事故にあわれたもの、Cは、経年劣化という意味で、この三つの区分につきましては、製品名、型式名、事業者名を公表しております。

乳母車の折りたたみ機構で指を切断したということがありますと、そういうキーワードを入れられたり、メーカー名を入れられて検索されると、これだけの数が出てくることになります。

2ページ目のD以降ですが、Dというのは、設置とか施工、事業者が設置、施工されるケース、あるいは消費者の方が自らされる、そういったことから事故につながったもの、Eは消費者の誤使用・不注意ということから事故に至ったということでございます。

そういうことで検索しますと、どういうわけか乳母車がたくさん出てまいりまして、折りたたみ椅子につきましては、私が第2回に出席しましたときにご提供したものがそのまま載るんですが、それ以上に乳母車とかほかのものがいろいろとあったということでございます。

色の濃いほうが重傷、おおむね1カ月以上の治療期間が必要な場合でございます。軽傷はそれ以下のもの、製品破損は、人のけがとかはなかったけれども、製品が壊れてしまったとか、そういったことでございます。

3ページには、71件のうちの特徴的なもの、いろんなものの中から、ABC区分についているものにつきまして例示として情報提供したいということで出しております。椅子等につきましては前回出しておりますので、それ以外のもので整理をさせていただいております。

4ページ目、最後のページですが、これも乳母車、ブランコとか、運動器具、ソファーベッド、三脚等々、これは誤使用・不注意あるいは原因不明、Gが原因不明なんですが、そういうものでございますので、事業者名は公表しておりません。

概略は以上でございます。ご質問があればお受けいたします。

詫間会長

ありがとうございました。大変貴重な事例的なデータだと存じますが、きょう差し上げております案としての報告書の後半の部分にも、別な角度で調べました事例が10項目、カテゴリーに分けて載っておりますので、それとも関連づけると、さらに新しい知見が出るかと思います。課長さんからご説明いただいたことと、NITEの堀井様からご説明いただきましたのと合わせましてご意見をいただければありがたいと思います。

片岡委員

報告書案の1ページと2ページにPIO-NETが出てきて、正式名称なんですが、全国消費生活相談情報ネットワーク・システムですので、文字が抜けているようなところがあります。

詫間会長

平仄を合わせて次回までに直していただいたらいいと思います。

事務局(生活安全課長)

1ページが「・システム」が抜けていて、2ページが「相談」が抜けているということですね。

片岡委員

1ページが「消費者」になっていますが、「消費生活」です。

詫間会長

都庁も「消費生活」という表現を使っておられますね。時間の関係もございますので、「消費者アンケートの調査」につきまして、課長さんから、ポイントを含めた内容のご説明をいただければと思います。

生活安全課長

2番の「危害・危険の調査等」、5ページから入らせていただきます。

「消費者アンケートの調査」ということで、なぜそこにいくのかということを前文的に書いてございます。

事故の現状はいままで述べてきたんですが、事故の全貌を明らかにしたものとは言えない。PIO-NETの、18年度ですが、109万何がしに対して1万651件、0.97%と非常に低い割合である。NITEさんのほうでも4,048件という数字がございますが、消費者の方からの通報というのは103件と少ないものであった。折りたたみ椅子も30年間で25件ということであり、PIO-NETの10年間での52件と比較してもさらに低いケースであった。

消防庁の救急出動によりますと、18年度33件と、PIOやNITEさんの情報に比べて高い数値を示しているものの、直接病院に行くこととか、家庭で治療する場合とかあるので、事故のすべてを明らかにしているとは言えないのではないか。

それで、東京都は事故が潜在化しているのではないかと考えて、消費者の事故の実態あるいは消費者の行動を把握するための調査を行った。

本協議会では、東京都が実施したアンケートを分析して特徴を明らかにしました。

調査概要ですが、都内の、12歳までの子どもがいる世帯1,000世帯以上を対象とし、11月に行われました。

調査内容ですが、5ページから6ページにかけて表が出ておりますが、製品分類をしております。一番左の製品分類から、その右側が、屋外であるか、屋内用であるとか細分化しまして、11項目、11区分にわたって調査をし、「危害」「危険」「ひやり・ハッと」の経験を聞いております。あるいは事故事例について聞いているということです。

6ページの下のほうで、回収状況ですが、1,969人ございました。今後の定義づけですが、事故というのは、「危害」「危険」「ひやり・ハッと」すべてを総称した形にしております。あとは危険の度合いによって言葉を変えてございます。

今後、調査の内容をご説明するんですが、そのときに「基数(N)」のところはいろんな数字が出てきておりますので、それも説明します。

1,169は回答者の数字です。2,910は、回答者1,169の方が経験した1から11までの事故区分ごとに、複数の事故にあった場合、これに○をしていただく。「危険」「危害」「ひやり・ハッと」いずれかあるわけですが、その中で一番危険の高い事例をつけていただく。そうしますと、最大で11件つけることが可能なわけです。その結果が2,910件あったということで、平均すると2.5ぐらいになるでしょうか、もっといきますか、そんな数字になります。

さらに、N=1,229件というのは、2,910件のうち、いままで11件を最大としていたんですが、それだと、調査のほうも規模が大きくなりますので、最大4件にとどめていただいて事故事例を出していただいたということの数字でございます。

7ページから調査結果についてご説明いたします。

Aですが、全体の数字です。折りたたみ製品全体の数字ですが、ここで経験した方が59.9%で、約6割の方が経験しているという結果が出ております。

Bにいきますと、その中身について示しています。

ここは複数回答になっておりますので、数字上は若干合いません。この中で注目すべきは、危害にあった方が18%と、約2割の世帯で発生しているということが言えます。

8ページでは、さらに製品別にあらわしてございます。

折りたたみ椅子を見ていただきますと35.7%、これが一番多くて、次に折りたたみテーブル、折りたたみ式のベビーカーという順になってございます。今後は、折りたたみ椅子が多いということを根拠に、この中身に深く入っていくわけですが、9ページに行きますと、折りたたみ椅子の35.7%の内訳、「危害」「危険」「ひやり・ハッと」の内訳が書かれてございます。その中でも、棒の長さであらわしていますので、折りたたみ椅子の大きさがわかると思います。

製品が出ておりますが、図6では、折りたたみ椅子の、さらに製品別に見てみたということで、子ども、大人、さらに屋外という数字になっていまして、子ども用が数字的には高いということが出ております。

10ページをごらんください。年齢を調べてございます。事故の当事者の約半数が12歳以下の子ども。ここでは全体のところをご覧いただきたいと思いますが、赤いところで記しているのが12歳以下の区切りで、全体では48.7%と、約5割になります。

折りたたみ椅子を見ますと、58.1%と非常に高くなっています。そのほかに見るべきところはベビーフェンスあるいはベビーカーといった幼児用の製品ですが、これは当然ながら高くなっている。一方で、折りたたみテーブルとか踏み台とか、子どもがあまり使用しないようなものは少なくなっているという結果です。

ですから、折りたたみ椅子のように、子どもだけということではなくて、大人も使っている製品において、多くの子どもが事故に巻き込まれている実態を示しているのではないかと思っています。

11ページ、事故の原因が、保護者あるいは使用者の不注意とした回答者がどのくらいあったかということですが、全体では57%という数字になっております。下の凡例のところにございますが、上から三つ、「保護者・使用者の不注意」とかいろいろ書いてございますが、この三つを足したのが57%、さらに、製品に原因があるのではないかというグループが、上から3番目と4番目を足した値で25.7%と、保護者・使用者の不注意ではないかと考えるのが多かったという結果が出ております。

12ページですが、折りたたみ製品の危険性を感じていなかった回答者が約5割になっている。これは感じていなかったほうですので、真ん中のところに当たるわけですが、全体で5割、49.2%を示している。折りたたみ椅子もほぼ同じような傾向が出ている。

13ページは、事故があっても苦情を申し出ていないという実態が明らかになった。子ども服のときも同様の結果が出ましたが、さらに数字が高いように思います。全体では95.3%、折りたたみ椅子に限っても92.4%と、ほとんどの方が相談していない。

