トップページ > 取引・表示指導 > 処分事業者等一覧 > 在宅ワークを装いアフィリエイトのコンサルティング契約を勧誘する事業者に6か月の業務停止命令及び指示 > 相談事例(株式会社ルーチェ)
更新日:2018年9月13日
平成29年3月、甲は、求人広告サイトから、一般社団法人△△の『在宅データ入力 1原稿5円~ コピーとペーストで出来る簡単な商品の宣伝作り』というアルバイトに応募した。後日、電話で面接の日程を調整し、面接場所を指示された。
甲が指示された場所に行くと、そこは一般社団法人△△の事務所ではなく、当該事業者の事務所だった。面接は当該事業者の従業員Aが対応した。Aは「データ入力はどんなにタイピングが早い人でも月5000円ほど。」と言い、「アフィリエイトをやらないか。」と突然勧誘を始めた。
アフィリエイトの経験がなかった甲に対し、Aは、「マンツーマンで教えます。」、「ほぼ全員アフィリエイトの初心者ですから大丈夫です。」、「はじめの3か月は慣れないのであまり儲からないかもしれませんが、その後は最低5万円を超えます。」、「だいたい皆さん8万円くらい儲けています。」と言った。Aの説明を聞き、甲は、当該事業者から指示されたとおりに広告の掲載や管理運営を行う在宅ワークなのだという認識を持った。甲は一回目の面接において、一切書面を受け取っていない。
数日後、甲のもとに当該事業者から電話があった。当該事業者の従業員から「アフィリエイトの件、考えてもらえましたか。」と言われ、甲が「やります。」と返答すると、「登録の作業があるので、パソコンを持って事務所にもう一度来てください。」と言われた。
甲が、再度当該事業者の事務所に行くと、当該事業者の従業員Bから申込書や契約書を記入するよう指示された。Bが契約書を読み上げた際に、甲は、アフィリエイトの仕事をするために○○万円のコンサルティング費用がかかることを初めて知った。
Bは代金をまとめて払って欲しいと言った。甲が「学生で貯金もありませんので、そんな大金は支払えません。」と断ると、Bは「では、月1万円ずつ支払いならどうですか。今回は頭金として、端数を支払ってくれれば大丈夫です。」、「カード会社に連絡して分割払いにすればいい。」と言った。甲は○万円を分割して支払い、契約書・申込書・確認書に署名捺印をした。
その後、甲はBからコンサルティングの説明を受けたが、クーリング・オフや解約に関する説明は書面でも口頭でも一切受けていない。
甲はASPサイトに登録し、アフィリエイトを始めたが、ASPサイト運営側に不正広告として連携を解除された。ASPサイト運営会社の従業員からそもそも当該事業者に指示されたとおりにアフィリエイトやるのは不正行為だということを教えてもらった。結局、アカウントが停止されてしまい、8万円も儲かったことは一度もなかった。
平成29年4月、乙は、求人広告サイトから、『1日30分から1時間の短時間で月5万円から10万円稼げる』というアルバイトに応募した。後日、当該事業者から電話があり、乙は面接の日程調整や面接場所の指示を受けた。乙は、このとき、コンサルティングの契約があることも、どのような仕事をするのか具体的な内容も知らされていなかった。
数日後、乙は当該事業者の事務所で面接を受けた。当該事業者の従業員Cは実際にアフィリエイトの収入を得ている画面を見せながら、「初心者でも時間さえかければ、絶対簡単に稼げる。」、「30分から1時間作業すれば5万円は当たり前。」、「数十、数百万円儲けている人の中には、ほとんど作業なしで収入を得ている人もいる。」と言った。乙は、このとき初めてアフィリエイトという言葉を聞いたので、そんな夢のような話を今まで知らなかったのだと信じてしまった。
Cは「通常は1年のコンサルティングを3年間○○万円で提供する。」、「コンサルティング代は主に人件費だ。」、「講師陣が全力でバックアップするから大丈夫。」、「コンサルティングの代金なんて2~3か月で元が取れる。」と言うので、乙は、当該事業者のコンサルティングを受けて、言われたとおりの仕事をすれば、2~3か月で○○万円の元がとれるのなら、○○万円は先行投資だと思った。乙がやりたいと言うと、Cは「適性を見てまた連絡する。」と言った。
その日の夜に電話で、当該事業者の従業員から「合格です。明日、明後日にでも、また事務所に来てください。」と言われ、乙は契約することにした。
翌日、乙は当該事業者の事務所で再度Cと面接をした。このとき、契約書について説明を受けたが、クーリング・オフがあるという話は一切なかった。また、書面にもクーリング・オフや解約に関する記載はなかった。契約書以外に書面はもらっていない。
乙は、アフィリエイトを始めてから、リスティングに費用がかかることが分かった。リスティング費用を支払わなければ収入につながらないということは、事前に当該事業者から知らされていなかった。リスティング費用に月数十万円を支払い、収入はほとんどないという状態がしばらく続いた。
平成29年7月、丙は、求人広告サイトから『在宅でできる広告を作る仕事』、『1日1時間程度で月収5万円』、『サポートあり』、『PCを使い慣れていない人でも大丈夫』という、当該事業者の求人広告に応募した。数日後、丙のもとに当該事業者から電話があり、面接の日程調整や面接場所の案内を受けた。この時点では、仕事のサポートは無料で行われるものと理解していた。丙は、アフィリエイトという言葉は知っていたが、これまで実際にアフィリエイトで収入を得たことはなかった。
