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東京都消費生活総合センターからのお知らせ

すぐに役立つ!令和4年度「教員のための消費者教育講座」実施報告

東京都消費生活総合センター 活動推進課

東京都消費生活総合センターでは、7月25日から8月9日に、小・中・高等学校、特別支援学校等の教職員を対象とした「教員のための消費者教育講座」を開催しました。今年度は、座学講座10講座(右表No.1〜10)、実験講座3講座(右表No.11〜13、各2回)を企画実施しました。座学講座10講座では、飯田橋、立川(サテライト中継)での会場受講に加え、同時ライブ配信のオンライン受講も可能にしました。本講座が東京都教職員研修センターの初任者研修「課題別研修」の認定対象であることから、会場での受講を希望する先生が多い一方、新型コロナウイルス感染症対策や時間創出の観点からオンラインでの受講を希望する先生もおり、双方のニーズに応えることができました。16講座で延べ1,075人の先生方に受講していただきました。

講座内容としては、令和4年4月1日施行の成年年齢引下げを踏まえた生徒への実践的な指導を学ぶ講座、持続可能な開発目標SDGsを伝えていくのに効果的な講座、消費者教育教材を解説する講座など、授業にすぐに役立つものを実施しました。

教員のための消費者教育講座の様子
No. 分野 講座テーマ 受講人数
1 契約とエシカル消費 【令和3年度東京都作成DVD教材】
東京☆SDGs☆学園☆
▶買い物で世界の未来を変えよう!◀
99
2 金融 株式市場の役割について&
東証アローズオンライン見学
123
3 製品 共用品って知ってる? 89
4 契約 【令和3年度東京都作成Web教材】
大人になる君へ 社会で役立つ契約知識
105
5 契約と金銭教育 特色ある4つの学校経験者による消費者教育
実践事例と受講者で考える消費者教育
99
6 情報 学校日常でのデジタル化とデジタル
シティズンシップ教育
100
7 法律 実は……よくわかっていないかも!?
「民法の成年年齢引下げ」と「消費者トラブル」
82
8 経済とSDGs THE POWER OF ELECTRICITY
〜電気の力で未来をつなぐ〜
64
9 契約 東京都に寄せられる若者の相談事例と対処法
〜マルチ商法やアフィリエイトの副業トラブル〜
99
10 環境とSDGs 世界につながる教室
〜授業で使える映像教材〜
97
11 実験衣料 知っていますか?衣料品トラブル 39
12 実験住居 『灯り』の科学〜ロウソクからLED〜 36
13 実験環境 先駆的SDGsの取組
〜回収衣料品を染め直す〜
43
受講者(オンライン受講・会場受講)総計1,075人

◆ご参加いただいた先生方の受講したきっかけ◆

「当講座に参加した理由は何ですか」(複数回答可)

受講者アンケート(有効回答数 453)より

講座に参加した理由のグラフ。テーマに興味・関心がある 420人、教材の情報を得たい 238人、授業の内容に関係が深い 185人、生徒指導に役立てたい 100人、講師に興味・関心がある 35人。

◆全講座を通じて...◆

満足度のグラフ。充実していた 90%、難しかった 5%、既知の内容が多かった 5%。
受講者の90%から「充実していた」との回答を頂きました!

講座内容の紹介

講座 No.2「株式市場の役割について&東証アローズオンライン見学」

講師:
株式会社東京証券取引所
金融リテラシーサポート部 課長 鈴木 深 氏

株式市場の役割と投資の基本を学びました。東証アローズを現地からのオンライン中継でつなぎ見学しました。コロナ禍でも金融経済の一端をリアルに見ることができ、金融教育の周辺知識を増やすことができました。

株式市場の役割について&東証アローズオンライン見学の様子
【受講者の感想より】
  • 普段は伺えない東証アローズをオンラインで見学することができて良い経験になった。
  • 社会科で学んでいる金融教育を知り、家庭科の家計管理を進める必要性を再確認した。
  • 高校での金融教育、投資のメリットとデメリットをしっかり伝えていこうと思う。

講座 No.3「共用品って知ってる?」

講師:
(公財)共用品推進機構
総務部総務課長 森川 美和 氏

不便さから生まれた誰もが使いやすいように工夫されている共用品を知り、実物や動画を見て理解を深めました。授業では児童生徒にどのように伝えていけるのかを考えました。

共用品の実物教材

【受講者の感想より】
  • 「共用品」という言葉を初めて知り、物の見方が一気に変わるほどの発見があった。
  • 今後、道徳の授業などで、人権教育も兼ねて伝えていきたい。
  • まずは、左利きの生徒の調理実習や被服実習の不便さから考えて対処していきたい。

