契約を結ぶと権利と義務が発生することは習ったけれど、マリはなぜ取消しができたの?
マリは未成年者だから、契約の取消しができたのよ。
未成年者は契約について特別扱いを受けるの?
そうよ。18歳未満の未成年者は、親とか法定代理人の同意がないと契約ができないと民法で定められているのよ。
それで、未成年者が親の同意もなく契約した場合、あとから取り消すことが出来るの。これを「未成年者取消権」っていうのよ。
未成年者は契約に対する経験も知識も判断能力も未熟で、きちんとした判断のもとに契約を結べないから保護しようという考え方ね。
逆にいえば18歳になったら年齢を理由には取り消せないわ。
同級生なのに、18歳になったとたんに成人扱いになるのか。契約の経験なんてそんなにすぐに身につくものじゃないのにな。
民法で18歳以上は成人と決めている以上、契約に対する責任をもたないとね。
いきなり成人扱いは厳しいなぁ、どんな準備をしておけば良かったのかな。
契約は一方的に解除できないんでしょ。契約は慎重に考えることが大切ね。
でも、親の同意がないと買い物できないなんていうけれど、18歳になる前でもコンビニでパンとか買ってるよね。それも出来ないならかえって不便だけどな。
そういうお小遣いの範囲の買い物や例えば定期代として渡したお金で定期を買うとかは、例外的に同意はいらないのよ。そして取消しもできないの。
それ以外は、未成年者で親の同意がなければ何でも取り消せるのかな?
いいえ、相手に自分は成⼈だと嘘を言って、信じさせて結んだ契約の場合も取り消せないのよ。ほかにもあるので、
もっと知りたい2-① をみて。
今のは、未成年者がきちんとした判断をできないことから保護している制度だけど、同じように、きちんとした判断で契約の意思表示が行われていない場合は、契約にしばられる理由がないので、契約を取り消せたりするわ。詳しくは……
もっと知りたい2-② をみてね。