図11ですが、国センさんの数字を掲げております。国民生活動向調査、毎年実施していらっしゃいますが、この数字を使わせていただいています。

これを見ますと、相談した割合ですが、56.3%と、今回の調査に比べると非常に高い。その内訳はどうなっているかというと、販売店やセールスマンあるいはメーカーに直接というのが非常に高くなっている。センター等公的機関には4.1%と、これは毎年同じように4~5%の数字が出ておりますが、こういった国センさんの調査と比較しても、危害情報は埋もれてしまうということを示しているのではないかと思います。

14ページですが、記述していただいた中身についてでございます。

先ほど基数の説明をしましたが、1,169人の回答者に、4件まで事故事例を書いてくださいということで、1,229件が挙がったんですが、その中身を分析しています。折りたたみ椅子は203件でございましたが、年度別の傾向を見てみますと、0歳から5歳の傾向としては、当然ながら家庭内での事故が多い。ただ、注目すべきは、子どもが座ろうとしたとき、あるいはたたもうとしたときに子どもが巻き込まれる例があるということでございます。

6歳から12歳になりますと、家庭から外へ出て、体育館、公民館等の事故が多い。子どもが片づけているときということが出てきております。20歳以上になりますと、自宅、会社、公共施設、片づけるときに事故にあっているということがございます。

安全性について感じていることや、不安や疑問ということですが、15ページの安全性については、デザインだけでなく安全性を重視してほしい、挟まれないような構造にし、バリ取りをすれば傷はなくなるだろうといったご意見が出ております。

2番目に多かったのは、ちょっとあきらめムードなのか、使用者の不注意ということで片づけてしまった方が多かったのが反映しているのか、構造上やむを得ない、利用者が注意すべきだというご意見があったということです。

3番目には、ロック装置をつけるということ、あるいはクッションカバーで保護する、警告マーク等を貼る、そんなご意見が出ております。

不安なことや疑問ということですが、かたいものでできていて、常に挟むのではという不安を持っていた、下から2番目ですが、折りたたみ式の器具は潜在的に危険性を持っていると思うということが出されております。

行政や事業者への要望としては189件ほど寄せられていますが、一番多かったのは、デザインより安全性の重視、2番としては、挟み防止形状の開発、危害経験の工夫、16ページに行きまして、ロック機能、安全基準の策定、公表、注意喚起の実施などがございました。以上でございます。

詫間会長

ありがとうございました。お聞き及びのとおりでございますが、かなり興味ある分析が出ておりまして、昨年度の服装、身につけるもののときと傾向的に類似したような点が、今ご指摘があったわけでございます。危害の事件が起きても報告がされないのは、むしろ今回のほうが多いということでございました。

年齢別の分布の問題もございましたが、折りたたみ椅子、必ずしもパイプ椅子だけでなくて、木製のものでもかなり重篤な事件が起きているということもわかってきているわけですが、最後のほうで、安全性についてのご要望、特に行政や事業者への要望として8項目ほど挙げてくださっています。報告書の最後のほうに、これをもとにして、都が関係方面にご要望するときの重要な参考意見になろうかと思いますので、この辺は注目していきたいと思うわけでございますが、ここのところは、ある意味では非常に重要な部分になろうかと思います。メール等で、直近でございましたが、結果をお送りしておりまして、お気づきくださった方もあるかと思いますが、添付ファイル等をごらんいただけておれば幸いだと思いますが、特にご注意事項等ございましたらご発言をお願いしたいと思います。

2割ほどの家庭で、危害、危険を含めまして起きているというのは予想以上に多いのではないかという感じがいたしますね。そういう点が一つございましたが、事故が埋もれてしまうことがあってはいけないわけで、何といっても折りたたみ椅子が圧倒的に、パーセントとしては30%、その他類似の折りたたみ機構のあるものに比べましてあるということですから、折りたたみ椅子を最初に取り上げたのは妥当であったということかと思いますが、非常に説得力のあるものをここに掲げていただいているのではないかと思います。対象は0歳から12歳ですね。

事務局(生活安全課長)

そうです。

横矢委員

表現が気になったのですが、15ページのCの「行政や事業者への要望」で、1番がデザインより安全性と言い切っているんですが、デザインも安全性も高いほうがいいように思うんです。回答が79件も集まっている1番のものがデザインより安全性、言い方がおかしいのではないかと思うのですが、これはいかがなんでしょう。

詫間会長

そういうふうに聞いちゃったんじゃないですか、質問が。

事務局(生活安全課長)

これは記述式ですので。

詫間会長

記述式ですか。聴取するんじゃないんですか、与えている選択肢を。

事務局(生活安全課長)

いえ、記述式になっているんです。もう一度チェックはしますが、統計ですから多少寄せちゃうということもあるので、その辺はチェックしてみます。

横矢委員

見せ方が、これじゃちょっとまずいかなという気がするんです。そのページの上だったら、デザインだけじゃなく安全性を重視してほしいとなっているので、これだったらうまくまとまるような気がするんですが。言い回しの問題だと思いますが。

詫間会長

同じページの一番上ですね。グッドデザインというマークもあるくらいですから、グッドデザインということは、グッドセーフティということでもあるわけですから、おっしゃるとおりだと思いますが、その辺もう一遍チェックし直していただいて。

ほかにいかがでしょうか。

堀井アドバイザー

5ページの調査対象の方、1,000世帯以上の方を抽出というんですが、抽出方法がよくわからないんです。都のホームページで、こういうのを募集しますよというので応募してくれた方、あるいは無作為にお願いをしたのか、それを書かれるほうがいいんじゃないかという気がするんですが。

事務局(櫻井)

インターネットアンケート調査の方法、リサーチ会社に登録している回答者で、12歳までの子どもがいる世帯ということで抽出して、1,000件以上集まるまでどんどん送るという方式です。全体として3,000件、3,000世帯以上にメールで配信しているということを伺っております。1,000件ぐらいでストップという方式です。

堀井アドバイザー

有効なデータが1,169あったということですよね。選挙の予測で、データの処理の仕方とか書かれていますので、そういうのを参考にされて、どういう状況で選出したのかということがわかったほうが、より公平性、透明性が確保できるのではないかと思います。

事務局(櫻井)

検討してみます。

詫間会長

そこのところは大変微妙なところでございまして、業者の企業秘密的なところもあるものですから、そちらで、一応建前上ランダムに数千件がすでに集まっているということですね。そこへランダムにアプローチして、1,000件程度集まるまでアンケートの要望をかけるというやり方なんですね。ですから、厳密に統計的な信頼性まで計算してやるという方法とはちょっと違うということですね。例のRDともちょっと違う。その辺は上手に、説明するなら説明しておかないと、一番基礎のところで違った意見が出てきたら全部ずれてしまうということになりますので、貴重なご指摘だと思います。

酒巻委員

最後のところ、16ページの⑦ですが、「公共施設での安全対策商品へ買い替え促進」で3件ございますね。主語が「年代物の机や椅子」になっていて、述語が「安全にだれでも使えるもの」となっているんですが、年代物の机や椅子そのものを言っているんじゃなくて、年代物の机や椅子は安全性に欠けているからという意味なんでしょうね。そういう意味でよろしいですか。

詫間会長

古いからもろいという意味もあるかもしれませんね。

酒巻委員

意味としてはそういうことですか。

事務局(櫻井)

そうですね。

酒巻委員

ここでは、年代の古いものが安全性に欠けているという意味を言っているんだろうと思うんですが、そういう解釈でよろしいでしょうか。

事務局(櫻井)

はい。

酒巻委員

そうすると、「変えてほしい」の「変える」は交替の、「買い替え促進」の「替え」のほうになりますね。

事務局(櫻井)

はい。

詫間会長

年代物というと、価値が出てくるという観念にもなるから、経年して老朽化しているという意味が強いんでしょう。表現したい意味合いとしましてはね。

事務局(櫻井)

はい。

持丸委員

正確に書いたほうがいいんじゃないですか。「老朽化したものないしは安全対策が十分に施されていないようなものがあり」というほうがいいんじゃないですかね。

詫間会長

そうですね。年代物というといろんな意味がありますからね。非常に立派な、200年持つようなものもできていたりしますからね。

ありがとうございます。お気づきの点は、振り返って戻っていただいても結構でございますので、次に「事故情報再現試験」について、最初に概要を課長さんからご説明いただいて、続いて、持丸先生にいろいろ努力していただいていますので、実験成果をご説明いただければと思います。

