トップページ > 取引・表示指導 > 処分事業者等一覧 > オーディション商法でレッスン契約を勧誘していた訪問販売業者に業務停止命令、当該事業者の従業員に業務禁止命令 > 相談事例(株式会社GOing promotion)
更新日:2018年9月28日
平成29年12月、甲は携帯電話のアルバイト募集サイトでエキストラのアルバイトに応募した。翌日に男性から電話があり、面接にいつ来られるか聞かれ、甲が都合の良い日を伝えると、「面接は事務所で行いますので、その日にお待ちしております。」と言われて電話が切れた。
甲はアルバイトで稼いでいるが、自由に使えるお金は殆んどなく、貯金がない。
数日後、甲が事務所に行くと、当該事業者男性営業員Aが事務所の奥に甲を案内した。アルバイトの面接後にAは、「短編映画のオーディションをやっているんだけど、興味ある。」と甲を映画のオーディションに誘った。甲はアルバイトの面接に来たのであってオーディションに興味がなかったので、Aの誘いを断ったが、Aは断っても誘ってきた。甲は無料だし受けてみようと思い、「やってみます。」と答えた。オーディション合格後に有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは言われなかった。
数日後、甲はオーディションを受けに会場へ行った。会場にはAも来た。オーディション後Aに、「最終面接と合否の確認にいつ来られますか。」と聞かれたので、甲は都合の良い日を伝えた。この時も、その日に有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは言われなかった。
数日後、甲は事務所に行った。男性に事務所の奥に案内され、オーディションの感想シートを書くようにと渡されたので、甲が書いて待っていると、Aが出て来て、「合格しました。」と言って合格通知を渡してきた。その後上司の男性がAと入れ替わり、上司の男性が、「レッスンを受けて短編映画に出れば、有名な人の目に留まって映画に出られるよ。」などと言った。甲はこの時初めてレッスンがあることを知った。そして、Aが上司の男性と入れ替わり、甲に申込書兼契約書を渡してきた。Aが、「金額は、○○万円だけど、うちは分割払いに出来るよ。」などと言った。甲は生活が成り立つくらいのお金しかないので、「そんなお金はないです。」と断った。しかし、続けてAが、「クレジットカード持ってないの。」と聞いてきたので、「クレジットカードは使用できない。」、「現在アルバイトで生活していてお金に余裕がなく、高額な支払いなどできません。」と言うと、Aが威圧的に、「いいから、とりあえず、書いて。」と言ってきたので甲はこわくなり、これを書かなければ帰れないと思った。すでに事務所に来てから3時間くらい経っており、頭がもうろうとしていた。甲は早く帰りたい思いで仕方なく申込書兼契約書に記入をした。
するとAから、「○○万円を上限とするカードの申し込みをしてください。」と言われた。甲はこれ以上借金をしたくなかったが、Aと一緒にカードを作りに行った。甲は仕方なくカードの作成手続きをしたが、結局審査が通らなかったため、カードを作ることが出来なかった。Aにカードを作れなかったことを電話で伝えて、この日は帰った。事務所で勧誘を受けてから、4時間くらい経っていた。
その数日後、甲は事務所に行った。Aから、「一緒にカードを作りに行こう。」と言われて、Aと一緒にカードを作りに行き、消費者金融の店舗の前でAと別れた。甲はカードを作成して事務所に戻るとAから、「お金を近くのATMで下ろそう。」と言われた。甲が一人でATMへ行こうとすると、Aが、「俺も行くよ。」と言ってついてきた。甲はお金を下ろすのについて来られるのは嫌だったが、AとATMへ行き、お金を下ろした。
平成29年11月、乙は携帯電話のアルバイト募集サイトでエキストラのアルバイトに応募した。乙はアルバイトで稼いでいたが、自由に使えるお金は全くなく、貯金もない。
アルバイトサイトから返信メールがあったすぐ後に、男性から電話があり、アルバイトの面接にいつ来られるか聞かれたので、乙が日にちを伝えると、男性から、「12月○日に事務所で面接を行いますので来てください。」と言われ電話が切れた。アルバイトの募集サイトには、オーディションに合格した際には有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは書かれておらず、電話でも一切言われなかった。
