更新日:2018年8月28日
平成30年8月28日
東京都は、「オーディション商法」(注)により、演技及び歌唱レッスンの受講契約を勧誘していた事業者に対し、特定商取引に関する法律に基づき、6か月の業務の一部停止を命じ、違反行為を是正するための措置を指示しました。また、事業者の代表取締役及び営業部課長に対し、当該停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じました。
(注)ここでは、オーディションをうたって呼び出した消費者に、オーディション後、突然、高額なレッスン受講契約等を勧誘する手口のことを「オーディション商法」と呼びます。
事業者名 | 株式会社クリード(以下「当該事業者」という。) |
---|---|
代表者等 |
代表取締役 松永 大輝(まつなが たいき) 営業部課長 福田 遼(ふくだ りょう) |
所在地 | 東京都渋谷区道玄坂二丁目25番5号(以下「本店」という。) |
設立 | 平成28年6月2日 |
屋号(※) | DWE(ドリームワークスエンターテイメント) Major(メジャー) Top(トップ) |
業務内容 | 各種芸能タレント及びアーティストの養成 |
取引類型 | 訪問販売(アポイントメントセールス) |
契約内容 | 演技(映画)及び歌唱(歌手)レッスン受講契約(以下「本件契約」という。) |
売上高(※) | 約2億1千万円(平成28年6月~平成29年5月) |
従業員数(※) | 11名 |
(※)いずれも当該事業者報告による。
平成30年8月29日(命令の日の翌日)から平成31年2月28日までの間(6か月間)、特定商取引に関する法律第2条第1項に規定する訪問販売に係る次の行為を停止すること。
(1)役務提供契約の締結について勧誘すること
(2)役務提供契約の申込みを受けること
(3)役務提供契約を締結すること
不適正な取引行為 | 特定商取引に関する法律の条項 |
---|---|
当該事業者は、自社が開催するオーディションに応募した消費者に対し、参加日時を調整する電話をし、オーディションを行った後、最終面談と称して電話又は電子メールにて来訪の要請をし、本件契約の締結を勧誘しているが、勧誘に先立つ、オーディションの参加日時を調整する電話の段階から消費者が最終面談のため当該事業者に出向く段階まで一貫して、当該事業者の名称、本件契約の締結について勧誘する目的、当該勧誘に係る役務の種類を告げていなかった。 | 第3条 勧誘目的等不明示 |
当該事業者が本件契約を締結したときに消費者に交付していた「申込書兼契約書(月謝制)」において、消費者契約法第9条第1号に違反する内容が記載されていた。 |
第5条第1項第3号 契約書面不備 |
当該事業者は、オーディション参加者の7割ないし8割の者をオーディション合格者として扱い、最終面談へ呼び出している事実があるにもかかわらず、最終面談において本件契約の締結について勧誘をするに際し、「毎月全国から2,000~3,000人応募するオーディションだよ。この最終面談には選ばれた人だけ来ているんだよ。〇〇さんは監督から推薦されたから来ているんだよ。」、「今回のオーディションはネット応募が全部で約1万あった。オーディション参加者は約3千人いて、合格者は数百名しかいない。」などと、あたかも多くの参加者の中から特別に選ばれた人であるかのように告げる等、消費者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて不実のことを告げていた。 | 第6条第1項第7号 不実告知 |
当該事業者は、本件契約の締結についての勧誘をするためのものであることを告げずに、電話又は電子メールを送信する方法により誘引した消費者に対して、公衆の出入りする場所以外の場所である当該事業者本店に設けた最終面談会場において、本件契約の締結について勧誘を行っていた。 | 第6条第4項 公衆の出入りする場所以外の場所での勧誘 |
当該事業者は、本件契約の解除を申し出た消費者に対し、「とりあえず印鑑をもって事務所に来て下さい。」、「解約するためには事務所に来てもらわないといけない。」、「面倒臭いことになるから、ショッピングクレジット会社には電話しないでよ。うちを通して話をするから。」などと告げて、迷惑を覚えさせるような仕方でこれを妨げていた。 | 第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)第7条第1号 迷惑解除妨害 |
対象者 |
業務禁止命令の内容 |
命令の原因となった事実 |
---|---|---|
松永 大輝 |
平成30年8月29日から平成31年2月28日までの間(6か月間)、当該事業者に対して業務の停止を命じた範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止する。 | 当該事業者において代表取締役を務めており、当該事業者の訪問販売における営業方針等の決定をし、営業に係る指揮命令を行うなど、当該業務の停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。 |
福田 遼 |
当該事業者において営業部課長を務めており、当該事業者の訪問販売における営業目標の設定と営業員の営業状況の指導・監督、営業員の育成を行うなど、当該業務の停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしていた。 |
平均年齢 | 平均契約額 | 相談件数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
28年度 | 29年度 | 30年度 | 合計 | |||||
約25歳(16~55歳) | 約80万円(最高97万円) | 18件 | 44件 | 14件 | 76件 |
(注)平成30年度の件数は平成30年8月27日現在の速報値である。
東京都消費生活総合センター
03-3235-1155(相談専用電話)
悪質事業者通報サイトへ情報をお寄せください。 <事業者名がわからなくても通報できます!>
すでに解決してしまった消費者相談情報や、窓口に相談するほどでもないけど困った経験をしたことがあるなどの情報をお寄せください。
寄せられた情報は、悪質事業者の指導や処分に役立つほか、都民の皆様への情報提供、啓発につながります。
お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課取引指導担当
電話番号:03-5388-3073