事務局(生活安全課長)

事故再現試験は、産総研さんの持丸委員にご協力をいただきながらお願いしました。19年11月30日に実施いたしました。

椅子の種類ですが、オカムラさんから提供がありましたリンク式タイプとか、前後脚分離タイプ、シリンダータイプということをまずお示ししまして、試験対象は、18ページの上にありますように、シリンダータイプを2種類、オフセットがあるものとないもの、この2種類を合わせた四つのタイプについて試験を行ったということです。オフセットの説明は、この図に示してございます。

試験方法ですが、何回か持丸委員のほうでやっていただいたんですが、テストピースを指に見立てて可動部に挟み込んで事故の状況を再現したということで、試験対象の1では、着座時に挟む、2も同じ、3番と4番が収納時に挟むということでやりました。

試験結果は、1、2は、試験者の体重が70キロとして、試験対象3については、試験者が加えた力で直接ピースに加えられて完全にへこんだ。試験4は、オフセットがあったので逃げたために、わずかな傷を与えたにとどまったという結果が出ております。これが19ページの一番上に出ております。

考察としましては、今回のテストピースは鉛製の中空パイプを使用している。テストピースの変形そのものが、指を挟んだ場合の危害状況を直接示すものではないということを最初にお断りをしてございます。

危害状況を推定する場合は、試験結果と実際の事故事例を関連づけていくということですが、今回の場合は、実際の指挟み事故についての事例がございませんので、指が受けた衝撃の強さと、危害の状況を詳細に調査した結果はなく、最後まで再現には至らなかったということになります。

産総研さんでは、ドアによる挟み事故の事例を把握しているということから、それを活用していただいて、再現のシミュレーションをつくっていただきました。試験対象をもとにつくってございます。これによりますと、最大517ニュートンであることがわかって、加重は最大で53キロに達した場合に相当するということです。

次につくっていただいた、今からご説明するかと思いますが、試験対象3のシリンダータイプによる試験を……、ごめんなさい、これからご説明いただくのは2のほうですね。

3のほうは前から出ておりますが、これは最大227ニュートンの力があり、加重が23キロに達しているということです。

試験対象3のシリンダータイプのテストピースに加えられた応力が、コンピュータ上の模擬指に加えられた場合のシミュレーション、これは図15で示してございます。今回の測定した応力は、塑性変形領域に及ぶものであったために、測定した応力の15分の1のシミュレーションとしたということでございます。

まとめとしましては、今回のシミュレーションでは、折りたたみ椅子の着座及び収納時において指が挟まれた場合、大きくシミュレーションの可能範囲を超えるため、指の危害状況を推定するまでには至らなかった。指の変形が塑性変形領域にも及ぶことが推定されており、骨折あるいは座滅などの可能性があることを示唆していると考えられます。

3、4の結果を比較しますと大幅に衝撃が異なる。4は前後脚にオフセットがある。テストピースが回転することによって衝撃が弱まる、応力を逃がす効果があるなど、ピースの変形を大幅に低減した要因と推定される。したがって、オフセットを設けること、すき間を大きくとることなどが、危害を最終的に抑えることができるのではないかということでございます。以上でございます。

詫間会長

続いて産総研さんからお願いします。

持丸委員

内容は同じでございますが、絵だけ見ていただきましょう。これが今回加えた分です。椅子の前後脚が分かれて、把手のところを持ち上げて座り直すと、そこに指を挟んでしまうというような典型的なケースです。上のほうが、見えている横のパイプで、下のほうが後脚のパイプということになります。

先ほどから出ている500何ニュートンとかいうのは、上下潰れているものは、四角形の立方体みたいな小さな要素がありまして、この小さな要素ごとに力の計算をして、全体がどう潰れるかをシミュレーションする方法ですが、小さな要素それぞれにかかった力、圧力みたいなものですね、その圧力を、潰れた部分でもう一回足し算したものが挟み込み力です。もちろん面積の影響を受けていますが、上下でどれぐらい潰しているか。

櫻井さんが座ったとき、櫻井さんの体重が幾つあるのか知りませんが、単純に考えると、右と左で潰していることを考えると相当大きいです。

理由は二つありまして、一つは、片側だけに試験片を挟みましたので、実際にもそうなんです、片側だけしか指を挟まなければ、その片側のほうにたくさん力がかかってしまうのは機構上仕方がないことで、それが一つです。

それから、これは専門的ですからどうでもいいことですが、解析するときに、動的な要素を外しています。櫻井さんはゆっくり座っているようですが、実際には加速度がついて、勢いがついています。その分も、この中には静的な要素として、最終的な潰れには入っていまして、それが挟み込み力にも転化されています。したがって、実態として、これくらいのものがかかってしまうということですね。指1本の狭い面積に体重が乗るぐらいのものがかかっているということです。

ドアとして違って、簡単にこの力が解除できない。自分がどけばいいんですが、痛くてどけないということで、かなり悲惨な状態だと思います。

これは前回お見せしたものです。数字は前回お見せしませんでしたが、手で挟むときは、その半分ぐらいの力ということになります。意外と出ているというのが私たちの意見ですが、基本的には、挟むときの力、櫻井さんが両手でバタンとたたむときの勢いも多少入っています。そんなにすごい勢いでは閉めませんでしたよね。そんなに動的なものが強いとは思えないんですが、2本のパイプのところだけに集中して力がかかりますので、これぐらいの力がかかるということでございます。

こちらからは以上です。

詫間会長

どうもありがとうございました。かなり客観的な数字が少しずつ出していただけているので説得力も出てきているかと思いますが、いずれにしても、最後の事例の中にも出ていたと思いますが、4歳児の男の子ですかね、中指の第一関節はぶら下がって、基本的には取れそうになったということですよね。手術で何とか、今、血管をつなぐ手術は非常に進んでいますから、何とかつながっているみたいですが、そういうケースもございますから、その場合、53キロどころではないと思います。加速度もついておりますからね。おっしゃるように、ゆっくりと座っていることになっていますから。相当な力が生じますので十分気をつけなきゃいけないということだと思いますが、コンピュータ上のシミュレーションがかなりリアリティが高くなっているので、そうなれば、いろいろな状況にも応用して計算することができるということだと思います。

持丸先生にはお忙しいところ、基本的にはボランティア的にやっていただいているわけでありがたいことだと思います。

今の持丸先生のご発表も含めて、事故再現試験についてのご意見がございましたら、おっしゃっていただければと思います。

山上委員

全体にかかわることではないのですが、ここで表現されているオフセットという言葉がなかなか腑に落ちなくて……。図解してあるので理解はできるかと思いますが、もう少し開いてというんでしょうか、具体的におっしゃっていただいたほうが、文字だけを読んでいる方にとってみると、もう少しわかりやすくしたほうが……。

詫間会長

それは先回にもありましたが、脚注で※をつけて説明を入れるか、簡単な説明を入れていただいたらと思います。ほかの事故にもいろいろ、われわれはわかっているけれども、ほかの方がなかなかそこまでご理解いただいていないことが多いので注意したいと思います。

事務局(生活安全課長)

家具の関係では、オフセットとはこういうものだという定義づけというのはございますか。

詫間会長

オフィス家具協会の酒巻さんですか。

酒巻委員

ないと思いますね。

事務局(生活安全課長)

オフセットという言葉の使い方が業界によって違う。

山口(オカムラ製作所)

オフセットという使い方をすることはわれわれほとんどないんですが、斜になっている感じだと思います。同一平面にない状態だと思うんですが、それがここで言われていることだと思うので、前後脚が同一平面上にないという意味でもいいのかもしれないですが。

酒巻委員

そのほうがわかりやすい。

山口(オカムラ製作所)

