文字サイズ変更
トピック
「若者の消費者被害に対応する最近の法改正」及び「成年年齢引下げによる影響」

ここから本文です

平成30年度 すぐに役立つ「教員のための消費者教育講座」実施報告

東京都消費生活総合センター 活動推進課

東京都消費生活総合センターでは、毎年度、小・中・高等学校、特別支援学校の教職員を対象とした「教員のための消費者教育講座」を開催しています。今年度も16テーマの講座を飯田橋・立川・渋谷の3会場で開催(7月24日〜8月23日)。延べ1,155名に受講していただきました。通常は2時間の講座ですが、今年度は、「つながり広げるよくばりプラン」と称し、3.5時間の拡大講座を3回実施しました。「アクティブ・ラーニング」の授業提案を想定し、ワークショップ形式を充実させたところ、教員同士の情報交換の場ともなり、大変好評でした。

講義内容の一部をご紹介します

民法の成年年齢が引下げられる?どうして?どうなる?

講師
弁護士 中村 新造
弁護士 平澤 慎一
弁護士 武田 香織
3.5 時間拡大講座 ①
中村弁護士のお話 70分
休憩 10分
こんな相談どうする? 60分
休憩 10分
みんなで考えよう 50分
まとめ・講評 10分

前半は「民法の成年年齢が引き下げられるとどうなるの?」「学校で起こるリスクって?」という素朴な疑問に、中村弁護士が事例とともにわかりやすく説明をしました。後半では、「もし学校でこんな相談を生徒にされたらどうする?」という事例を基にグループディスカッションをしました。「みんなで考えよう」では、受講者から寄せられた質問に講師が対談しながら回答しました。受講者からは、この課題に不安や戸惑いを持ちながらも前向きに取り組もうという姿勢が伝わってきました。「成人になるまでに必要な消費者教育」として何をすればよいか、すぐに結論が出るものではありません。次年度も継続して積み重ねていくことの大切さを痛感しました。

講義の写真
弁護士の3人が受講者からの質問に答える様子

【受講者の感想より】

  • 講義も分かりやすく、実例をもとにしたグループワークとそれに伴う弁護士の方のアドバイスで、成年年齢が引下げられた際の影響について、より具体的に学ぶことができました。
  • 弁護士の先生方の熱い想いに触れることができてより刺激となりました。繰り返し学びたいテーマです。

【教材活用法】Web版教材
「もしも未来が見えたなら」の活用事例紹介

講師
国際基督教大学高等学校 教諭 金清 順子
東京家政学院大学 准教授 小野 由美子
3.5 時間拡大講座 ②
パソコンを使って実践例と授業の工夫紹介 90分
休憩 10分
ワークショップ 80分
休憩 10分
まとめ・講評 20分

前半は、クレジットカードと多重債務について学べるWeb教材について高校での実践例を紹介しました。受講生は生徒の気持ちになりパソコンを使って教材を体験しました。後半はグループに分かれ、「自分ならどのような授業を展開するか」検討しました。

講義の写真
パソコンで教材を確認しながら授業実践例を体験

【受講者の感想より】

  • Web教材の全体像や流れ、授業の様子が分かり、とても参考になった。
  • 成年年齢引下げで、非常に大切な内容となることを実感しました。

主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の消費者教育の実践

講師
帝京大学大学院 客員教授 小関 禮子

新学習指導要領では、「消費者教育の充実」が図られました。講義では「なぜ、現代の子供たちに消費者教育が重要なのか」、「小、中、高校の学習指導要領で取り扱う消費者教育」について話していただきました。新学習指導要領のキーワードでもある「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」を実践した消費者教育の事例についてもお話しいただきました。

講義の写真

【受講者の感想より】

  • アクティブ・ラーニングが消費者教育で効果的かつ、実施しやすいことが分かり、参考になった。
  • 他教科と連携しながら進めて行くことがとても大事だと思った。

SDGs(持続可能な開発目標)2030年までの12番目のゴール「つくる責任つかう責任」について

講師
イオントップバリュ(株) 有本 幸泰

「 持続可能な開発目標(SDGs)」とは、国連加盟国(193か国)が2030年までに達成するために掲げた目標で、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「海を守ろう」などの17の目標があります。講義では、「平和でないと政治・社会・経済・商業が発展しない」という企業理念に基づき、SDGsに積極的に取り組んでいるイオンの状況を具体的にお話しいただきました。

【受講者の感想より】

  • 身近な生活の中でのSDGsの取組についてよく分かりました。授業への活用を考えたいです。

暮らしの事故情報@NITEスクエア

講師
(独)製品評価技術基盤機構(NITE)

NITEとは、消費生活センターや消費者庁などに集まった事故情報を分析して製品事故の再発防止のために国民に広く情報提供している機関です。今回は、NITEスクエアにおいて、展示物(事故品)や再現映像を見ながら、どんな事故が起こったか、その原因はどこにあったのかを説明いただきました。再現テスト室では、IH電磁調理器によるてんぷら油鍋の発火実験を再現してもらいました。

講義の写真
再現テスト室でのIH電磁調理器の実験の様子

【受講者の感想より】

  • IHの発火や電気ストーブの誤作動を目の前で見ることができ、授業に生かすよい題材となりました。

各講座受講者数

No 分野 講座テーマ 受講者数
1 概論 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の消費者教育の実践 65
2 消費者教育 【教材紹介】小学生向け 知っているようで知らない「くらしとお金のヒミツ」 38
3 消費者教育 消費者庁作成「社会への扉」を使ったアクティブ・ラーニングの講座〜実践事例紹介〜 91
4 法律 民法の成年年齢が引下げられる?どうして?どうなる? 80
5 契約 東京都に寄せられる若者相談事例と解決方法を学ぼう 77
6 【模擬授業】買い物上手になるために〜「衣服の入手」を考える〜 107
7 しっかり選ぶために知っておきたい食品表示法 108
8 【教材紹介】住まいの知識は一生の知識〜賃貸借契約編〜 111
9 環境と経済 SDGs(持続可能な開発目標)2030年までの12番目のゴール「つくる責任つかう責任」について 75
10 環境 影響をしっかり考えるエシカル消費 87
11 情報 【模擬授業】スマホ・ケータイを安全に使うために 69
12 金融 【教材活用法】Web版教材「もしも未来が見えたなら」の活用事例紹介 67
13 製品安全 【見学】暮らしの事故情報@ NITEスクエア 58
14 IT デジタル通貨入門〜電子マネー・ギフト券・QRコードでお買い物〜 48
15 環境 プラスチックの循環利用 48
16 ガス ガス器具の正しい使い方〜「ガスコンロ」「カセットこんろ」の安全な使い方〜 26

さらに詳細を知りたい方は

「教員のための消費者教育講座」で検索
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/manabitai/koza/center/koza_k170615.html