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更新日:2019年7月4日

≪参考資料≫ 相談事例(東亜通商株式会社

【事例1】

 平成29年秋、当該事業者従業員Aが甲の会社を訪問し、「○○銀行から東亜通商に転職したので挨拶にきました。」、「同じ○○県出身なのでよろしくお願いします。」と言って名刺を渡してきた。転職した会社について、「金の投資や宝石等を扱っている。大手貴金属店と同じようなもので変な会社ではない。」と言い、自分の近況だけ話して帰った。
   1週間くらいたったころ、Aがまた会社を訪問してきて、「いい話を持ってきたんですけど。金の投資をしたら必ず儲かります。」と言ってきた。甲は、金の投資などやったことがなかったし、やる気もなかったので、「私はいいよ。そういうのはしないよ。」と言って断った。
   また1週間後に、Aから電話があり、「金の投資話について、上司から聞いてもらえればいい話と分かるので、上司から詳しい話を聞いて欲しい。」と言った。甲は、Aがそこまで言うならと思い、来訪を承諾した。
   数日後、Aは上司の当該事業者従業員Bと2人で来社した。Bは、「金はこれから間違いなく上がります。」、「3月末までの短期契約で、金の投資をしませんか。」と勧誘してきた。このときも甲は、「興味がない。」とはっきり断ったが、Bから、「Aは入社したばかりで実績がない。」、「絶対、損はさせません。」と言われ人助けのつもりで、同郷の後輩であるAの実績になるならと思い、「じゃ、1口付き合うよ。」と言った。するとBは、「もう1口入ってください。グラム100円引きますから。」と言い、甲に、インターネットで金の価格を調べさせた。甲が、なぜ金の市場価格より数百円も安い価格で販売できるのかと聞くと、Bは、「もともと香港から金を安く仕入れていて、在庫の金があるので、○○円で取引できる。」と答えた。Bはさらに、「金は、これから上がっていくので大丈夫です。」、「必ず儲かります。」、「契約した時点で10万円くらい儲かっています。」と言った。甲は、必ず儲かるならと思って金○キロの契約をすることにし、契約する日を決めた。
   予定していた契約日に、BとAは二人で来社した。Bは、「いつでも解約できるし、現物は渡せないが、1口80万円で金1キロの権利を得たことになります。」などと説明した。甲はBから契約書、重要事項の交付書面等を渡され、Bに言われるままに、住所・氏名を書き、印かんを押した。このとき、契約書等について何の説明もなかったし、クーリング・オフの説明もされなかった。また、契約書中の金の価格や月々の支払等の手書きの数字は、あらかじめ記載されていた。
   年が明けると金の価格が上がったので、甲は、金を売るようBに連絡したが、「北朝鮮問題や中国の正月で、まだまだ上がるので売らない方がいい。」と言われ、解約をあきらめた。

【事例2】

   平成29年秋、当該事業者従業員Cから、乙の勤務先に電話があった。Cは、以前、○○生命に勤めていたと言い、「前の職場時代にお世話になった方に挨拶回りをしているので、ご挨拶できないか。」と言ってきた。
   数日後、乙は勤務先にやってきたCに見覚えはなかったが、Cは、「お世話になりました、恩返しがしたい。」と言ってきた。そして、○○生命は転勤が多く、安定した勤務地の職場を求めて転職したというような事情やいまの会社の業務内容などを話し、その日の面会は終わった。
   翌月、Cとその上司だという当該事業者従業員Dが、再度、乙の勤務先に訪ねてきた。Dからは、金地金で儲かるという話をされた。乙は興味がなかったが、Cの顔に泥を塗るわけにはいかないと思い、話だけは聞き、契約は断った。
   Dからは、その後も何度も電話で勧誘された。Dの説明は「金価格は、正月には上昇する。いまも上がりつつある。過去10年で9年は上がって、下がった年はない。」、「一口は80万円で、金1キロ分。」、「グラム○○円のところ○○円にするので、概ね手数料分を引いた価格で金を手に入れることになり、既に手数料分を割り引いていることになる。」という話だった。
   乙がしつこい勧誘に根負けして、再度Dと面会すると、「この価格は特別です。」、「特別なお客様にだけ、安く売れるよう準備してあります。」、「すぐに決めないと枠がなくなってしまいます。」と言われた。Dは契約書を渡して、「契約時点で1口80万円です。」、「積立金も3か月間は支払わなくていいです。」と言った。乙が、3か月たったらどうするのかと尋ねると、Dは、「なに言ってるんですか、短期の勝負です。3か月なんて待たずに、上がった時点ですぐ解約するんだから心配いらないですよ。」と言ってきた。乙は儲けるつもりはなかったが、執拗な勧誘と、損することはないし、すぐに解約できるとの説明や、新しい会社に移ったばかりのCの営業成績のことが気にかかって、契約をしてしまった。
   翌月になり、乙が解約を申し出ると、Dは、「2月には中国の旧正月があって金価格が上がるから、もう少し持っていた方がいい。」と言い、解約に応じてもらえなかった。それ以降も、乙が解約を申し出るとその都度、世の中が不安定になると安全な資産の金が売れるから、これから金価格は上がる、などと言われるばかりだった。積立金のことも気になり、これ以上の支払いはできないので解約したいと言っても、積立金のことなら心配ありませんと言われて、解約してもらえなかった。