もう一つ、2行前に、シリンダー部に一部樹脂製のパイプが使用されていることが応力を逃がす効果があるということですが、椅子の構造を確認したんですが、この部分については樹脂でなくても、スチール製でも、上下にスライドする形式の構造ならば、応力を逃がすほどの意味ではないかもしれないんです。ここのところが業界でも、こういう表現はどうかなというのはあったんですが、応力の逃げる方向というのは、前後脚の離れる構造のところはつないでいるわけなので、そういう意味では、そこの部分に、離れない樹脂が使われていることが一番大きなメリットでして、応力を逃がすかどうかというのは、私も計算していないので何とも言えないんですが、特に樹脂にこだわることではないかと思います。

詫間会長

どうもありがとうございました。事務局のほうで後でもう一遍表現を詰めていただきまして注釈していただくか、オフセットという言葉を使わないという選択肢もございますが、環境のほうで、CO2をオフセットするという言葉が使われていますよね。自分の出すものをゼロにするという意味でね、最近は。もちろん印刷機のオフセットというのもありますし、確かにいろいろわかりにくいかと思いますが。

堀井アドバイザー

表8の試験対象3と4で、前後脚間隔が収納時、3が約8.3ミリ、4が約9ミリとなっていまして、その下の図で、鉛筆を挟むイメージで説明がありまして、表9の試験方法が、こういう形で取り付けるんだよということであって、その結果が表10にあるんですが、私のイメージでいきますと、8.3ミリのすき間が、試験対象3ではあるにもかかわらず、これだけの大きなへこみができて、9ミリのすき間ができる、オフセットありだとかすり傷程度だとなりますと、9ミリだと、1ミリ分が傷に相当する部分だと思いますが、もう少し何かあったんじゃないかなという気がするんですが。

0.7ミリしかすき間が違わないにもかかわらず、試験結果はすごく変形があらわれたか、あらわれていないかということなので、絵を見たり、収納時のすき間を見たりしますと、あれっという感じを受けるんですが。

事務局(生活安全課長)

オフセットありのほうが構造上違うんですよね、図12が。同じように見えるんですが、ずれているのと……。

堀井アドバイザー

ずれてるからこんなふうに逃げますよという話ですよね。試験されたときもそういうふうになったんだろうと思います。

資料3は、すき間が8.3ミリあるわけですから、1.7ミリ分はへこむのは理解できるんですが、表10の結果を見ますと、1.7ミリ以上にへこんでいるような感じを受けてしまうんですが。絞めたときに反動か何かでいってしまったのかなというイメージを持ってしまったんですが。

山上委員

前後脚間隔が何なのかがわからないので、今ご指摘いただいている8.3と9.0の前後脚間隔というのは何を言っているのか教えてください。

堀井アドバイザー

左側の絵の、鉛筆が挟まっていますよね、前脚と後ろ脚のすき間が8.3ミリありますということだろうと私は理解したんですが。だから、方向的には90度違うんですけどね。私、実験のときに見ておりませんので、状況がはっきりわからないんですが。

事務局(生活安全課長)

勢いでいっちゃうんでしょうか。

堀井委員

そこを説明しておかないと、すごく悪いようなイメージを、この絵だけ見てしまうと持ってしまうんですよね。

持丸委員

まず幾つか明らかにしなくちゃいけないのは、試験片ははかったほうがいいですね。幾らまで潰れたのか。

われわれシミュレーションしたものは、幾らまで潰れたかを境界条件にして500何十ニュートンとやりましたが、複雑なものはシミュレーションしていませんので、はかってデータをお送りします。そうすると、具体的にどこまでいったかがまずわかると思います。

勢いというのはあんまり大きな要因ではないと想定される。ですから、実際に残ったすき間が8.3ミリより小さいのであれば、原因は別途考えないといけないですね。

私もにわかにわかりませんが、パイプを挟んだからといって、パイプにかかる慣性力でパイプ自身がたわんで、さらに外のほうに押しつけるというのは考えにくいのでちょっと わからない。

逆に、試験対象4のほうが樹脂で逃げた可能性はあります。真ん中で挟んでいるのが鉛で、周りのものが樹脂ですから、さっきの話ですと、そんなに影響は大きくないんですが。

もう一つは、試験対象4の場合は、ちょっとお伺いしないとわからないんですが、機構上も多少逃げる可能性がありますか、横方向に。幅方向に。

日本オフィス家具協会

前脚と後ろ脚の間に鉛のパイプが入ったと思います、試験のときに。そこの寸法は、プラスチックのスライドするものだと9.6ミリ。

持丸委員

それもありますね。寸法も結構違いますね。9.6ミリというと、試験片に対しても0.4ミリしか小さくないですからね。

日本オフィス家具協会

鉛を挟んだ部分がどこだかは……。

持丸委員

その伸びてるところですけどね。

山口(オカムラ製作所)

そうすると9.6から……。

堀井アドバイザー

もう少し説明を追加されたほうがいいと思います。あるいは、収納時の8.3、9.0という部分も。

持丸委員

そうですね。少なくとも数字をもう一度はかり直すことと、図12の中に数字を入れたほうがわかりやすいかもしれませんね。

山上委員

図12の、前後脚オフセットなしのところと、ありの部分のジョイントの部分だけ図として書いているんですが、これが椅子全体からどういうふうになっているかまるでわからなくて、できましたら、この部分の全体の椅子をイラストで書いてもらって、この部分だけこうなりますよ、椅子全体の中でこの部分だよというふうに示していただけたらうれしいと思っております。

また、図12の左と右とで方向が一緒なのか、よくわからないんですが、素人でわかりません。

表9の試験方法のところももう少し大きく、この委員会に参加して一緒にやっているんですが、それでも、どこなんだろうと、パッと頭に入ってこないんですね、素人ですので。そういったところのもう少し工夫、例えば試験対象1をもう少し大きくして、座面まで全部入るような形にしてもらうし、ここの部分でもう少し大きい二つぐらいの写真を並べるとか、何か工夫していただけるとありがたいと思います。

堀井アドバイザー

表8の写真の中に、前のページの○が書いてありますよね。そんなふうにして、ここの機構をいうんだよということを、○印をつけるとわかりやすいかと思います。像全体を書いてしまうともっとわかりづらくなりますので、表8の機構の部分を○印で補足説明されるといいかなと思います。

表7ですが、真ん中の写真だけ方向が逆になっているんです。同じ方向を向けたほうが理解しやすいと思います。

3のシリンダータイプを一つだけで説明されているんですが、次のページにいくと、試験対象3、4と二つ出てきますので、ここはもう少し工夫をされて、二つを入れるか何かされたほうが、次のつながりますのでいいかなと思います。

持丸委員

わかりました。われわれも実験側ですので、東京都さんにお聞きしますが、報告書の中で、椅子の機構の説明はここだけなんですか。

事務局

そうです。

持丸委員

再度、消費者に向けての提言の中で、安全な機構のものを選んでほしいというのが入りますよね。それは、これを見分けるしかないですよね。これをいかにわかりやすく伝えるかが一つの肝のような気がしますので、酒巻さんのところもそこら辺にご協力いただいて……。

はっきり言って、われわれも当日見てよくわからなかったんですよね。外から見ると、評価のいい4番と、一番評価の悪い1番がほとんど同じに見えるんですね。

実際に使ってみると、なかなか巧妙な仕掛けになっていて、後ろのほうに乗っても倒れないんだなとか、たたむと1枚の板になるんだなというのはよくわかるんですが、何が違うのかほとんどわからなくて、ここをいかに伝えるかというのが一つの肝のような気がしますね。

われわれの結果は、それを力学的に裏づけているだけで、メーカーさんが一生懸命つくって安全を考慮していらっしゃるところがなかなか伝わらない。そこは考えないといけないですね。

詫間会長

ありがとうございます。実験をやっている方はのみ込んでおられるから、すぐポイントはわかるんですよね。都民の方がごらんになったときにわかるように、全体像の構造を示して、順次絞っていって、ここがこうなるということを工夫していただければ。

確かに18ページの図は、スペースの関係もあって、19ページの一番上も、部品だけだったらいいんですが、そこは最終報告書に向けて工夫していただけたらありがたいと思います。

小野委員

ちょっと外れるかもしれないんですが、シリンダータイプのオフセットありというのはいろんなメーカーさんがおつくりになっているんですか。1社だけということはないんですか。

