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平成29年度 小学生・中学生・高校生の消費生活相談概要

東京都消費生活総合センター相談課

平成29年度に東京都内の消費生活センターに寄せられた相談総数は118,361件で、そのうち「若者相談」(契約当事者が29歳以下である相談)は13,634件であり、全体の11.5%でした。

契約当事者が小学生・中学生・高校生の相談件数

契約当事者が小学生・中学生・高校生の相談総数は971件で、前年度の1,159件に対して16.2%減少しています。またその内訳は、小学生136件、中学生320件、高校生515件でした。図1

【図1】契約当事者が小・中・高校生の相談件数

図1に関する棒グラフ

相談内容の内訳

小・中・高校生からの相談は、インターネットを通じて得られる情報の「デジタルコンテンツ」が多く、小学生の相談の61.8%、中学生の相談の52.5%、高校生の相談の27.0%を占めています。

そのほかの相談では、ダイエットサプリ、ダイエットスムージー、青汁、酵素食品などの「健康食品」が目立ちますが、複数回以上の継続購入を条件とする定期購入に関する相談が多くを占めています。これらの相談の多くが、初回の安さなどに惹かれて申し込んだが、2回目が届いて定期購入であることが判明し、解約したいという内容となっています。

また、「学習塾」「他の化粧品※1」「コンサート」等に関する相談も目立ちます。【表1】

相談の最も多い「デジタルコンテンツ」の内訳を見ると、小・中・高校生ともに「オンラインゲーム」と「アダルト情報サイト」の相談が多くなっていますが、小学生・中学生では「オンラインゲーム」、高校生では「アダルト情報サイト」に関する相談が最も多くなっています。

【表1】平成29年度 小学生・中学生・高校生別 相談が多く寄せられた商品・サービス別一覧

小学生(136件)
商品・サービス名 件数
デジタルコンテンツ 84
玩具・遊具 9
学習塾 5
歯科治療 3
中学生(320件)
商品・サービス名 件数
デジタルコンテンツ 168
健康食品 29
学習塾 10
他の化粧品※1 9
玩具・遊具 7
高校生(515件)
商品・サービス名 件数
デジタルコンテンツ 139
健康食品 58
他の化粧品※1 18
コンサート 18
学習塾 16

【表2】平成29年度 デジタルコンテンツに関する相談の内訳及び割合

小学生(84件)
商品・サービス名 件数 %
オンラインゲーム 54 64.3
アダルト情報サイト 20 23.8
デジタルコンテンツ@※2 6 7.1
他のデジタルコンテンツ※3 3 3.6
映画配信サービス 1 1.2
中学生(168件)
商品・サービス名 件数 %
オンラインゲーム 70 41.7
アダルト情報サイト 59 35.1
デジタルコンテンツ@※2 20 11.9
他のデジタルコンテンツ※3 8 4.8
出会い系サイト 4 2.4
映画配信サービス 4 2.4
音楽情報サイト 3 1.8
高校生(139件)
商品・サービス名 件数 %
アダルト情報サイト 49 35.3
オンラインゲーム 27 19.4
デジタルコンテンツ@※2 25 18.0
他のデジタルコンテンツ※3 23 16.5
映画配信サービス 9 6.5
出会い系サイト 5 3.6
音楽情報サイト 1 0.7
  • ※1「他の化粧品」は、脱毛クリーム・スプレー、除毛剤、化粧石鹸、二重瞼用化粧品などに関する相談
  • ※2「デジタルコンテンツ@」は、有料サイト利用料の架空請求等に関する相談
  • ※3「他のデジタルコンテンツ」は、アダルト情報サイト、出会い系サイト、オンラインゲーム、映画配信サービス、音楽情報サイト、ギャンブル情報サイト、投資情報サイト以外のデジタルコンテンツに関する相談

このほかでは、有料サイト利用料の架空請求等の「デジタルコンテンツ@」、アニメ・漫画サイト、お小遣い稼ぎ・副業サイト、情報商材等の「他のデジタルコンテンツ」の相談が多くなっています。【表2】

相談事例

アダルト情報サイト

高校生の息子が夜中にスマートフォンを使っていたところ、急にアダルトサイトに登録され、約30万円の請求画面が表示されてしまった。「誤作動の人はここ」というボタンをタップしたら、サポートセンターの電話番号が表示された。

消費者及び教員の方へのアドバイス

消費者に会員登録や契約をしたと思わせて高額な料金を請求する「ワンクリック請求」と呼ばれる手口です。クリックすることでアダルトサイトへの登録となることが消費者にはっきりわかるように書かれていたわけではないので、契約は成立しているとは言えず、支払い義務も生じません。また、サイト事業者へ連絡すると自分から連絡先を教える結果になります。絶対に連絡しないでください。

相談事例

デジタルコンテンツ@

私は中学生。自分のスマートフォンに、「有料動画サイトに未納料金が発生しています。本日連絡なき場合、法的措置に移行します」とのショートメッセージが送られてきた。どうしたらよいか。

消費者及び教員の方へのアドバイス

架空請求は無視しましょう。身に覚えのない利用料金について問い合わせの電話をすると、執拗な支払い請求を受けることになります。連絡はせず、支払い請求にも絶対に応じないでください。

もしも架空請求ではなく、実際にコンテンツ等を利用したことによる請求であった場合でも、未成年者契約として取消しの主張ができる場合がありますので、事業者に連絡せず、まずは親権者に相談しましょう。

その他の事例

オンラインゲーム

小学生の息子が父親のスマートフォンでゲームをしたときに、父親に無断で有料アイテムをクレジットカード払いで購入。父親は、クレジットカード会社からの連絡で25万円の請求が発生していることを知った。クレジットカード情報は、父親が以前にネットショッピングをした時に入力していた。息子は状況を理解しないまま、操作しているうちに、カード払いのアイコンを選択してしまったようだ。

健康食品

中学生の娘が、スマートフォンから100円のダイエットスムージーを注文した。4日前に商品が届いたことで母親が娘の契約に気づき、納品書を見てみると、5回以上継続して購入することになっていた。
2回目以降の価格は7千円近い。母親が取消しのため業者に電話したが繋がらない。

他のデジタルコンテンツ

高校生の息子が、ポイント欲しさに、4つのお小遣いサイトに登録。登録先のサイトは、数日間無料期間があり、その間に解約しようと試みたが、画面上では手続きができず、電話をかけても繋がらない。解約ができないため、利用料が発生している状態だ。利用料は、携帯電話の利用料とまとめて親のクレジットカードで支払う形になっている。

消費者及び教員の方へのアドバイス

そもそも、契約は慎重によく考えてから行う必要があります。特にインターネット上の取引では、店頭販売とは違って相手の顔が見えないという特性があります。悪質な事業者の場合には、連絡不能になったり、返金に応じないなどトラブルの解決が困難となるケースがあることに注意しましょう。

なお、未成年者が行った契約は取消しができる場合があります。ただし、未成年者による詐術(成年であるかのように事業者をだます行為)があれば取消しはできないので、親権者はスマートフォンやクレジットカードをしっかりと管理する必要があります。

困ったときには、消費生活センターにご相談ください!