乙が事務所に行くと、当該事業者男性営業員Bが事務所の奥に乙を案内した。アルバイトの面接後にBは壁に貼られていた短編映画のオーディションのチラシを指して、「こういうオーディションをやっているんだけど、興味ない。」と聞いてきたが、乙は断った。するとBは、「オーディションに合格した人には、エキストラの仕事や舞台の仕事を優先的にまわすよ。」などとしつこくオーディションを受けるように勧めてきた。乙はあまりにもしつこくオーディションを勧められ、受けると言わなければ帰れないのではないかと思い、仕方なく、「オーディションを受けます。」と言った。乙がBから渡されたオーディション参加者シートに記入をすると、そのシートの下に、オーディションで選ばれなかった場合に、レッスン料など一部実費がかかることがあることが書いてあった。乙は、「レッスンなど受けるつもりはないし、お金はありません。」と断った。するとBは、「レッスンは受けなくてもいいよ。オーディションを受けるかどうかは、レッスンとは別の話で関係ないから。」などと、オーディションに合格してもレッスンを受けなくてもいいという話を何度もしてきた。乙が事務所に来てからすでに4時間くらい経っており、乙はとても疲れて早く帰りたいと思った。レッスンを受けなくてもいいなら、オーディションを受けると言って早く帰ろうと思い、「オーディションを受けます。」と言った。乙はレッスンを受けなくてもいいと言われており、オーディション合格後に有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは言われなかった。
数日後、乙はオーディションを受けに事務所へ行った。男性が事務所の奥に乙を案内した。席に座るとBが出て来て、「オーディションの審査をするプロデューサーが来るから待っていて。」などと言った。そして、Bと入れ替わりで当該事業者プロデューサーCが出て来てオーディションの概要を説明した。その後乙がオーディションを受けると、Cは、「すぐに結果が出るから待っていて。」と言い、Bと入れ替わった。Bは、「演技の未熟なところはあるけど、条件つきで合格にします。」、「条件というのは、有料のレッスンを受けることだ。」とレッスンの勧誘をしてきた。乙はオーディションに合格してもレッスンは受けなくてもいいと聞いていたので、話が違うと思った。Bは、「短編映画はノーギャラだけど、有名な人の目に留まって、いろいろな仕事につながるよ。」、「エキストラの仕事を優先的にまわすから、お金は稼げるよ。」などと、レッスンを受ければ仕事がもらえて収入になるような話をしてレッスンの受講を勧め、合格通知書を渡してきた。乙は有料のレッスンを受けるお金などないので、「お金ないんで、レッスンは受けません。」と断った。するとBは、「お金はなんとか都合付けてレッスンを受けてよ。」、「クレジットカードはないの。」と言った。乙は、「クレジットカードは持っているけど、限度額までローンを組んでいるから使えません。」と断った。Bが、「貯金はないの。」、「レッスンは○○万円かかるけど、受講料の○○万円だけ先に払ってもらえばレッスンを受けられるよ。」としつこくレッスンを受けるように勧めてきた。乙が、「お金はないので○○万円なんて支払えません。」と断っても、Bは、「一緒に頑張ろう。」などと威圧的に言ってきた。乙は事務所に来てからすでに3時間くらい経っていたので早く帰りたかったが、このままレッスンの契約をしなければ帰してもらえないのではないかと思った。収入が少なくて自由に使えるお金はなく、支払うお金など全くないことを詳しく話した。Bは、「カードを作る手があるよ。」、「勤務年数や年齢的には問題ないよ。年収は○百万円って言っておこうか。目的は、ショッピングって言えば大丈夫だよ。」、「キャッシングもつけた方がいい。」と指示してきた。乙はカードを作って借入れするのは嫌だと思い、また、年収などをごまかしてカードの申請をしたくなかった。しかしこれ以上断っても、しつこくレッスンの勧誘をし続けるだろうと思った。狭い場所で威圧的に勧誘されて契約しなければ帰れないと思い、早く帰りたい一心で、仕方なくレッスンを受けることにした。Bが、「一緒にカードを作りに行こう。」と言ってきたので、乙は仕方なく行くことにした。Bとデパートの店舗で別れて、乙はカードの手続きをした。年収や目的など、Bに指示されたとおりに仕方なく偽って申請した。カードを作って事務所へ戻り、レッスンの契約手続きを終えてようやく事務所を出た時は、勧誘を受けてから5時間くらい経っていた。