酒巻委員

1社だけではなく、現行では大勢はそういう方向でございますね。

小野委員

1社が工業所有権を持ってということはないんですか。

酒巻委員

それはないです。

小野委員

わかりました。安心しました。

詫間会長

その辺は持丸委員と酒巻委員ともご協力いただいて、わかりやすい解説をしていただけたら、事務局のほうで取りまとめていただけるかと思います。

時間も押しておりますので、「折りたたみ椅子等に関する規制の現状」に進めさせていただいて、課長さんからのご説明をお願いしたいと思います。

事務局(生活安全課長)

21ページです。ここではアメリカの現状について申し上げております。

CPSCは2004年の5月と9月、お子さんが指先を切断したという事例を把握し、その詳細調査を行った。その結果、事故防止、危害防止をするために安全対策が必要であると判断して、2005年4月にASTMに規格の策定を依頼した。

ASTMは2007年1月に安全規格を策定した。その後は事業者あるいは販売者は、安全規格に違反している子ども用折りたたみ椅子の自主回収またはロック装置ユニットの無償取り付けなどを実施している状況にあります。

四角の中に書いてあるのが安全規格ですが、さらに、先ほどの絵と同じような解説をしてございます。

解説1としましては、オフセットなしと同じような構造を例に出しています。全体的に、椅子の全体の中に、折りたたみ構造とか、可動部を有するところ、そういった製品全体のところを言っているんですが、3行目の後半から、矢印の部分に、直径5.3ミリ以上9.5ミリ以下の測定具が入る場合は、開くときに指が入り、あるいは閉じるときに負傷する可能性があるということです。

左図のようなリンク機構を要する場合は、矢印の部分に直径5ミリの丸棒が入る場合、椅子の開閉時及び開閉中に、直径13ミリの丸棒が入らなければいけない。つまり、5ミリが入るんだったら、13ミリまでもっと間隔を広げなさいということでございます。

22ページですが、国内の状況でございます。日本工業規格では、折りたたみ椅子に関する規制としましては、ここに書いてございます2種類があります。この2種類の規格は、折りたたみ椅子の安全性について具体的に示していない状況にあります。これは資料3に参照として掲げてございます。

SGマーク制度でございますが、ここでも2種類の基準が書かれてございます。下に四角に二つございますが、いずれも、手を挟んだり、部材が手等に接触しないこととか、操作することにより確認することとか、下のほうでも同じような表現になっておりまして、具体的にすき間を設けるとか、そういうことではないということになります。

玩具安全基準でございますが、国内では社団法人日本玩具協会が策定をしております。これは具体的な中身になっておりまして、四角の中の(1)を見ますと、安全ストップまたはロック装置を設けて、折りたたんだ状態でのすき間は12ミリ以上のことと書いてございます。

その他としては、社団法人日本建材・住宅設備産業協会では、すき間について具体的な基準を示している。次のページの3で具体的に、5ミリ以上13ミリ以下のすき間を設けないと具体的に示してございます。絵が書いてございますように、ちょうつがいになっている部分ですき間を確保する構造でございます。

詫間会長

ありがとうございます。アメリカのCPSCとASTMの連携によって、アメリカがかなり先を行っていますので、これが国際的な基準になりつつあると思いますが、日本はJIS、SGその他で、基準の枠がないというわけではないんですが、これからもうちょっと工夫して厳密にしていかなければいけないという面もあるかと思います。

これは公表されて、現段階では決まっているものでございますから、特にこれはけしからんというようなことはないのではないかと思いますが、まだ十分とは言えないということだと存じます。

これを踏まえまして、次に危害を防止するための課題と安全対策に進めさせていただいて、合わせてご意見を賜れればと思います。今の規格基準を踏まえてどういうふうになっていくのかということだと思いますが、課長さん、よろしくお願いいたします。

事務局(生活安全課長)

それでは課題ということです。

まず、製品の構造や表示における課題としまして、前文的なまとめ方で指摘してございます。

「さまざまな場面で折りたたみ製品による危害が発生」ということで、消費者アンケートの調査の結果、事故情報が集まった。1世帯平均で、過去10年間で2.5件の事故を経験しているという結果も出ております。その中でも、折りたたみ椅子の事故は1,039件と非常に多かったということもあります。

いろいろ調査結果を分析しますと、国内でも多数同様の事故が起きているのではないか、その可能性があるので早急に検討する必要があるということが考えられます。

次の○ですが、「設計段階から安全対策の必要性」、従来は製品事故の原因を、消費者の誤使用と考え、ややもすると注意表示、取説等で事故防止対策を中心とする傾向があったのではないか。

しかし、いろいろな面で事故が多数発生している状況を見ると、注意を喚起するだけではなく、商品自体の改良が必要であると考えられます。

本質的な安全対策方策を当然施していくことになりますが、設計段階から安全方策を施す。さらに残ったリスクについては安全装置などの防護策を施す。さらに残ったリスクについては、使用上の情報とともに、利用者にリスクの管理をゆだねるという考え方が必要ではないか。

子どもに重大な危害が発生。アンケート調査でも明らかですが、6割が12歳以下の子どもに発生しているということが言えます。

当然ながら、子どもは危険に対する認識力が未発達であり、危険回避能力が低いことから、大きな事故につながりやすいと考えられる。大人用に開発された製品であっても、子どもが使用することを想定した安全対策を考える必要がある。

安全基準が未整備、アメリカでは、先ほど説明したような状況ですが、わが国の安全規格は、折りたたみ構造に関するものはなく、製造事業者団体におきましては協会自主基準等を作成する必要があるのではないか。将来的には公的な安全規格の策定も視野に入れた検討が必要であろう。

「製品の構造における課題」に入りますが、消費者アンケートの事故事例を分析したところ、四つのパターンで事故が発生していた。

四角の中にございますように、収納時に、自分や子どもの指を挟む、開くときに指を挟む、ふいに転倒したときに折りたたまれて挟む、開く前に着座しようとするとき挟む、そういったことから、構造上の原因を推測すると、前後脚にすき間がない、リンク部分がむき出しになっている、意図せず折りたたまれる、前後脚分離型だとすき間に指が侵入する、そういうことが推測できる。

日本オフィス家具協会さん、オカムラさんのご協力もありましたが、折りたたみ椅子を収集したところ、17ページの表でも説明した3種類が流通していることがわかった。ここでは①②③それぞれ説明していますが、これは省かせていただきます。

産総研さんの協力で実施した再現試験では、指の骨折、座滅など重大な危害を受ける可能性があることが、実験結果としてわかっている。オフセットがある場合は最小限に抑えることがわかったということです。

27ページに行きまして、一つ目には、不意に閉じたときの安全対策として、可動部の前後脚にオフセットまたはすき間を確保することを言っています。二つ目には不意の開閉を防止すること。ロック装置の装着が考えられる。三つ目としては、指が侵入するすき間がある可動部の対策としては、指等が侵入するすき間をなくすこと、保護カバーの装着等が考えられるとまとめてあります。

「製品の表示における課題」ですが、アンケート調査結果では、折りたたみ椅子の危険性を感じていなかった消費者が半数ほどいる。つまり、危険性が潜んでいるという認識に欠けていることが示されているのではないか。

市販されている折りたたみ椅子の危険警告表示を調べたところ、座面の裏側に表示されているものが多い。視認しづらい場所であることがわかりました。また、小さな文字で記載しているものもあり、使用時に視認することは難しい状況。中には適切な使用方法が記載されているものもあった。

折りたたみ椅子は背の部分に大きなスペースがあるということから、その部分にイラストを使ったりして、消費者に、防止のための情報を伝えていくことが必要ではないか。また、取扱説明書等の注意情報は、文字が中心だとなかなか読まれないということもあり、イラスト、まんがなどで消費者に伝わりやすい工夫が必要であるということを書いてございます。

次は、事故情報の収集分析が十分でない。消費者アンケートでは、96%の消費者が事故情報を通報していない。国民生活センターの国民生活動向調査、28ページに行きます、の相談した割合56.3%と比較すると、製品事故の情報は顕在化しにくい状況が際立っている。

