ここから本文です
東京都消費生活総合センターでは、消費者被害防止事業として出前講座・出前寄席を実施しています。
出前講座では、若者を狙った悪質商法の被害を防ぐために、学校に講師(東京都消費者啓発員)を派遣して啓発しています。講師は現役の相談員が多く、相談事例を基にした解説を行っています。
また、出前寄席は、大学の落語研究会や社会人の消費者啓発ボランティアグループと連携して実施しています。落語・漫才・コントで、悪質商法の手口や対処方法などを分かりやすくお伝えします。
都立高校で実施した出前授業の内容について、紹介します。
最近は、成年年齢引き下げにより、「成年になったらどう変わるのか? 社会に出る前に知っておきたい知識を教えて欲しい。」との依頼が増えて来ています。
このことを踏まえ、高校3年生の「セーフティ教室」の一環として、契約とお金の知識に関する講座を実施しました。
以下の項目に沿って講座を展開しました。
工芸高校は水道橋にあるので、「東京都の消費生活センターはお隣の飯田橋にあります。」とお話ししました。参加の190人のうち、成年年齢に達していた生徒は4分の1程。「来年3月末には全員が成人になります。親権者の同意なく高額な契約やお金の借り入れが出来ますが、その反面責任も求められます。」と説明しました。
契約トラブル事例では、「美容に関するトラブル(脱毛やエステなど)」「緊急時サービスに関するトラブル(害虫駆除サービスなど)」に関心を持った生徒が多くいました。
お金の知識の説明では、「クレジットカードの利用は借金と同じ。計画的に利用しましょう。」と伝えた上で、センター作成のDVD『パピ君と学ぶ!キャッシュレス社会の歩き方』から「多重債務の恐怖」の章を視聴しました。大学生が借金で困窮する様子を、多くの生徒が身を乗り出して視聴していました。
最後に、トラブルを回避するポイントとして
と伝え、改めて消費生活センターを案内して締めくくりました。
今回はお忙しい中、講演をしていただきありがとうございました。生徒たちも大変勉強になりました。「お金について」の講演でしたが、普段よく耳にはするけど具体的にはわからないことが多くどこで調べればよいのかわからない点を詳しく講演していただき、生徒たちも理解が深まりました。
今後の生活において大きく役に立つ内容でした。ありがとうございました。
定時制全学年50名の生徒に、「多文化共生部主催の学校行事」特別活動として、消費者教育の若者に多い消費者トラブルと騙されないための対処法をテーマとした落語2演目を実施しました。
町内会で、架空請求詐欺の被害防止のために芝居をやることになった。詐欺師役が本番当日にドタキャンしたので困った町内会、馬鹿正直な飯炊きの権助が代役をつとめることに…その芝居は、権助のアドリブでしっちゃかめっちゃかになるが、かえってわかりやすくなり、めでたしめでたし。
架空請求の手口と対策を紹介しました。
貴方のお金を狙って、あの手この手で、言葉巧みに近寄って来る詐欺師たち。カードすり替えの手口、フィッシング詐欺、架空請求など、だましの手口を紹介する。同時に、騙されないと思っているあなた!
なぜ騙されるのか、質問に答えて、騙されないための対処法を紹介しました。
本校では、出前寄席は、初めての試みでしたが、生徒の感想は予想以上の反響で、やってみて良かった!というのが印象です。落語家さんたちも、日頃から学校寄席を経験されているので、生徒たちとの対応も“うまいな”と思いました。
諸関係の方々には、良い機会を作っていただき、感謝しております。