【事例3】

   平成29年冬、当該事業者従業員Eから、丙の勤務先に電話があった。Eは、以前は金融関係の会社に勤めていたと話し、「丙さんにご挨拶に伺ったとき、励ましを受けお世話になりました。転職したので、お礼とご挨拶をさせてください。」と言ってきた。Eの名前や話の内容は記憶になかったが、挨拶に来たいということであれば別に構わないと思い、来訪を受けることにした。
   1週間後、丙の勤務先にやってきたEは、大変お世話になりましたなどと言ったが、丙は見覚えがなかった。Eは帰り際に、会社のパンフレットを渡して読んでおいてくださいと言った。              
   年が明けると、Eが電話をかけてきて、「金の抽選枠があり、いまなら金を安く買えます。何としても、丙さんに儲けてもらいたい。買ってもらいたいという思いで電話しました。」と言ってきた。Eがとにかく会って話がしたいというので、丙はその日のうちに会うことにした。丙は、Eから「いまならグラム当たり○○円で買えます。早くしないと枠がなくなります。」などと金の購入を勧められた。
   数日後、Eと待ち合わせをした場所に丙が行くと、Eだけでなく、その上司の当該事業者従業員Fも一緒に来ていた。Fは、「丙さんに儲けてもらいたい。中国が景気がいいから、金はこれから絶対に上がる。自分はEと違って裁量権があり、金額を安くできる。ある程度、金額を操作できるので、損しないようにやれる。必ず利益が出る。」と真面目な顔で、断定的に言ってきた。さらにFは、「丙さんなら○○円までできる。そのかわり○○円で○口以上にしてください。」と、○○円という値段を提示してきた。丙は○口で契約することにした。契約書の手書きの部分は最初から書き込まれており、手数料も初めから訂正されていた。Fからは、丙さんは特別だから、6%と消費税でやります、という話があった。契約書では、1口80万円というのは頭金で、その後30年間にわたって毎月支払っていくという契約になっていたが、Fは、頭金だけであとは支払わなくていいと言った。Fの言い方は、金を買うということではなく、「80万円を転がしながら、いいときに解約してください。」という説明だった。解約の条件を読んだ丙が今後の価格の根拠は標準取引価格か、もしくは一般の貴金属店の相場の価格か、どちらなのかを何度も問い質すと、「これは標準取引価格ではなく売り買いの相場でやります。」と言った。そこで丙は、そのことを一筆書くよう申し入れたが、契約書は書き直せないと言うので、いまの丙の返金額がどのくらいになるか計算式を書かせて、Fの自筆でサインさせた。
   契約時に丙は、Fから「丙さん、これだけはお願いしたい。この○口○○円は破格なんです。だから、3か月くらいは置いておいてください。以前、契約してすぐに解約した人がいて、すごく苦労したので、そこだけは守ってください。」という話をされた。その当時、金は上がっていたので、すぐに売っていればかなりの利益が出たはずだった。しかし、丙はそうFから言われたので、3か月は金を持っていた。
   その後、丙が解約したいと伝えても、「丙さんはこの金額ですから時間がかかります。」などと言って、何か月も返還金は支払われなかった。

【事例4】

   平成30年夏、丁の事務所に、当該事業者従業員Gから電話があった。Gは、「○○銀行の○○支店にいるとき、社長に励ましの言葉をいただき、感謝しています。いまは転職して、新しい会社に移りました。銀行時代にお世話になったお客様にご挨拶にまわっていまして、社長にもお目にかかりたいのですが。」と言った。丁は全く記憶になかったが、挨拶に来るのであれば構わないと思い、「会ってもいいよ。」と言った。
   数日後、Gは一人で丁の事務所を訪ねてきた。「ちょうどお出かけになるときに声をかけたところ、励ましていただきました。」などと言ったが、丁は見覚えがなく、Gが嘘をついているように感じた。Gは、いまの会社に銀行の先輩がいて、ヘッドハンティングされたとか、ジュエリー製作や金地金の販売をしている会社で、この会社に入って香港にも行かせてもらったなどと言った。
   数日後、Gから電話があり、「今朝からすごく金が上がっているので、とにかく一度話を聞いていただきたい。」と言ってきた。その日のうちに、Gは上司の当該事業者従業員Hと二人で事務所に来た。丁が、Hに経歴を尋ねると、「○○銀行にいました。」と答えたが、丁は、Hのことも銀行員っぽくないと感じた。Hはパンフレットを見せながら、「いまなら特別価格で金が安く買えます。安く仕入れたものを特別にお分けします。」、「市場価格より安く売るので、買った時点でプラスになっています。契約した時点で利益が出ています。」と、まるで利益が確定しているかのように話してきた。それから、中途解約することを前提として、「本来は、総額が○百万円ほどで、毎月積み立てていくものですが、丁さんは最初の80万円だけでいいです。毎月の積立は一切いりません。」と言った。さらに、「Gに実績をつくらせてやりたい、ひとつ協力してもらえませんか。」とも言ってきた。Hからは、金の価格の変動によるリスクの話はされなかったし、契約にかかる手数料の説明も一切なかった。
   また翌日、Gから電話があり、「中国が大量に金を買っていて、それで金が高騰しています。はやく契約した方がいいです。」と急かすように契約を勧めてきた。丁が、「じゃあ、いいよ。付き合うよ。」と言うと、Gは契約時に現金で支払うようにと言ってきた。
   その日のうちに、Hが一人で事務所にやってきた。Hが持ってきた○口分の契約書の金地金の数量や購入代金等の手書きの数字や訂正箇所はあらかじめ書き込まれ、社判も押されていた。Hは、契約書の内容について詳細な説明をすることなく、「便宜的に書いてありますが、丁さんには関係ありません。」と言った。丁は、書類に署名と押印し、現金で支払い、受領書を受け取った。                                      
   その後も、Hから追加の購入や買い替えをすればもっといい条件で購入できるなどと勧誘されたが、丁は断った。

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