保護者、使用者の不注意を挙げた人が6割いるということ、事故を自分の責任と考えてためらってしまうものではないかと考えられる。そのため、事業者等には事故情報が伝わりにくくて、分析や対策が進まない状況になっているのではないか。今後、消費者が、事業者あるいは関係機関に通報しやすい環境をつくることで、消費者に対して、事故情報を積極的に通報するよう呼びかけていく必要がある。

事故情報は、さまざまな手法で積極的に収集するとともに、多くの関係機関が連携して事故情報を共有化することも必要、製造事業者による製品の改善、改良を促す、事故の傾向を発信することにより、消費者の注意も促すことが可能となる。

産総研さんなどの研究機関での実験データを、事業者や行政等で利用可能とし、そのデータを共有化することも必要ではないか。

次には、消費者、施設管理者に正確な情報が伝わっていない。製品の危険性が認識されていない。

「構造の違いによる危険性」、折りたたみ椅子は主に3種類の構造があるということですが、それぞれの折りたたみ機構は仕組みが違って、構造的な危険性について一般には見分けにくい。そのため、施設管理者、消費者は危険性を認識しないまま使っているおそれがある。事業者、行政は、そうした利用者に対し、構造的な危険を知らせて、安全性の違いがあることを情報提供し、注意喚起する必要がある。

また、利用者は、危険性の少ない製品に順次買い替えていく必要がある。誤った使用方法による危険性ということで、消防庁の例を出しておりますが、33件起きている。そのうち17件が転倒によるものである。折りたたみ椅子の不適正な使用による転倒事故が多いということを示しております。利用者は情報が不足しているため、どのように気をつけて使用すると防止できるのかということがわからないことが多い。ですから、事業者や行政は、利用者に対して、誤った使い方による転倒転落防止を含めて、適切な使用法を周知することが必要である。

次に「不適切な保守管理による危険性」として、折りたたみ椅子は耐久性があって使用期間が長いこともあり、公共施設等では、指を挟む可能性のある前後脚分離タイプとか、危険性のあるものも使用されている可能性がある。また、経年劣化により製品自体の危険性が増しているものもあるのではないか。

そうした中、学校や公共施設の管理者が実態を把握するように呼びかけていくべき、さらには施設の管理者が注意シールを貼るなどの対策が必要である。施設の管理者は、さらに経年劣化の製品の保守管理を推進していく。事業者は、シールの配布とキャップの補充の体制の整備とか、施設管理者に対して過去に販売した旧式、あるいは経年劣化した椅子の補修を行うよう働きかけていく必要があるのではないか。

続いては、施設管理者の、利用者に対する説明不足等ですが、アンケートでは、公共施設で大人が設置収納作業しているそばに子どもがいて事故にあっている事例もある。また、小学生が設置収納作業中に事故が発生しているということがあります。施設管理者の、利用者に対する事故防止の注意喚起等が十分ではないのではないか。今後は、その重要性について情報提供し、普及啓発していく必要がある。ポスター等の掲示や、利用許可証等に注意を記載するなど、さらには口頭で注意を促すことも必要ではないか。

折りたたみの、ほかの製品でも発生しているということで、先ほどの調査でも明らかですが、いろんな製品に挟み事故は起きている。こうした事故は大人に多く発生して、会議室だけでなく、30ページに行きますが、さまざまなところで発生している。使用者が操作が不慣れなこともあって、指挟みに注意していても事故が発生してしまう。ほかにも、テーブル、ベッドでも事故の発生状況が見られます。

折りたたみ構造を持った製品の製造事業者団体は、折りたたみ椅子と同様に、関係機関と協力して情報を収集分析して、事故の実態に合わせた具体的な折りたたみ構造の安全対策の検討が必要ではないかというふうにまとめてございます。

詫間会長

どうもありがとうございました。ご説明いただきましたわけで、最後のほうに、折りたたみ椅子だけじゃなくて、折りたたみベッドとか、ベビーカー等でも類似の事故が起きているということですから、それぞれに報告書が一つずつ必要なくらいになるわけですが、課題等の安全対策については、前回、前々回にもいろいろご指摘いただいたご意見をここにくみ入れさせていただいています。取説が座面の裏に貼ってあるのでは困るというところから始まりまして、視認しやすいところ、あるいはロゴマークやまんがのような形でわかりやすく表示すること、パイプ椅子を買い替えるときにはより安全なものに変えなさいとか、いろいろ貴重な意見をいただいておりましたので、それを列挙させていただいた部分もございます。

また戻っていただいても結構でございますので、次の提言ということで、報告書の最後の目玉ということになると思いますので、続きましてご説明をお願いいたしたいと思います。

事務局(生活安全課長)

31ページです。「本協議会は、折りたたみ椅子等の安全性を確保し、重大な事故を防止するために、今後、国、関係機関、事業者団体、東京都、消費者が取り組むべき事項について、次のとおり提言する」としています。

(1)「製品本体における安全対策の実施」。製造事業者団体は、設計開発段階からの安全対策を検討する。業界の安全自主基準の実現を図るよう検討すること。大人用の製品であっても、子どもが使用または接触することを想定した安全対策を検討する。

国及び関係機関は、将来、日本工業規格等の公的規格の策定も視野に入れ、事故の実態に合わせた安全対策を検討する。販売事業団体は、輸入品を含めて、安全性を考慮した折りたたみ椅子の販売に努めるとしまして、具体的に、製品の構造に関する安全対策を述べております。

可動部のすき間についてですが、突然動き、意図せず折りたたまれ、指等が挟まれる事故が発生しても、危害を最小限に抑えるように、適切なすき間を確保する。

ここでは例を挙げていますが、玩具の安全規格を参考に、5ミリ以上13ミリ未満のすき間をなくすことが考えられる。保護ガードの安全確保、ロック装置による安全確保といったものを書いてございます。

表示関係ですが、危険警告表示あるいは取扱説明書のところです。

適切な場所への貼付による注意喚起ということで、製造販売事業者団体は、視認しやすい場所に、子どもでもわかりやすい目立つ色、形、文字で表示すること。

32ページに行きまして、視認しやすい文字ということで、取説についても述べていますが、同じように視認しやすい大きな文字やイラスト等を用いて取説に表記すること。ロック装置を装着する場合は、ロック装置の位置が子どもでもわかりやすいように大きく、目立つ形で表示することとしております。

事故情報の収集・共有・分析体制充実強化ということですが、まず、消費者に対する事故情報の通報の働きかけ。製造・販売団体は、さまざまな媒体を通じて事故情報の通報を働きかける。東京都は消費者に対して、ホームページ、リーフレットを活用して、事業者やセンターなどの事故情報窓口に通報するよう働きかけることとしています。

収集体制の整備ですが、製造事業者団体は、消費者事故通報窓口等を設置して収集体制を整備する。国及び関係機関は、その整備を推進していくこと。事故情報の共有、関係機関の連携促進として、製造事業者団体等は、同様の機構を持つ製品の製造販売事業者と協力して共有化を図り、連携を推進する。事故通報の公表の促進、製造事業者団体は消費者に対して、収集した事故情報を迅速に公表すること。事故情報分析評価体制の充実として、製造事業者団体は分析評価体制の充実を図る。安全性の高い製品の開発促進としては、製造事業者団体は、分析評価した情報をもとに、製品の研究開発を推進し、安全性の高い椅子のモデル案についても検討する。

使用者に対する安全対策として、公共施設における安全対策の実施では、施設管理者は、子どもに重大な事故が発生しているということもあり、子どもが利用する機会の多い公共施設の管理者は、子どもの使用を想定した安全対策を講じるということでございます。

保守管理としましては、部品の欠落とか、破損箇所の状況を確認して保守管理に努める。さらに利用者への注意喚起として、利用許可証の書面に注意事項を記載することとか、あるいは公共施設の職員により取り扱いに関する説明を実施する。注意シールの貼付、ポスターの掲示等で、事故防止対策の普及啓発に努める。

安全性の高い製品への買い替え促進として、施設管理者は、ここではシリンダータイプ等としていますが、前後のすき間が確保されているものに順次買い替えに努めることとしています。

