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東京都消費生活総合センターでは、消費者被害防止事業として出前寄席を、大学の落語研究会や社会人の消費者啓発ボランティアグループと連携して実施しています。落語、漫才及びコントで、悪質商法の手口やその対処法など、楽しく分かりやすく消費者被害の未然防止に役立つ情報をお伝えしています。
この2月には、都立世田谷泉高等学校からの依頼により、オンライン形式で出前寄席を実施しました。新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐために、学校側と連携しながら学校のWeb会議システムを利用して、提供しましたので、内容について紹介します。
都立世田谷泉高等学校からは、昨年度依頼があり、5月に実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言を受けて、残念ながら中止になりました。今年1月末に再度の依頼を受け、電話・メール等により、時間、演目、実施形態等の詳細について打ち合わせを行いました。
今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、体育館で実際に演目を見る学年と、YouTubeのライブ配信を使用して各教室(12カ所)で視聴する学年とに分け、全校生徒が一カ所に集まることのないよう工夫をしました。総勢500名の生徒に、興味をもってもらえるよう、消費者問題をテーマとしたコント2演目で、若者に多い消費者トラブルの事例と、その防止策について、わかりやすくお伝えしました。
当日は、先生方に、各教室の配信確認をしていただくなど、きめ細やかな対応により、スムーズな配信ができました。
また、事前に学校側で音量や映像確認等のテストも数回行っていただきました。
さらに、出演者3名もそれぞれ十分な距離を保ち、各自のマイクを使って演じることで、感染拡大防止の徹底に配慮しました。
夫を亡くしたばかりの女性(高齢者)のもとに、ある日、一人の詐欺師から、東京オリンピック格安チケットを購入しないかという勧誘の電話が入る。詐欺師は、言葉巧みに女性から家族構成等を聞き出し執拗に勧誘。女性は断り切れず購入してしまい、孫が訪ねてきて、騙されていたことを女性に気付かせ、トラブルを解決する。
[最近の手口とその対応策を伝授]
劇的に進化しているインターネット。主人公が、最新型のスマートフォンを購入し、インターネット検索や“アプリ”を色々と試していると、アダルトサイトや婚活サイト・出会い系サイト、架空請求などのメールが次々と入ってくる。
[個人情報の取り扱い方やインターネットを利用する際の注意点を紹介]
生徒の感想にあるように、ただ説明を聞くだけのものではないので、生徒は最後まで興味をもって聞いていました。テンポの良い掛け合いや、思わず笑ってしまうやりとり、身近に感じる役割や設定など、見る人を引き付ける工夫が至る所にありました。プロの仕事だと感じました。
また、当日までの東京都消費生活総合センターの方や劇団の方々との打ち合わせも、とてもスムーズで、よりよい行事になるように、さまざまなアドバイスもいただけました。生徒、教職員一同、本当に感謝しております。別テーマでもぜひお世話になりたいと思います。
オンライン形式での出前寄席は初の試みで、この日のために、どのようにしたら皆さんに内容が伝わるかを検討し、練習を重ねました。演技を大きく見せる、会場にいらっしゃる生徒さんだけでなく、会場にいない生徒さんにもカメラ目線で話しかける、言葉をはっきり伝えるなどを心掛けました。
生徒さんは、オリンピックやインターネットなどの身近なテーマということもあり、うなずいたり、笑ったりして、最後まで真剣に聞いていることがよくわかりました。今後もオンラインでの提供などにも積極的に取り組んでいきたいと思います。
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/manabitai/de_yose/
落語・漫才・コントで、悪質商法の手口や対処方法などを分かりやすくお伝えします。
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/manabitai/de_koza/
若者を狙った悪質商法の被害を防ぐために、学校に講師を派遣します。
※オンライン形式での実施についても、ご相談ください。