丙は指定された時間に事務所に行った。入口に置いてある電話で予約していると言うと、当該事業者の従業員Dに事務所内に案内された。面接で、Dは「慣れてくれば50万から60万円稼ぐこともできる。」、「最初はサポートが必要だが、仕組みを覚えてしまえば1~2年でコンサルティングの費用は不要になる。」、「給料からサポート料の1万円を差し引くので収入は4万円くらいになりますね。」、「合格にするよう私から上司に言っておきます。」、「次回、登録や仕事の説明をします。」と言った。1回目の面接でもらった資料はない。丙は、Dの説明を受けて、当該事業者から作業に応じた報酬が5万円以上支払われ、コンサルティング代金1万円を引いた差額が自分の口座に給料として振り込まれると理解した。その後、当該事業者の従業員から電話で合格と言われ、再度事務所に行く約束をした。
数日後、丙が事務所に行くと、当該事業者の従業員Eが対応し、契約の手続きが始まった。契約書にはクーリング・オフや解約の記載はなく、Eからの説明もなかった。丙は、このとき初めてコンサルティングの期間が1年で、費用の総額が○○万円の契約をすることを知った。契約書にサインした後に突然、「ローンを組んでほしい。」と言われた。Eはクレジットの申込書の販売方法、商品名、金額、支払い期間や回数などを記入した。そこには、支払い総額が約○○万円で、支払い回数が○○回払いと書かれていたので、丙は、当初の話とかなり違う印象を受けたが、既に契約書にサインをしており、断りにくかったので、やむを得ずEに指示されるままクレジットの申込書を書いた。当時、丙はアルバイトをしていたが、そのアルバイト先の名称やアルバイトの勤務年数を書くようにEに指示された。また、100万円程度の年収のところを年商200万円と書くよう指示された。契約が完了するまでの間に、Eからクーリング・オフや解約についての話や具体的な報酬の仕組みについての説明もなかった。
後日、Eから電話があり、「昨日申請したローンが通らなかったのでクレジットカードを作ってください。」と言われた。丙は、収入を得るためには必要なことだと思い、クレジットカードを申し込んだ。数日後、Eにカードの限度額などを伝えたところ、「消費者金融のクレジットカードを作ってください。」言われた。丙は、Eがあまりにもクレジットカードを作るよう勧めてくるので不審に思い、友人に相談すると怪しい話だと言われたため、断ろうと思った。
平成29年7月、丁は、求人情報サービスから、当該事業者のデータ入力の在宅ワークに応募した。数日後に当該事業者から電話があり、面接の日程調整や面接場所の案内を受けた。丁は、データ入力の在宅ワークの採用面接が行われると思っていた。
丁は、指示された場所に行き、入口で電話をかけて事務所に入れてもらった。面接では、当該事業者の従業員Fからアフィリエイトの仕組みについて説明があり、丁はそこで初めて仕事の内容がアフィリエイトであることを知った。丁が趣味の範疇でアフィリエイトをやったことがあることを伝えると、Fは「お断りすることは基本的にないのですが、経験があるのであれば是非やっていただきたい。」、「実績を掲載させてもらうことになるかもしれない。」と言うので、丁はやってみようと思った。
担当者が当該事業者の従業員Gに代わり、丁は初めてアフィリエイトのコンサルティングの話を聞き、1年間のコンサルティングを受けるために○○万円が必要であることを知った。Gは「あなたは経験もあるし大丈夫。ちゃんとやれば契約分は2~3か月で元がとれる。」と言った。丁はアルバイトの面接のために当該事業者の事務所に行ったので、当該事業者から提供されるコンサルティングを受け、指示どおりの仕事をしっかりこなしていれば、当該事業者が得た収入の何パーセントかを給料として当該事業者からもらえ、月に20万円程度の収入が定期的に得られると認識していた。
丁は、Gから契約書を渡され、「コンサルティングはチャットと電話と来社の方法があります。」など簡単に説明を受けたが、契約の解除、途中解約、クーリング・オフに関しての説明はなかった。書面にも解除やクーリング・オフに関する記載はなかった。覚書も記入するようGから指示があったが、丁は在宅ワークの契約をしたことがなかったので、仕事をするためには書かなければならない書類なのだろうと思い、特に内容については意識せずに署名押印した。覚書について、Gから詳しく説明された覚えもない。契約書と覚書以外に書面は受け取っていない。
丁は、クレジットカードで支払いを行うことにした。Gは「通常は1万円ずつ支払ってもらっています。」と言ったが、丁は20万円程度の収入が定期的に得られるという認識だったので、2万円ずつ支払い、支払い期間を半分にするよう申し出た。
その後、無報酬の研修として、ペラサイトを100個作るよう指示されたが、そのことは契約の前には聞かされていなかった。丁は、数か月たっても作成し終わらなかったため、結果として全く報酬が支払われていない。
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