意識向上としては、施設管理者は職員等に、事故未然防止に努めるよう指導を徹底すること。消費者への注意喚起としましては、まず製造事業者はいろいろな媒体を通じて、事故防止のための注意喚起に努める。東京都は消費者に対して、事故の実態、注意事項等を記載した事故防止啓発パンフレットなどにより啓発するとともに、施設管理者がポスターやチラシをホームページからダウンロードして、それを施設内に掲示することができるようにすること。

さらに、みずから守るためには消費者の自覚ということですが、消費者は安全に関する情報を通じて、みずから危険性を判断して、安全性の高い製品を選択すること。あるいは事故防止の観点から、積極的に事故情報の通報に努めること。

最後に、ほかの製品の安全対策の実施といたしまして、同じような機構を持つ製品の製造事業者団体は、(1)として、事故の実態に合わせた製品本体の安全の実施、(2)の、情報の収集・共有化等についても実施して、事故の再発防止に努めることとしてございます。以上です。

詫間会長

どうもありがとうございました。今の第4節で一応締めくくりということですね、案としては。あとは、アンケートの内容の資料から始まって、名簿までつけさせていただいているわけですが、安全センターへのアクセスのホームページとか電話番号も載せさせていただいて、引用と参考の文献も、例のアメリカのものも含めて載せさせていただいております。

4は、この報告書として一番言いたいことが羅列されているわけでございますので、そういう意味では非常に大事な部分かと思いますが、特に製造上のいろいろな、カバーとか、幅の広さとか、玩具を引用して5ミリから13ミリですか、ということを指摘しておりますが、そういう具体的な数字も入っていますが、酒巻様、いかがですか。

酒巻委員

先般も申し上げましたが、先生方のご意見をいただきまして第1回の会議を開催いたしまして、ワーキングをつくって、3本の柱に変えたというご報告をしたんですが、きょうの会議に備えまして一昨日、椅子メーカー全員に集まっていただきまして、約30社ございますけれども、第1回の会議のときに分担を決めましたので、その結果をまたご報告をしていただいて、東京都の会議の、できるだけ先生方の貴重な意見に沿うよう方向を決めていこうということでございます。

まず第1に、私どもの会員で、3種類の、リンク式、前後脚分離式、シリンダー式の三つがございますが、上の二つは生産しないようにということを、まず会長名で言っております。

実際に皆さんの意見を聞くと、ほとんど、今の時代ではつくっていないところが大部分です。強いて言えば、前のもこれだから、もうちょっとつくってほしいという要望がある以外はほとんど生産を中止しているということでございますので、これを追いかけて、1、2は生産を自粛せよ、3番目の方式で全部いってほしいということを、会長名で全会員に流す。会長の文面は、ある専門メーカーの担当で今、研究しております。

ただ、先般申し上げましたように、公正取引委員会で引っかかるおそれがございますので、経済的優位性を制限するというのは独占禁止法にひっかかりますので、私どもで中止を強制することができないんです。現状つくっていないということでございますし、私どもの文面も、強制にやや近いところでということでございますので。

私は、まず31ページのアでございます。

「製品の構造における安全対策」の「可動部のすき間における安全対策」、ここはすべて1番、2番の製品に共通することでございますから、これは全部やめて、むしろ東京都の勧告としては、1番、2番はつくるなということをいただいたほうが、私どもの政策と一致して非常にいいんじゃないかと考えるわけでございます。

それが1番目の柱ですが、しかしながら、過去につくった製品がかなり出回っているということもあるわけでございますから、これにつきましては、あるメーカーさんで担当して、こういうものをつくってもらいました。これを挟み込む前脚と後脚のそれぞれに全部貼るように、自分の販売先にこれが回るようにしたい。それだけのものを私どもの協会としてつくるように考えております。

(資料回覧) 3番目の柱はチラシでございますが、委員の先生方にもご意見をいただいていますように、取扱説明書とか、ここにラベルを貼っても非常に見づらいし徹底しないということでございます。

私どもが考えましたのは、収納している部分があるわけでございます。舞台の下とか、会場のわきの戸棚の中とか、必ず収納しているところがあるわけでございますので、収納している場所の一番目立つところに、使う前に目に入るように、こういうふうに使ってほしいということで、これをお客様に広く配りたいという考え方でございます。

以上のような、一昨日、三つのことで、それぞれのメーカーさんが分担して原案をつくっております。

3番目のスライド式につきましては、日本工業規格になると、ちょっと手おくれになると困りますので、私どもの協会で、とりあえずは自主的な推奨規格ということでつくろうかということで、これから作業を進めたいと思っております。

次回のときまでにはある程度のものをご報告できるかと思いますが、今のところそういう考えでございますが、実際のメーカーの立場から何かあったら。

山口

今、JOIFAの酒巻専務からお話しいただいたんですが、

31ページのアの「可動部のすき間」云々ということについては、今そこに並んでいる、私から見て右端ですが、スライドリンク方式の前後脚が同じ平面にない状態で、折りたたんでも間隔がある程度とれる構造、これが3から13と、13という大きい寸法になると製品強度としてはちょっと苦しいところがあるんですが、少なくともある程度間隔が開いているということでは、子どもの小さな指ならば、間に入っても潰されることはないというような構造ですので、現行、これが今つくられているということで、ロック装置がないというタイプでは一番安全なものではないかと思っています。

もう一つ、ロック装置ということですが、ピンクの中に出ている資料の22ページに、アメリカのロック装置が出ているんですが、私もこれはよくわからなかったんですが、国内パテントを調べてもあまり出て来ない分野なものですから、22ページにあるような、中にバネが入っていまして、バネの力で二重に、リンクのところが動かないように、よく見ると、パイプを通して軸が飛び出てきていると思いますが、リンクのところを引っ張れば軸を解除する構造ではないかと思うんですけれども、非常に簡易な構造で、この文章は、前のページを読むと、この構造のものがうまく作動していないということで、実際には機能しない。

こういう構造ですから、体重を支えるとなると、この程度のものでは難しいのかなと考えていまして、実際にロック装置を検討していくとなると、きょうもパテントを探してきたんですが、折りたたみ機構部の前後脚が開いた状態で閉じないような構造を考えなければいけない。

ここにも絵があるんですが、バネを使って、軸が飛び出して脚が動かないようにする構造があることはあるんですが、協会ではまだ製品化したことがないので、これはたぶんハイチェアで、日本国内か外国かわからないんですが、パテントだけはとっているんでしょうけれども、実際にロック装置をつけたとすると、それの構造は大変重厚なものになるのではないかと個人的には思います。安価なものをつけても、曲がったり、作動しなくなったりということで、アメリカと同じ事例になっていくんじゃないかという気がしまして、ロック装置による安全確保は、業界としてはちょっと厳しいなと感じています。

それよりは、現行すでに製造が進められている、一番安全なスライドリンク、さらには前後脚が同一面にないような、折りたたんでも、挟む箇所が、ある空間を保持しているようなものがいいのではないかと思っていますので、当協会の酒巻専務がおっしゃったように、そういう方向で、従来型の前後脚の離れているところでの指を潰すものと、前後脚が直接リンクでつながっているものと、この辺は今後つくらない方向で行くというのは、協会内でも合意が得やすい部分かなと思っています。ですから、製品での対策はそういう方向に行きたいと。

すでに売られたものについては確かに危険性が高いので、前後脚が離れるものについては、キャップの破損がよく見られるというお話を先回から聞いていますので、キャップの供給は可能のようです。

ただ、あるメーカーさんがおっしゃっていましたが、キャップを供給した場合に、その部分は確かにいいかもしれないが、ほかの構造部が、長く使っているがゆえに問題がないのか、そこまで確認した上でないとキャップは出しにくいねという話もされていましたので、やはり製品の安全性が担保されている状態で供給するのが望ましいかなと思っています。

1、2の構造のものについては安全シール、注意シールを製品に貼る。または、どこが売ったものかわからないというものも出てくると思うので、それにしても、安全対策ということならばシールを提供していきたいという方向で、シールと、先ほど回覧していただいたポスターで、製品を正しく使用することを推奨していきたい。