平成30年3月、丙は携帯電話のオーディション募集サイトからオーディションに申し込んだ。丙は大学に入学するため上京したばかりでアルバイトはしておらず、自由に使えるお金はほとんどない。
翌日男性から電話があり、一次面接にいつ来られるか聞かれたので、丙は都合の良い日を伝えると、男性が、「では3月○日の午後に一次面接をします。詳細はメールします。」と言い、電話が切れた。電話の後すぐに、メールがあった。オーディション募集サイトには、会社名や、オーディションの最終面接で合格した際には有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは書かれておらず、電話でも言われなかった。
丙が一次面接の場所に行くと、当該事業者男性営業員Dが事務所の中に丙を通した。丙はDから名刺を渡され、会社名がわかった。Dからオーディション用紙を渡されたので、丙は記入してDに渡すと、「オーディションに合格して映画に出たら、多くの人が観てくれて有名になるよ。」などと言った。そしてDから、「明日、オーディションを受けてもらうよ。来られる。」と聞かれたので、丙は承諾した。この時、オーディションの最終面接で合格した際には有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは言われず、オーディション用紙にも書かれていなかった。
数日後、丙はオーディション会場に行った。会場内にはDがいた。オーディションが終わると、丙はDから呼ばれ、「3月○日は空いているか。」と聞かれたので、「空いている。」と答えた。Dは、「ではその日に事務所に来て。」と言った。丙はこの時も、オーディションの最終面接で合格した際には有料のレッスン受講契約の勧誘があるとは言われなかった。
平成30年3月○日、最終面接を受けるために丙は事務所に行くと、Dが事務所の中に丙を通した。Dは、「オーディションに合格して映画に出演するためには、6カ月レッスンを受けてもらわなければならない。レッスンは○○万円かかるけど、他の会社でレッスンを受けるよりも安い。」などと言った。丙はこの時初めてお金がかかるレッスンがあることを知った。丙は自由に使えるお金はないので、「お金はないので、やめます。」と言った。しかしDは、「私がサポートするよ。レッスンを受けてこの会社に登録すれば、オーディションの情報を教えるし、舞台にたくさん立たせるよ。」などと勧めてきた。そしてDは、「合格にしてあげたいけど、どうやったら○○万円を支払えるか考えよう。一括は無理か。貯金はどのくらいあるのか。」などと聞いてきた。丙は、「一括では支払えません。貯金もそんなにありません。」と言った。するとDは、「やる気があるなら一括でなくていいよ。普通は分割払いに出来ないけど、丙さんは分割払いでいいか上司に相談するから。」と言った。丙は、一括払いでなくても良いなら、食費を切り詰めて、アルバイトをして稼げばよいかと思ってしまった。Dから、「合格させてあげたいけど、やる気はあるか。本気か。」と聞かれ、丙は断りづらいし何とか支払ってレッスンを受けてみようと思い、「本気です。」と言った。するとDは部屋の奥に行き、しばらくしてからまた戻ってきて、「分割払いでいいよ。毎月○万円なら大丈夫。」と聞いてきた。丙は大丈夫だと言った。Dは申込書兼契約書を出してきて、丙に記入するように言った。丙は記入したが、同意・誓約書に署名する時に冷静になり、月々○万円支払って生活出来るのか不安になり、「やっぱりやめます。」と言った。Dは、「支払いがきつければ、エキストラのバイトをいっぱい紹介するから稼げるよ。」などと言った。
丙は事務所で勧誘を受けてから2時間30分くらい経っていて、心身ともに疲れていて冷静に考えることが出来なかった。断っても勧誘を続けられてしまい、早く終わらせて帰りたい気持ちで、契約することにした。
丙が申込書兼契約書を書き終えてDに渡すと、Dは、「お金を下ろそう。」と言った。丙はDと一緒にATMに行き○万円を下ろし、事務所に戻った。
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