講座 No.7「実は・・・よくわかっていないかも!?『民法の成年年齢引下げ』と『消費者トラブル』」

講師:
弁護士 中村 新造 氏

成年年齢の引下げにより未成年者取消権がなくなるということは、具体的にどういうことなのかを詳しく教えていただきました。進学や就職でさまざまな契約締結場面に直面する18歳に起こりうるトラブルを知り、学校で伝えることを学びました。

【受講者の感想より】
  • 生徒指導で取り扱うべき内容が明確にわかってよかった。
  • 後半の受講者からの質問に答えていただいた時間は、生の声を聞くことができ、実に参考になった。
  • 「因数分解」に例えるなど説明がとてもわかりやすく、また、いただいた資料も非常に簡潔でよかった。

講座 No.9「東京都に寄せられる若者の相談事例と対処法」

講師:
東京都消費生活総合センター消費生活相談員

通信販売、美容エステ、マルチ商法、アフィリエイトの副業トラブル等の相談事例を紹介し、トラブルの対応方法について解説しました。成年年齢引下げを踏まえ、学校現場で生徒へ伝えていただきたいことをお話ししました。

【受講者の感想より】
  • 最新の内容とたくさんの事例を交えての講義でとても勉強になった。
  • 学校での学習が生徒達を守る大切なものだと痛感した。「188」をしっかり伝えていく。
  • 3学期に高2に『経済生活』を教えるため夏季休暇中に教材研究を行い、本日の学びをしっかり生徒に還元していこうと思う。

講座 No.10「世界につながる教室〜授業で使える映像教材〜」

講師:
(独)国際協力機構 JICA 広報部長
JICA地球ひろば所長 竹田 幸子 氏

JICAの国際協力事業について知り、JICA作成の「水」をテーマにした映像教材を視聴しました。そして、今、子供達と共に考えたい世界の課題について理解を深めました。実際に教材を活用された先生からのお話も聞くことができ、今後の授業に生かせる内容でした。

JICAの教材を使用した授業例のスライド

【受講者の感想より】
  • すぐに使えそうな教材で、SDGsに関する授業作りのヒントをたくさん得ることができた。
  • 「水」をテーマにした授業は、複数の教科を横断的に学べるテーマでとてもよいと思った。
  • 教科、総合、道徳で是非活用したいと思った。職場の先生とも共有したいと思う。

現場の先生に講師をしていただいた講座

  • No.1東村山市立回田小学校校長 福留 潮 先生
  • No.4東京都立蒲田高等学校公民科 淺川貴広 先生
  • No.5東京大学教育学部附属中等教育学校生活デザイン科 丸山智彰 先生

各種教材制作に携わられた先生から、教材の紹介と解説、活用方法を学びました。たくさんの実践事例も紹介していただき、今後の授業のヒントを得ました。

こちらの講座では、タブレット端末、Web教材、その他のアプリを使用した意見集約など、ICTを活用した講座展開を多く見ることができました。

【受講者の感想より】
  • 『東京☆SDGs☆学園』は、小学校高学年向けDVD教材だが、中学校家庭科でも十分使えるので活用したい。
  • 特別支援学校の実践例は、これぞ新しい学習指導要領に沿った教育で大変参考になった。
  • 子供達を引き付けるICTを駆使した授業展開がさすがだと思った。
  • 講座そのものもICTを活用した講座で、非常に時代にあった内容や進行で勉強になった。
  • 自分だけが指導方法に悩んでいるのかと思っていたが、教員同士同じような悩みを持って指導している実態がわかってよかった。

令和3年度 当センター作成消費者教育教材

ご参加いただいた先生方の概要

指導経験年数のグラフ。1年目 11%、2年目から5年目 13%、6年目から10年目 10%、11年目から20年目 19%、20年目以上 46%、教員以外 1%。
  • 指導経験1年目から20年目以上まで、幅広く多くの先生方に受講いただきました!
校種のグラフ。小学校 14%、中学校 28%、高等学校 35%、小中一貫校 2%、中高一貫校 6%、特別支援学校 12%、大学 2%、その他 1%。
  • 校種は小学校から大学まで多岐にわたりますが、今年度は特に成年年齢引下げや金融教育が開始される高校の先生が多かったです!
担当教科のグラフ。家庭科 66%、技術科 1%、社会科 7%、全科(小学校) 5%、養護教諭 1%、その他 20%。
  • 消費者教育に携わる家庭科・社会科の先生だけでなく、教科を問わず、生徒指導担当の先生なども多く見られました!

消費者教育の相談は、消費者教育コーディネーターへ !!

<問合せ・連絡先>

東京都消費生活総合センター 消費者教育コーディネーター 03-6228-1331