見ていただけなければ扱いが乱雑になるかもしれないんですが、管理する側からも呼びかけていただければ、製品の安全な正しい使用というのは進んでいくのではないかと思っていますので、今、当協会の専務が言われたような中身でいきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。まだ進行中というか、中間的な段階ではいらっしゃると思いますが、多少、本協議会の成果というふうになるかどうかあれですが、受けていただいて動きを出していただいているわけですね。先ほどのワーキンググループというのは、30社の中から何名か、10名とか数名というオーダーですが、JOIFAとして、全体が30社ということですか。

酒巻委員

折りたたみだけじゃなくて、応接セットとかいろいろつくっているのを含めて30社でございます。

詫間会長

最終報告を、後で申し上げますが、3月27日に一応お渡しすることにはなっておりますが、2月26日ぐらいまでに、試案としても、今、ポスターも二つございますが、両方使われる方向に行かれるのか、一つは6ケースぐらいで、一つはケースが多いといいますか、13ぐらいありましたかね、そういう方向性がある程度決められまして、シールも、あれでいかれるのかどうか決まりましたら、報告書の資料にも、試案の段階だけれども、こういう動きがあるということを載せさせていただくと、単なる言いっぱなしじゃなくて、具体的にハードの面での動きを起こさせていただいているということが……。

酒巻委員

次回は3月11日にしておりますので。

詫間会長

それじゃ間に合いますね。それを事務局に、連絡をとっておいていただいて。非常に大切だと思いますので。動きとしてはありがたいことでございますね。

山上委員

32ページ、(2)の「事故情報の収集・共有・分析体制充実強化」のところですが、「製造販売事業者は」「東京都は」という形で書かれておりますが、今、国においても情報の一元化ということが検討されているところですので、13ページの「どこに言いましたか」というデータを見ましても、「販売店、セールスマン、メーカーに直接言う」が半数を超えていますので、販売業者に入っている情報と東京都がリンクできるようなものとか、そういう方向性が見えるような言葉を一つ入れてもらえたらうれしいなと思っております。

ただ単に事業者団体だけでやっていたとしても、今回、こういうような形で委員会があって、すぐに改善が見えて本当にうれしく思っておりますので、事業者団体さんの情報と東京都との定期的な報告会とか、そういう意味での共有化が図られるような文言をぜひ入れていただければと思っております。

詫間会長

それは大事なことなんですけど、メーカーさんのほうから見ると、あんまり筒抜けになっても困るという点もあると思いますから、その役割がこの協議会でございますよね。だから、場合によっては協議会のワーキンググループみたいなものを、国際的にはワーキングパーティと最近言いますが、そういうもので情報の、一元化というのはなかなか難しいと思いますが、共有を少し解除にするということでしょうかね、そういう方向が一つあると思うので、そういうご意見があったということをとどめて置いていただけたらと思います。

時間がオーバーしているんですが、いろいろと貴重なご意見を賜っております。とりあえずは2月26日までに、ファックスなりメールなりで、その後お気づきになったところ、あるいは今日ご発言になった続きの詳細、特に持丸先生のところからもいただけるかと思いますが、そういうものをお寄せいただいて、私と事務局のほうでそれを取りまとめまして、最終報告に適切に反映できるように努力したいと存じます。そういうことでご了承いただければとよろしいと思いますが。

保阪委員

東京都に確認したいんですが、「製品の構造における安全対策」というところの2行目に、「販売事業者団体は事故の実態を考慮し、輸入品を含め、安全性を考慮した折りたたみ椅子の販売に努めること」という項目が記載されているのですが、内容としてはどのようなことでしょうか。

われわれ販売業者に対して何を期待なさっているのでしょうか。

事務局(生活安全課長)

国内的には1と2という、比較的危険性の高いものはないということですが、輸入品はわりと危険なものもあるのではないかということで、販売する場合は、より安全な製品を売っていただきたいという意味です。

保阪委員

そういうことですとJISや自社で持っている規格での確認ということですが、あくまでもわれわれは小売業なので、行政団体にて基準を一つ作成していただいた上で、このような文言を入れていただかないと、非常に難しいとご理解ください。

詫間会長

ごもっともだと思いますが、今の毒ギョーザの問題がそれに類似することになりますね。もちろん、いいものもありますよ。スウェーデンの家具とか、日本国内のものよりベターなものをつくっているところもありますが、そうじゃない、言っていいかどうか知りませんが、チャイナフリーという動きがあるように、食材に限らず、鉛が幼児の玩具から相当程度出ているようなもの、ペイントを含めまして、そういうものがお隣の大国から出ているわけでございますから。

これは、おっしゃる意味もありますから、国あるいは都のサイドで、そういう方向での基準の設定をつくる方向への努力も必要であるということですね。

保阪委員

つくられたものに対して、販売者として、それに沿ったものをというような方向で書いていただけばよいのですが、この内容で書かれると、どれが合っている基準なのかもよくわからない状況です。

詫間会長

それはニワトリかタマゴかみたいなものになってしまうのですが、国のほうとしても、都のほうとしても、あまり規制するといいますか、固定的なものをつくって、これに従ってやれというような方向は、これからあまりとられないと思いますね。

商売でいらっしゃるわけですから、危ないものとか、毒の入ったものを売ったら、ご自分の商売がアウトになっちゃうわけですから、そこのところを自己保護もされなきゃいけないわけですよね。そういう意味では、国が考えるようなことよりもっと厳しい自主規制をお考えになって、1社でやられるんじゃなくて、オフィス家具協会のように、グループで努力されることも逆に必要になってくるんじゃないかと思いますが、そういうことを並列的に書かせていただいたらいいんですね。

ここだけですと、確かに、何をやっていいかどうかわからないのに、やれと言っているというふうにとられますので、そこは最終的なところで工夫をさせていただきたいと思いますが、もし委員のほうでご希望の文言があれば、メールかファックスで送っておいていただければ大いに参考にさせていただけれると思いますが。

松川委員

4ページのデータの中で、表5の下の、程度別の解説がございますが、東京消防庁の運用の基準と言葉が少し違いますので、きょう持って来ましたので、事務局のほうに後ほどお渡しします。

詫間会長

専門用語があると思いますので。

ここにハインリッヒの法則まで引用させていただいたんですが、あくまでも産業界における実験の成果でございますから。これに類するものが日本で残念ながらないものですから、このデータをいつも引用しなきゃならないということでございます。

堀井アドバイザー

この協議会は東京都へ答えを返すということでありますと、まず東京都に何をしてほしいのかというのが出てくるんじゃないかなと。定義の中に。それと同時に、国とか関係機関、業界団体とかが何をすべきなのかという立て方じゃないか。これだと、東京都さんが後ろのほうに入ってしまっているので。

本来、東京都として、例えば業界団体に提案したいとか、国に提言するとか、そういったことがまずあって、業界団体にはこういうことを望みたいとか、そういう立て方になるのかなという気がするんですが。

事務局(生活安全課)

4は3とリンクした形で回答しているんですね。ですから、そこに関係するところの役割といいますか、それぞれを書いている。ですから、東京都は今後どういうふうにしていくんだということになると、要望だとかいろいろ、実際はやっていくわけですが、その辺を少し字数をふやして説明していくということを考えております。

堀井アドバイザー

今後される製品設計のことと、既販品のことが入り組んで書いてあるんですね。事業者に対して、今後製造する、あるいは設計するものについてはこうあってほしいと同時に、すでに売ったものについては、シールとか注意喚起をするということでみんなにやっていくんですということに分けたほうがいいんじゃないかなという気がいたします。

事務局(生活安全課長)

資料2、3月27日、2時30分から約1時間ほどを予定しております。今月の26日までに、一部間に合わないところもあるかもしれませんが、ご意見をいただいて、それを事務局で調整をして報告書の形にしていきたいと考えています。細部にわたっては、会長と私どものほうにご一任いただければと思っております。この日は終わってからすぐプレス発表という形になるかと思います。

ここに「国、業界、関係機関等への要望」ということで、予定ではこの形にしております。事務の遅れ等があると、これがずれ込むという可能性もありますが、当面はこの予定でございます。以上でございます。

詫間会長

そういうことでございますのでご了承いただければと思います。一応これでよろしゅうございますか。特にご注意点がございますればでございますが。

年度末のますますお忙しいところお集まりいただいてありがとうございました。これで第4回を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055